第19話 絵に描いたような恥ずかしい大人

 タイトルを読んで「お前が言うな」という声が聞こえた気もしますが、それは置いておこう。

 どうも、前回の予告通り、二日間の講習で本土に行った時の講習以外のエピソード

 を書きますね。

 講習自体は月曜、火曜の二日間だったのですが、月曜日の講習に間に合うように行くには、前日から本土入りしていないと間に合わなかったので、二泊三日のスケジュールで行ってきました。

 各自に配られたスケジュール表にはこのように書いてありました。


 8月18日、各自チェックイン。17:30ロビー集合(食事)


 なんで食事にわざわざ集合するのだろうと思いつつ、素直に集合。

 すると天敵がいる!

 ええ、知りませんでした。島流しKが来るとは。

 知っていたら一人で食べに行ったのに。

 仕方ないのでできるだけ島流しKは無視して皆と食事へ。

 初日の夕飯は、チェーン店の蕎麦屋「そじ坊」へ行きました。

 居酒屋ではありません。しかも、ショッピングモールにある店舗です。客層はファミリーが一番多そう。あとは三十代以降の同性の友人グループとかかな。

 繰り返します。居酒屋ではありません。「ファミレス飲み」という言葉はありますが、あの言葉は「居酒屋ではないけど」を前提にした言葉、比較的新しい習慣ですよ。


 本題書かずに前置き長いですね。

 もうお分かりかと思いますが、この蕎麦屋に居酒屋のサービスを求めるんですよ。島流しKとウッズさんが。

「蕎麦屋で飲んで〆にそば食べるって、東の方じゃスタンダードなのに、田舎だから慣れてないんやろうね」

 とかぬかしながら。

 で、私はアルコール摂取しませんし、とっととご飯が食べたい。しかし、皆がつまみのようなメニューばかり適当に注文し、私もそれらをつまんでいて、なかなか「かつ丼セット」を頼むタイミングがない。

 そして、そのタイミングはちょっと意外な訪れ方をします。

 島流しKが気付きました。最初に皆が生ビールを注文したタイミングで私が頼んだコーラが来ていないと。

 そこで店員を呼んで「コーラどうなっとるん?」と言い、ウッズさんは「コーラ買いに行っとるんちゃうん?」と嘲笑。

 すかさず私はかつ丼セットを注文し、「飲み物は後で良いです」と言いました。

 しかし!

 居酒屋マインドの二人は「コーラはようもってきたりぃや」と。

 店員が去った後「スタンダードをどこに置くかの違いでしょう? 居酒屋じゃないんだから」と例のごとく叱責口調で二人に言うも、店員はその面倒なオッサン二人に従うしかないと判断したのでしょう。先にコーラが来ましたね。

 なんだか申し訳ない。


 翌日の夜は海鮮系の居酒屋へ。店名忘れちゃった。

 ファミレスでは「イキるオッサン」二人でしたが、居酒屋になると「イジるオッサン」二人になります。

 やたらとフロアの女性店員に声をかける。空いた食器を下げる時に、どれだけ持てるか試そうとする。身に着けている「月桂冠」と書かれたエプロンにまで「そのエプロンじゃなきゃダメなん?」とか聞く。

 もう、ここではひと睨みしただけです。口に出して諫める気にもならない。

 よく我慢してるよ、私。

 それもこれもタダメシのため。


 最終日の昼食、これは憶えている。ジョイフルでした。

 ここでの島流しKに関しては全く記憶にないな。存在を忘れるよう努力した成果か。

 ただ、関西出身元宗教家ウッズさんは相変わらずです。

「うな丼をふたつ」

 と、隣席の人の分も併せてオーダーするも店員さんから「申し訳ございません。うな丼があとひとつしかご用意できません」と言われてしまいます。

「んあ、何? 一個しかないんか?」

 いや、お前なんでそんな偉そうなん? と思っていたらまだ終わりません。

「じゃあ、ひとつは日替わり定食で」

 とウッズさんが言うと、店員さんは当然確認します。

「おひとつはうな丼でよろしいでしょうか?」と。

 それに対する言葉。さあ、どんなひとことでしょうね。


「うな丼一個しかでけへんのやろ?(ボリューム大)」

「はい(小声)」

「せやから一個は日替わりで(とかなんとか。もう恥ずかしくて見ていられなかった)」


 ウッズさん、多分私の五歳下ぐらい。島流しKは五歳上くらい。

 私らの世代って、こんなバカばっかりだっけ? と思った三日間でした。

 そうそう、ウッズさんはこの日々もスマホで色々撮影していましたね。気持ち悪ぅ。

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