第24話あぁ、終わってしまった

「あぁー本当にキレイだねぇー」姫埼さんと俺は、ショッピングモールで

 開催されている。光と音のライティングショーを二人で観劇していた。

 「今日は、ありがとうね。大野くん」「えっ⁉」俺は、姫埼さんの横顔を

 見つめていた。「私ね。人と接するの得意じゃないの」「うん。それは

 何となく知ってる」姫埼夢歌は、他人に興味がない人だと思っていた。

 実際、彼女はクラスの女子に誘われても。基本的には無視していたし。

 そのせいか、クラスの連中も「私たち。姫埼さんに嫌われちゃたのかなぁ」

 と不安になって。泣きだすクラスメイトもいるとかいないとか。(そこは

 曖昧ですみません)でも、今、俺の目の前にいる。姫埼夢歌は、そんな

 感じは全くない。ごく普通の女の子だ。「本当は、嬉しかっただよ。

 クラスメイトに、誘われのが」「そうなんだ・・・・・・」姫埼さんが

 少し俯きながら。俺に話す。「でも、私、今の流行の曲知らないし

 同い年の子と話が合わないから。それが怖くて、わざと反応しなかったの」

 「そうなの・・・・・・」それは、初耳だった。「じゃあ、もしかして

 姫埼さんって。人に興味がないんじゃなくて。嫌われるのが怖くて

 自分から嫌われるようにしていたの?」「・・・・・・うん・・・・・・」

 あぁ、そうなんだ。俺は、なぜか落胆した。他人に興味がない。

 姫埼夢歌が、俺にだけは、興味があるのかと思った。けど、真相は

 違った。姫埼さんは、単純に人に嫌われる前に、相手に嫌われるように

 していただけだった。それを俺は、姫埼夢歌は他人に興味がないと

 思っていただけだった。「はぁー自惚れた。俺のバカ野郎ー」俺は

 小声で、バカ野郎と呟いた。落胆する。俺の耳元で、姫埼さんが囁く。

 「でも、大野くんには昔から興味があっただよね」と姫埼さんが囁く。

 俺は一瞬にして。頬を赤く染め上げ。姫埼さんの真正面の顔を見つめる。

 その距離はキスが出来そうなほど。お互いの顔が近かった。

「あぁ・・・・・・」「どうしたの?」姫埼さんの声が、俺の抑えている。

 姫埼さんへの気持ちが爆発する。「俺、姫埼さんの事がす・・・・・・

 す・・・・・・」俺は、言葉の詰まり。うまく姫埼さんに自分の気持ちを

 伝えられない。すると、光と音のライティングショーのクライマックスを

 迎える。光輝く膨大の輝く七つの光が交差して。美しい虹色に輝きだす。

 その瞬間。俺は、今日観た。映画の言葉を思いだす。それは、主人公が

 ヒロインにかける。この一言「俺は、君のすべてを受け入れるよ」だった。

 なぜ、この言葉を言ったのか。俺は慌てて、姫埼さんに「ち、違う。

 今のは、そのーえぇーとだからですねぇ・・・・・・」俺が慌てていると

 姫埼さんが、俺の顔に近づき。「私もあなたがいいです」と今日観た。

 映画のヒロインのセリフを言いながら。俺にキスをした。終わってしまった。

 俺と姫埼さんの特別な関係が終って。始まった。

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