第18話 七不思議のない学校 巳
僕らは学校の先生や先輩、友達などに聞いてみたが、口をそろえて「七不思議なんて聞いたことないな」と言う。
とりあえず僕らは僕の家の近くにある図書館に集まることにした。
学校の七不思議を作りたいと赤間が考えた作戦はこうだ。
歴史や地形などを調べ、少しでもオカルトがあればそれを七不思議にする。僕と関田の本好きペアは図書館でひたすら歴史や地形などを調べた。雨宮赤間チームは学校で七不思議になりそうな場所や嫌な気配がする場所を探すとのこと。
僕は土日の学校で霊探しは面倒だったし、正直怖かったので図書館で良かったと思った。
町の歴史や学校が出来る前を知るため、大正の時や明治の時の地図を調べる。中には江戸中期の文献もあった。正直なんて書いてあるか分からないため関田に聞きながらやる。
学校ができる前はなんとただの更地。強いて言うなら何軒か家があったらしい。
例の事故物件サイトを見る。やはり人玉は無かった。誰も死んでない。そりゃそうだ。
「そー上手くは行かないよな」関田が遠くを見て言う。
僕達は結局、各々の本を見だした。きっかけは僕だ。
本を探している最中に読んでみたい本を見つけた。
僕は正直、学校の歴史を調べたくらいから飽きはじめて面倒くさくなってきていた。
「一旦休憩」と、さっき見つけた本を取って読んだ。
内容
ここは人間と魑魅魍魎が一緒に暮らす世界。平成の東京での物語。秋に主人公が癌になり死んでしまう。一緒に暮らしていた夜泣き石のイッシーが主人公と自分を引き換えに甦らせる。平和を求めた主人公が自分の体が腐るまでに悪人や悪妖を倒すお話だ。
第5話 不思議の街(1部抜粋)
俺たちはやっとの思いで千手水俣病観音という敵を倒した。手を何本も生やし水銀へと自由自在に変わる。
そんな敵を倒してすぐに事件が起こった。とある街で千手水俣病観音レベルの敵が5体も出現したらしい。自衛隊と俺の仲間達でどうにか弾圧出来ているがこのままだとまずいとのこと、俺と純達で別れて調べた。
俺たちはその街に向かった。純達は何故こんなにも強い奴らが集まったのか調べてくれた。
俺と悠人と葵が到着する頃には6体になっていた。まずい、どうにかして策を考えないといけない。3対6だ。弱い敵ならいいんだが、不幸なことに6体とも強い。
以下略
戦いも無事に終わった。あの後、純に聞くと「あそこの土地にはね。魑魅魍魎が悪妖になる理由は無いんだ。でもね、その周りの土地が悪妖にするんだってさ。そんで、周りが結界の役割をしてその土地に集まるってわけ」そう煙草の煙を吐き、僕を見た。
悪怪が溜まる。
簡単に言うと街全体に妖怪が集まる。集まった妖怪たちは例えると魚の罠のようなカラクリ。つまり、一度入ったら出られないような仕組みをする結界によって入ることはできるが出ることが出来ず、まるで蠱毒のようになってしまう。そして強い奴が誕生する。そんな街になっていたという事だ。
こんな内容の話を読んで僕は気づかされた。
学校の周りがオカルトで囲まれていたら。
そう思い、化学の本を読んでいた関田に話す。
僕らはハイタッチをして再開をした。
また、学校の周りの歴史を片っ端から探る。そう上手いこと行かないようだ。
周りを見たが神社があるだけだった。特にオカルト関係の話はなく名の知れた神社として夏には御神輿祭りが開催される。
今日の成果は面白い漫画を見つけて6巻まで読んだことくらいだった。
6巻目を戻し7巻と8巻を持っていくと赤間と雨宮が焦ったような顔で僕らに詰め寄ってきた。
「あのさ、まじでやばかった。聞いてくれよ」目を輝かせた赤間少年が吐息交じりに言う。
こりゃ長くなるなと僕と関田は思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます