第6話 直接言わない人同士
最近同僚に「我が社はここがおかしいよ」と話す私です。こんばんは。
先日グループLINEを抜けた時、同僚M君から「何か御無礼がございましたか?」的なことを聞かれたのは前話公開の翌日だったかな。
「別に何も。なんの役にも立たないし、ストレスになるだけだから抜けた」
と伝えました。
「会長に探れって言われたんなら『イライラするらしい』って伝えたら?『そうか。じゃあ仕方ない』くらいの反応しかないと思うけど」
と付け加えたが、何やら笑って誤魔化された。
その時、ついでに色々と「ここが我が社はおかしいよ」を伝えました。
給料が土日絡むとたまに遅れる
給料明細が出ない
源泉徴収票も請求しないともらえない
就業規則が多分ない
年末調整をしない
健康診断をしない
通勤手当が曖昧(人によってガソリンを会社の伝票で購入させている)
それ以外にも
固定残業手当の時間を超えた場合の把握方法がない
従業員を私用で時間拘束する
給与以外の福利厚生等は全て口約束で、概ね守られない
ちなみに求人情報にはブラック企業の目印である「アットホームな職場」という言葉もある我が社。
一番の問題は、私以前に働いていた人々が「おかしい」と思わない、あるいは思っても口にできないことでしょうね。
さてこのM君。明確な役職はないものの、私たちの職場でまとめ役のようなことをしている私より一年先輩で三十歳くらいの男性。
M君は、健康診断については以前聞いたことがあるそう。あと、有給休暇についても提案したらしい。
この有給休暇の件なのですが、現状どれだけ休んでも有給なのですよね。
ですが、そのM君の身体がズタボロで、最近腰だの膝だのが痛くて良く休んでいたのです。きっとそれで罪悪感があったのでしょう。会社に有給休暇の制度を導入してくれと相談していたらしい。
で、その経過報告が本日なぜかM君から私にあったのです。わざわざ電話で。
「は? 興味ないんだけど」
と言ってあげました。だって本当に興味がないんだもん。
今日の昼休みにも「有給ができるらしい」なんてボソッとそんな話題を口にしていたんですよ。その時も「どうでもいい」的な対応したんだけどな。
でもねえ、わざわざ明日を待たずに電話してくるくらいだからこっちも一応聞いて見たのよ。
「それは来年度から? 使いきれない場合は買取で容認するのか、絶対に消化させるのか?」
「いや、良くわからないけど、今日会長から突然そんな話を言われたんで。それから、西野さん毎月通院されてるじゃないですか。その休みはこれまで通り有給消化しなくても大丈夫らしいです」
ですって。
当然ですけど、有給休暇は与えないと違法です。健康診断も行わなければ違法。年末調整もそう。
M君に「何、そのいい加減な仕組み。口で言うんじゃなくてそう言うのは纏めて就業規則に書けよな」
と言ったら「西野さんの方がそういうの詳しそうなんで、西野さんから直接会長に言ってもらった方が良いですよ」とか言いやがる。
「何言ってんの? 初めから何もM君に動けなんて言ってないんだけど。『うちの会社はゴミだな』って言ってるだけだよ。やって当然のことを会社に対して要望を出すなんてアホくさくてできん。いろんなとこでは『うちはこんな会社だ』って話すけどね。あと、やるとしたら労働局なりに報告するくらい?」
「ああ、そう言うことですか。なんかすいません、勝手になんか勘違いしちゃって」
とか返ってきましたが、上からなんか突かれたんだろうな。可哀想に。勘違いしてるのは会長もだろう。基本的に物事の道理とか、一般常識とか知らないからなあ。
ど田舎のどヤンキーの見本みたいな若い頃の写真(推定三十五〜四十年程度前)をわざわざスマホに入れて「これ若い頃のオレ」って見せてくるくらいだから。
労基とか労働局とかに報告しても、どうにもならん可能性の方が高いけど、近いうちに報告してみるか。「従業員に報告された」って事実くらいは恥と思って意識を変えてくれるかもしれないしね。
向こうも私に直接言わないのなら、私も直接言うことはない。
あと、エッセイのネタにもなるし。
ちなみに我が社の社長は会長の姉の旦那(いわゆるマスオさん)なのだけれども、実質何もしていません。肩書きだけ社長の見本。社長が社長なのは島内に住んでいるから。会長は福岡に住んでいるので、会長が登記上代表になっちゃうと「島の企業」ってカラーが薄まるんですよね。まあ、それは私の推測なんだけれども。
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