特定有人国境離島地域に暮らす2024

西野ゆう

第1話 再び安息の地を求めて

 どうも。昨年三月に宇久島に移住し、昨年末に島内で転居しました私です。

 改めましてよろしくお願いします。


 本作は筆者が通称「離島エッセイ」とか「移住エッセイ」あるいは単に「エッセイ」と呼んでいた「特定有人国境離島地域に暮らす」の続きです。

 前作は「特定有人国境離島地域に暮らす2023」と改題しております。

 一応リンクも置いておきますね。

 https://kakuyomu.jp/works/16817330653857549215


 初めましての方もいるでしょうし、そうでない方も割と「私」の「住」のことを知らないかと思いますので、数行で簡単にご紹介します。


 多分長崎県生まれ。記憶はほとんどないが、5歳くらいまで長崎市で育つ。西海市へ転居。高校卒業までのんびり過ごす。

 高校卒業後岐阜県美濃加茂市へ転居。四年のうちに岐阜県内で五回転居。

 広島市へ転居。非常に長く居座る。市内で5回転居。第一言語が広島弁になる。

 三十代前半で色々発症する。約一年分ごっそり記憶が抜け落ちている。

 雇われることを諦め、小説なら書けるかと二年ほど書くことに集中する。

 作家としてデビューするが、あまり売れない。

 なんやかんやで住んでいた家から出なくてはならなくなり、転居先を日本全国から探す。

 奈良県王寺町へ転居。鹿と仲良くなる。雪丸の存在を知る。町内で1回転居

 数年ぶりに雇われても精神が耐えられえそうな環境を見つけ、長崎県五島列島宇久島へ移住。

 寮生活に耐えられず昨年末市営住宅へ転居。


 こんな感じです。流民ですね、ほんと。ここまで覚えているだけで17回引越してます。

 そして、予定ではもう1回引越しするはず。

 昨年末から公営住宅に住んでいますが、ペットが飼えないのですよね。そこで、当初会社から戸建住宅を頂けるという話でしたから、貰えるものは貰ってペットを飼おうと。


 さて、今回の転居に関しては、行政機関の方々にかなり助けてもらいました。

 ここは離島です。天候やその他条件によって郵便物も遅れます。

 元々「素早い対応」が不得手で「お役所仕事」なんて言葉があるほどの事務手続きの数々。

 離島に住む私にとっては、より時間がかかるはずの公営住宅契約までの道。


「公営住宅に申し込んだことがない」

 という方がほとんどでしょう。私は2度目。

 最初は奈良から宇久島へ転居を決めた時です。

 その時は宇久島の住宅に空きはひとつだけでした。で、抽選で落選。

 そう。ひとつの物件に複数の申込があると抽選になります。

 そこで私は今回、この抽選を回避する手に出ました。

 運良く4件の募集があった今回。2地区それぞれ2軒ずつ。古くて安いか、新しくて高いかの二択。

 とりあえずどちらでもいいかな、と思いながら私は募集締切1時間前に市役所の出張所にあたる「行政センター」へ。

 そこでこう訊くわけです。

「まだ応募のない物件はどこですか?」

 はい。締切1時間前にこれ訊いて応募ゼロの物件があったら、99.9%抽選回避成功です。

 返ってきた言葉は「応募があったのは1件だけです」でした。

 おお、残った3軒の中から好きなとこ選べます。

 間取りは3LDKか2LEDの平屋。

 色々考えて、家賃は少し高くても新しくて少しでも快適な住宅にしました。「家賃が高い」と言っても、共益費等込みでも3万円いかないんですけどね。


 さて、この申込締切日。昨年11月13日でした。抽選日同20日。さらに、資格審査期間が同27日から29日。

 この時点で何も知らない私は「12月上旬には契約できるのかな」などと予測しておりました。

 とがしばらくしてきた案内で、入居者選考委員会の開催が12月21日と知るのです。

 正直「ああ、年内の転居は無理やろうな」と思いましたね。

 市の案内による選考委員会以降の入居までのフローチャートは、以下の通り。

 選考委員会(入居の決定)→住宅の下見→誓書・契約書の提出(敷金の支払)→入居

 プラス私の場合、市が定める保証人の条件に合う者が居ないので、家賃保証会社との契約も必要になります。

