第7話 食い違う評価

 雨のため三連休になってしまって暇を持て余している私です。

 さて、色々と問題が多そうな私の職場でありますが、日々の作業自体はそこそこ楽しくやっています。とにかく明るい70歳前後アラセブの人たちと一緒に。


 私が雇われている会社は、法で定められているものがナイナイだらけのブラック企業であることは前回まででご承知かと思います。

 まあね、一般的に言われる「ブラック企業」とは若干違いまして、経営者が無知でいい加減なだけなんで、無知でいい加減な従業員にとっては快適な職場なんですけどね。


 今回はそんな私が雇われている組織の話ではなく、私が実際に勤務している現場のお話。

 そこは、七十歳前後の方々も働く現場。基本的に牧草を育てて、島内に多くいる繁殖酪農家に送り届けるお仕事です。

 これがなかなか大変。なにせ面積が広い。ひとつひとつの圃場(畑)は小さくても、合計するとね、55ヘクタール近くもある。

 クマのプーさんの森だって100エーカーですが、55ヘクタールは135.9エーカーですからね。

 東京ドーム約12個分。お、ということは東京ディズニーランドとほぼ同じですね。

 それだけの面積を11人で管理、作付け、収穫しているわけです。しかもうち6人は60歳オーバー。

 どうやら私もこの仲間の中では「若手」に入るっぽい。普通の企業なら「ベテラン」あるいは「中堅」なのでしょうけど。年齢だけでみればね。


 さて、そんな5人の若手中2名が、この先戦力外になりそうなのです。1名は健康上の問題で。もう1人はこのエッセイの昨年分でも出てきた同僚Yくん。彼はこれまたよく出てくる責任者のKさんと謎の「オーガニック」の深淵に引き摺り込まれそうなので当てにならない(チームリーダー談)らしい。

 私を含め、残った若手は3人。負担増です。やだーん。

 それでですね、先日昨年末大型特殊の免許を取らされたばかりですが、どうも今度はけん引の免許を取らされそうなのです。

 日曜日の午後、他の人たちが最初の収穫を終えた圃場に肥料を巻いている間、けん引車両の練習を敷地内でさせられたので。


 私はのんびり、いや、のんべんだらりと日々を過ごしたい。実際そうしている自覚あり。仕事もね、適度に適当にダラダラしています。しているつもりです。

 ですが、そんな私の「人並みには仕事するけど、仕事ができる人間じゃない」ポーズは不完全だったようで。

 なんか「仕事の覚えが早い」とか「器用に何でもこなす」とかって見られているみたい。ああ、隠しきれないこれまでの経験と悪い意味での要領の良さ。決して真面目ではない、いや、完全に不真面目なだけに得てしまった「適当にこなす」スキルが裏目に出ていますよ。

 けん引の練習も、教えてくれた際若手のFくんが「めちゃくちゃ上手かったです」とかリーダーに報告しちゃうし。いや、そんなことなかろう。平均だよ、実に平均的。普通車の免許持ってうん十年の私と、まだ24歳(だったかな)のFくんとじゃ基礎が違いますやん。

 私をそんなに評価しないでおくれ。皆さんみたく70歳になってまでも働きたくないのだから。


 はい、今回は皆さん70になっても元気に働いて凄いなあと、先輩たちを尊敬しているというお話でした。

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