番外編兄の追跡2

「映画か・・・・・・」俺は、妹の後を追い。妹の初デートを

 つけている最中だ。どうやら妹と大野は、映画を観るらしい。

 まぁ、王道中の王道なデートだな。心の中で、呟き。

 俺も映画館の中に入る。入ると、券売機に妹の夢歌の

 姿が見えた。俺は、隣の券売機が空いていたので。

 妹の隣でチケットを買う。だが、ここで一つ問題がある。

 それは、妹たちが何の映画を観るかだ。俺は、昨日の

 妹の行動を思い出す。確か、俺が妹の部屋に紅茶を

 持って行こうとした時に。「夢歌ー紅茶を淹れたから。

 一緒に飲もうー」「あぁーありがとう。一人で飲むから

 置いたら。出てて」と冷たく言われ。部屋から出ていこうとした

 時に。妹のスマホ画面を一瞬覗き。画面には、おそらく

 観る予定の映画の上映時間を調べていた。それを思い出し。

 俺は、意を決して。チケットを購入する。チケットを購入し

 売店でアイスコーヒーだけを買い。席に座る。俺の隣には

 妹のデート相手の大野八真が座っていた。よし、ビンゴだ。

 大野八真の隣には妹が座っていた。どうやら、俺の予想は

 的中した。キーンコーンカーンコーンの音が鳴り。辺りが

 段々暗くなる。すると、妹が大野八真の耳元に近づき。

 「そろそろはじまるよ」と囁いた。俺はアイスコーヒーを持つ

 手を震わせ。サングラス越しに、大野八真を睨んだ。

 やはり、この男は危険だ。俺の殺気に気づいたのか。

 大野八真が、俺の顔を一瞬見る。俺は、真正面に顔を向け。

 スクリーンに映る。予告編を観ていた。俺の可愛い妹を

 こんな奴に盗られてたまるかと思い。サングラス越しに

 妹の横顔を見つめる。

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