 12月21日は木曜日。あらかじめ電話で担当者と話した時「書類発送は選考委員会終了後にしかできない」と聞いていました。仕方ないですよね、そういう決まりです。

 翌日役所から必要書類が送られてきたとしても届くのは週明け。離島だからね、これも仕方ないよね。

 という予想をまず覆したのが「西野さん宛ての書類は土曜日も配達のあるメール便で送ります」という対応。

 行政センターへの必要書類は月曜日の午前中に着くよう通常郵便で発送するとのこと。

 さらには公営住宅契約に関する規約とは関係のない家賃保証会社との契約申込を事前に対応することでも日数の節約。

 住宅の下見に関しては書類の提出などないので、市の担当者から行政センターへ連絡がされていて、名乗れば鍵を借りられる状態に。


 まず22日金曜日に鍵を借りに行きました。

 窓口で名乗ります。

 窓口で名乗……ってないよ。名乗ってないよね?

 うん、住宅の申込関係で何度か足を運んでいたので「すみませーん」と声を掛けたら鍵、貸してくれました。

 土曜日、日曜日と下見して、破損や欠品らしき箇所を写真に収めてプリントアウトしておきます。あとで私に請求がこないようにね。

 窓の数やサイズも測ってカーテンや網戸(なんと網戸はデフォルトで付いていないのです)の必要枚数も把握。

 トイレや浴槽などを除く主な電灯はリモコン付きLED電灯。あら、便利。だけど、そこにお金使うなら網戸の方が嬉しかった。


 並行して土曜日に届いた書類を記入。旧住まいでの荷造りと掃除。

 25日月曜日の入居を目指してバタバタします。

 さて、その25日月曜日ですが、最初は職場に「市営住宅の契約があるので昼休み長めに貰います」と伝えておりました。

 しかし、その前週くらいから、寒いからなのか暇だからなのか、3時には作業を終える日々。それならと「昼から出てもすぐ終わりそうなんで、午後は休みます」とお願いしました。

 そしたら「もう、1日休みにしたらいいじゃん」と言われ、それに従いました。

 しかし、朝から行政センターへ行ったところで市からの書類が届いていないですから、何もできないのです。

 なので、荷造り、荷造り、パッキング。

 午後になり、書類をカキカキして契約完了。「市営住宅に入居する際の注意事項」的動画を30分観て引越し開始です。


 ライフラインを開通させ、島の電気屋さんに冷蔵庫と洗濯機を設置してもらう。

 そうそう、離島なので大型家電とか、大型家具は通販では買えません。配達できないんですね。不便。

 さて、この電気屋さん。職場の班長(69歳)のお兄さん。独りで設置にやってきました。当然のように私も手伝います。

 班長のお兄さんということは、当然班長よりも年上。その年齢を訊いたところ74歳とのこと。

 あぁ、私はそんな歳まで働きたくないぞ、などと思っていると「今から来るガス屋さんは私より十歳くらい上よ」ですって。

 マジか。いや、実際ガス屋さん見ても80オーバーには見えん。明らかに電気屋さんよりは年上だなぁとは思えたけど、そもそも電気屋さんも70オーバーには見えんのよ。

 後日電気屋さんにはテレビアンテナの設置もお願いしたのたけれども、梯子で作業してるのを見ていて、ただただ感心するばかり。元気だなあ。


 引越し初日は服と布団、お風呂に洗面道具だけ運んで「とりあえず風呂はいって寝て翌日仕事に行ける」状態を作って終了。晴れて一人暮らし再開です。


 今回の転居に関して、特に住宅管理センターの二条院薫さん(仮)には大変お世話になりました。私の事情を汲んで、最大限丁寧に且つ迅速に対応して下さったことを感謝致します。

 感謝……直接伝えるか。住民票提出しに行かなきゃいけないんだし。


 ちなみに本日1月4日は通院日。

 フェリーに乗って本土を目指しています。

 ついでに住民票と広島に置きっぱなしの本籍を移して、諸々の住所変更をして、西海市の実家へ行ってきます。それではもう一時間半ほど到着まで時間があるので、私は寝ます。

 おやすみなさい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る