第21話デートの日2

「間に合ったー」俺と姫埼さんは、映画館来ている。

 どうやら姫埼さんは、前から見たい映画があるみたいで

 「えっーと。あっ‼11時のまだ大丈夫みたい」券売機で

 スラスラと操作をする。姫埼さんを見て、俺が思うのは

「慣れている」だった。「はい。これ、大野くんの分ね」

 姫埼さんから、半券をもらい。「あ、ありがとう。お金はー」

「あぁーいいよ。いいよ」俺が鞄から、財布を取ろうとすると

 姫埼さんが、それを手で制止した。「今日は、私が見たい奴に

 大野くんに付き合ってもらっているだけだから」そう言って

 姫埼さんが、俺に財布を出すのを止めた。俺は、姫埼さんに

「じゃあ、せめて何か飲み物とかは。俺に出させてよ」

「えぇ!いいの?」「うん。姫埼さんが、チケット代で

 俺が飲み物とか食べ物代を払うよ」そう言うと、姫埼さんの

 目が輝く。「じゃあ、お言葉に甘えてね。大野くん」「うん」

 姫埼さんのこんな顔を見るのは。初めてだ。売店で、定番の

 飲み物とポップコーンのセットを買う。飲み物は、俺がコーラで

 姫埼さんがレモンティーを選んだ。俺と姫埼さんはポップコーンを持ちながら

 自分達が席に腰を下ろし。「私、この映画。前から見たかっただよねぇー」

 楽しそうな姫埼さんの横顔に見つめる。俺の横に、サングラスをした。

 男の人が座る。何だか怖そうな人に感じたので、なるべく見ないように

 試みる事にした。「姫埼さんは、映画館によく来るの?」「うん。結構

 見に来るよ。一人で」姫埼さんが、映画好きなのも以外だった。

 いや、そもそも。姫埼さんの事を俺は知らない事が多すぎる。

 何が好きなのかとか。趣味とか、家族の事とか。俺は、姫埼さん事を

 知らないすぎる。小学校から知っているけど。でも、その当時は

 話す事もできなかったし。中学なんて、女の子と話していると。

 他の男子共にからかわれるし。だから、こうやって。姫埼さんと話すように

 なったのは。つい最近なんだよなぁ。まぁ、きっかけは。うちの母のズボラ弁当

 がきっかけを作ったけどねぇ。俺は、心の中でもっと姫埼さんの事を知りたいと

 思った。キーンコーンカーンコーンの音が鳴り。「はじまるよ。大野くん」と

 俺の耳元で囁く。姫埼さんの声にドキッとした。そして、なぜかわからないけど。

 隣に座る。サングラス男の殺気も感じた。何で・・・・・・。

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