第19話 七不思議のない学校 午
赤間は僕らに言う。「あのさまじで聞いてくれよ」
2人はテンションが上がっていた。
関田が「一旦お前ら落ち着け」と言い、図書館を後にした。
近くの公園に行った僕らは何があったのか聞いた。
「怖いことがあった」赤間曰く、産まれてから一番怖い体験をしたらしい。
プールと副担
俺と雨宮はまず、教室に行った。
まずは自分たち1年がいる3階から探した。特に手形が付いているところとか、血痕が付いている場所は見当たらなかった。
2年生の教室である2階を探す、やはりオカルトはない。
1階も探すがやはりオカルトはない。
流石に理科室や家庭科室などは鍵が開いてない事、先生にバレたら嫌だなということで俺らは帰ろうとしたんだ。したら廊下からタッタッと音がした。
俺たちは来たこれ、オカルトだってことで角に隠れた。
足音はさらに近づいてくる。俺は幽霊を一目見ようと一気に角から出た。「ぎゃぁぁあああ」副担任は尻もちをつきながら叫んだ。
奥から先生が来る。俺らを見て「何やっとんねん」と怒声を上げる。
俺たちと副担は怒られたんだ。で、副担は怖いのがすごく苦手らしい。
前に七不思議の話したらすぐ帰れみたいに言ったのは怖かったからなんだって
僕は「先生に怒られたのが怖かったってこと?」と聞いた。
「違うこの後」赤間が言う。
その後、色々言われてすぐに帰らされた。でも俺らは帰るふりをしてプールに行った。
水泳部もいなく鍵は空いてない。ただフェンスと木がぶつかっていて木に登ればプールに入れると思った。
雨宮は苦戦していたが2人ともプールサイドに入ることが出来た。
プールに水が張っていたが、鳥の羽や緑の藻などで薄汚れていた。
「幽霊居ますか?」と言ったが雨宮姉が返事するくらいだった。
何にもないやん。と俺らはテンションが下がっていた。
沈黙。
ふと、「ボチャン」と水が跳ねた音。
俺らは顔を見合わせた。魚が居るのか?何かが落ちたのか、水面を凝視する。波紋がない。
雨宮がこれはやばいと焦っている。
俺たちはとにかく出口を探した。ドアは外から頑丈に施錠しているため開かない。
トイレや更衣室などの窓を探す。男子の方は人が通れるほどの窓がない。
失礼しますと言う合図で俺は女子トイレを雨宮は更衣室を見た。
やはりない。作りはほぼ変わらない。「ボチャン」1番奥のトイレから聞こえた。
まずい男子更衣室に隠れた。
俺らが考えた作戦は俺が職員室に電話をして副担に鍵を持ってきてもらい開けてもらう。
副担なら優しいし、どうにかなると思ったからだ。
雨宮はその間、祝詞でどうにか対抗するとの事だった。
「バッチャン」と言う水詞が聞こえたのを合図に俺らは取り掛かった。
幸いここは学校で圏外でもない。普通は電話も繋がらないみたいなオチだが、1コールで繋がった。
もしもしと尋ねると女の人が出た。「1年の赤間です〇〇先生いらっしゃいますか?」と聞くと、「あーちょっと待っててね」と言ってくれた。
30秒もしないで「どうした」と声が聞こえた。副担だ。
副担に事情を話し。急いできて欲しいと言った。幽霊のことも言わずに副担には、ほかの先生には言わないでと言った。
電話を切ったと同時にコンコンと戸を叩く音が聞こえた。
より強く雨宮が祝詞を唱える。少しして。コンコンコンと叩く。またコンコンコンコンと叩く。
ノックの音も叩く回数も増えていた。
コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン
俺は少しだが覚悟を決めた。
ガタガタガチャ
「おーい赤間?」
副担のだと俺が思ったと同時にアーアーと空気が口から逃げた声が聞こえた。きっといたんだ。ドアのところに。
バタンと雨宮が勢いよく開けた。
先生が泣いている。
「いま、マショマロマンの男の子バージョン見たいのが出てきてさ。なんだよあれ」先生は震えながら言う。
雨宮が祝詞を聞かせ落ち着かせたあといつも持ち歩いていたお守りを1つあげた。「先生これ持ってれば絶対大丈夫です」雨宮が言う。
そして俺たちで慰めた。
プールの鍵を閉めると副担が言う。「お前らこれは流石にダメじゃないかな?いくら青春したいからってこれでお前らのどっちかが溺れたりしたらどうするんだ」
20分くらい説教をして最後に「まぁ先生も昔やって怒られたことがあったんよ」と笑いながら言った。
やっぱりなんだかんだ副担が俺は先生の中で1番好きだ。
僕もそうだと思う。きっと雨宮も関田もそうだろう。
明日はゆっくり休もうと改めて思った。
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