第14話彼女は書いていた5

とても気まずい。「そうか、そうか。君が、大野くんか~」

姫埼さんの部屋で、高身長男こと。姫埼徹ひめさきとおる

が、後ろ頭を手で高速に撫でながら。カッカッカッと

笑いながら。俺と姫埼さんを見つめていた。俺は

そんな姫埼さんのお兄さんの独特な笑い声を聞き。

顔を姫埼さんの方に向ける。姫埼さんは、冷酷な

眼差しで。お兄さんの独特な笑い声を無視していた。

そんな光景を見つめる。俺に、姫埼さんは顔を向け。

俺に頭を下げる。「ごめんね。大野くん。うちの兄が

大野くんに怖い思いをさせて」謝る。姫埼さんを

俺は「いや、大丈夫だよ。ってか、お兄さんのただ

俺の事が誰なのかって聞いただけだからさぁ」実際

そうである。俺は、姫埼さんとは小学校の時からの

幼馴染で(つい最近まで、その事実を忘れていたけど)

家も意外と近いし(それは最近知った事である)

ましては、妹と同い年の男が、妹の部屋にいる所を見て。

そりゃそんな聞き方になるよ。まぁ、俺には妹がいないから

これが正常なのかわからないけど。「本当にごめんね」

「いや、だから大丈夫だよ。姫埼さん」再び謝る

姫埼さんにお兄さんも「ごめんな。驚かせちゃってさぁ。

これ、お詫びのしるしという事で・・・・・・」とお兄さんが

差し出したのは。道明楽亭のどら焼きだった。「あ、ありがとう

ございます。お兄さん」俺は、どら焼きを一つ。手に取り。

お兄さんに礼を言う。すると、お兄さんは体を起こし。

「じゃあー俺は、自分の部屋に行くは。それじゃ、大野くん」

「は、はい」「どうぞ。ごゆっくりね」と言い。お兄さんは

 姫埼さんの部屋を後にした。「もぉー本当に恥ずかしい」

 姫埼さんは、お兄さんの事を恥ずかしいと言いながら。

 先、持ってきた。紅茶を一気に飲み干した。「大丈夫。

 姫埼さん?」「はぁー。大丈夫だよ」口の周りにつく。

 水滴をハンカチで拭く。その仕草は、現世のマリーアントワネット

 みたいだった。(実際のマリーアントワネットが、そんなに優雅な

 仕草で拭くかはわからないが)姫埼さんは、口を拭き。

 話し出した。「昔から、お兄ちゃんを友達に会わせないように

 しってて」「そうなの・・・・・・・」姫埼さんは深刻そうに

 語った。「うちのお兄ちゃんね。私の事になると、すごく乱暴に

 なるから。普段は、とても優しいお兄ちゃんだけど。私が

 他の人と話していると」「お前ら、俺の妹を泣かせたら

 ただじゃすまないからなぁ」と姫埼さんのまわりの同級生を

 恫喝していた。過去があるらしい。それを聞き。俺は自分でも

 気づくほどの生唾を飲み込んだ。「本当に大丈夫だから」

「本当に、大丈夫?」泣きそうな顔で、俺の事を見つめる。

 姫埼さんは可愛いかった。俺は、姫埼にこんな言葉をかけた。

「そりゃ、最初は怖かったけど・・・・・・でも、お兄さんは

 姫埼さんの事を守ろうとしたんじゃないかな?」「私を?」

「うん。姫埼さんを守る為に、俺に少し威圧的に声をかけたじゃないのかな?」

確信はないけど。でも、お兄さんが姫埼さんの事が好きなのは合っていると思う。

理由は、妹だから。可愛い妹の為に、俺に威圧的に声をかけたはず。

うん。俺は、そう思う事にした。俺は、お兄さんから貰った。

どら焼きを持ち。姫埼さんに「そうだ。早く、姫埼さんの書いた。

ラノベが読みたいなぁ」と本来の目的を言う。すると、姫埼さんは

「うん。そうだね。ちょっと待ってて。今、パソコンを起動するから」

そう言って、姫埼さんは自分の机に向かい。パソコンの電源を入れる。

さぁ、これから。姫埼さんの書いた。ラノベを読む。一体、どんな

話なんだろう?ジャンルは、ラブコメ。他人に興味がない。

姫埼夢歌が、どんなラブコメを書いたのか。俺は、楽しみとドキドキで

彼女の後ろ姿を見つめ。自分の頬を赤く染める。


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