第7話幼馴染の手作り弁当3

4時限目の授業が終わり。ようやく待ちに待った。

お昼がやってきた。「じゃあ、開けるよ」「うん」

俺は、隣の席に座る。姫埼さんの顔を窺い。

弁当箱の蓋を開ける。開けた瞬間。キラキラと

輝きだした。「はぁーすごい。これは、まさに

宝石箱みたいだー」どこぞのグルメリポーター

の表現が出る程の輝きが。今、自分の目の前に

写りだす。小さな形のおにぎりが二つに

卵焼きに焼いたウィンナーとから揚げと

ドレッシングがかかった。ブロッコリーと

ミニトマトと王道の弁当の中身が俺の前に

現れた。「少し、大野君には量が少ないと思ったけど・・・・・・

大丈夫かな?」確かに、男子高校生のお昼ごはんにしては

量が少ないが。でも、そんな事はどうでもよかった。

「大丈夫だよ。このぐらいが丁度いいから」俺は

涙がでるくらい。嬉しかった。あのズボラ母の弁当を

誰かに見られるのが嫌で。毎回隠れながら、弁当を

食べていた。でも、今日は違う。今日のは、女子が作ってくれた。

特製の手作り弁当だから。好きなだけ見られてもいいのだ。

しかも、その手作り弁当を作ったのは。他人に興味がない。

姫埼夢歌だから尚更いい。俺は両手を合わせ。全身全霊の

心の底からの「いただきます」と腹から声をだし。姫埼さんの

手作り弁当を喰らう。最初に卵焼きを口を運んだ。

口の中で甘い味付けの卵焼きを口一杯に味わい尽くす。

「おいしい」心の底からおいしいと言葉がでるぐらい。

その卵焼きが美味しかった。「どうかな?大野くん

美味しい?」姫埼さんが、俺に弁当の感想を聞いてきた。

俺は、姫埼さんの方に顔を向けて。「うん」と美味しい事を

姫埼さんに伝えた。「本当に?」「うん。美味しいよ」

「そう・・・・・・ありがとう」姫埼さんの頬が赤く染まった事なんて

気づかず。俺は、姫埼さんの手作り弁当を食べ続けた。食べるのに

夢中になっていると。姫埼さんが、俺の耳元で囁く。

「これって、まるで愛妻弁当みたいだね」と姫埼さんが囁く。

囁きを聞いた。俺は、動く箸を止め。姫埼さんの方に顔を

もう一度見る。「これからも、あなたの為に作るね。お弁当を」

追加の言葉を聞いた。俺の思考が停止した。この日のお昼休みは

生涯忘れる事はないだろう。「早く食べよう」「うん。そうだね」

俺と姫埼さんは、姫埼さんが作った。弁当を食べ続けた。

ちなみに、学校の帰り道に。コンビニに寄って。肉まんと

カレーまんとアメリカンドックを買って食べました。

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