第8話彼女と好きなものが一緒だった1

姫埼夢歌は、他人に興味がない。基本的に、人に声をかけられると

基本無視をする。それは、人としてどうだろうと思うけど。

そんな彼女がなぜか、俺には興味があるみたいで。今日も

俺の事に興味津々で、俺に話しかけてくる。「ねぇ、大野くんって

休みの日は何をやっているの?」姫埼さんが、俺に休みの日の

過ごし方を聞いて来た。俺は、姫埼さんお手製弁当を食べながら。

その質問に答える。「休みの日は、基本的に家の事をやってる」

「それって、この前の掃除とか?」先週の日曜日に、姫埼さんが

俺の家に来ていた。それが理由で、俺は姫埼さんにお弁当を

毎週作ってもらう事になった。最初は、量的に物足りなかったけど。

今は、男子高校生が満足できる。量になってきた。そんな事が

あった。先週から引き続き。姫埼さんは、俺への興味が膨れ上がった。

「他には、何かやってるの?」「他は・・・・・・」姫埼さんの

興味を引く程の休みの過ごし方はしていない。基本的には、家の

掃除、洗濯などの家事全般をやる。ズボラ母の代わりにやっているが。

俺にとっては、それが好きな事だから。苦ではない。だが

それ以外に、俺が休みの日にやっている事と言えば。

「まぁ、あとは・・・・・・読書かな?」「えっ‼大野くん

 本読むの好きなの?」姫埼さんが、興味を示した。

「うん。掃除とか洗濯とかが終れば。よく本を読んでいるかな」

「へぇーそうなんだ。あぁ‼でも、小学の時は本読むの嫌いだったよね」

あぁ、そうだ。俺と姫埼夢歌は、小学生時代からの幼馴染だった事を

これも先週の日曜日に思いだした事だった。まぁ、幼馴染と言っても

当時も姫埼さんとはほとんど話さなかったから。正直、幼馴染と呼べるのか?

と俺は思うけど。まぁ、姫埼さんの方から。幼馴染と言ってくれたから。

幼馴染ではある。「いや、中学の時から。読むのが好きになって」

「あぁ、そうなんだ・・・・・・中学の時は、クラス違うから。

 知らなかったよ」姫埼さんが、悲しそうに。俺に言ってきた。

まぁ、そうなんですよ。小学校が、一緒という事はですよ。

もちろん。中学も一緒なんですよ。しかし、中学は三年間。

同じクラスにはなれなかったけど。だから、姫埼さんは

俺が、中学の時に。本を読むのが好きになった事は知らない。

姫埼さんが、俺の方に顔を近づけ。さらに、俺の事を聞いてきた。

「ねぇ、大野君はどんなジャンルの本を読むの?」姫埼さんの追加の

質問に。一瞬ためらい。俺は、勇気を振り絞って。姫埼さんの質問に

答える。「まぁー主にライトノベルを読みますね」「ライトノベル?」

姫埼さんの目の色が変わった。明るい瞳だったのに。今は、深淵に落ちた

ような。暗い目をしていた。これは、幻滅されたかもしれない。

まぁ、それが事実だから。しょうがないよね。俺の発言から

数秒後。姫埼さんから、衝撃な言葉返ってきた。「うそでしょう。

私も好きなんだ。ラノベ」「へ?」「私も、中学の時にねぇ。ラノベ原作の

アニメにハマって。そこから、原作を読んで。それから、ハマったの」

「へーそうなんだー」以外だった。学校では、クールなイメージだったのに。

あんなに可愛く好きなものにたいして。語る彼女が可愛くてしょうがない。

「ねぇ、大野くんは。ラノベはどのジャンルが好き?」姫埼さんの

 質問に、俺は「異世界系が好きかな」と答える。

これがきっかけに、俺と姫埼さんの距離が縮む気がするのは。

俺は、気が早いのではと思ってはいなかった。

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