第7話 赤間退院誕生日会 結
朝窓ガラスが唸り声をあげていた。今日は風が強いらしい。僕は有言実行をするべく、源氏物語を読んでいた。
するとケータイから着信音が聞こえた。ケータイを見ると雨宮からだった。本を読みたい願望を堪えて本を置くと、ケータイを手に取り電話をした。
「もしもしーどしたん?」と電話に出ると雨宮はホッとしたらしかった。「赤間に取り憑いてる奴がいる。そいつがやばい。だから柳田にも来て欲しくて。今日空いてる?」少し不安げに話す声を聞いてオカルトのためならと僕は読書をやめた。
集合場所は雨宮の最寄りの駅だ。
駅の名を旧暦に例えると
睦月駅(雨宮の最寄り)➔如月駅➔弥生駅(僕の最寄り)➔卯月駅➔皐月駅➔水無月駅(赤間と関田の最寄り)➔文月駅➔葉月駅➔長月駅➔神無月駅➔霜月駅(高校の最寄り)➔師走駅
こんな感じだ。
僕が駅に着くと既に皆揃っていた。
雨宮の家はものすごく大きかった。特に庭が大きく小さいながらにお社と鳥居があった。家もThe和風と言う感じでおばあちゃん家を思わせる風貌をしていた。
「中に入って」と言われ「お邪魔しまーす」と中に入った僕たちは「すげー」と言葉を漏らした。なぜなら玄関が旅館のようだったからだ。
そして、雨宮の後ろについて行くと廊下の1番奥に通された。「ちょっと用意があるから待ってて」とだけ言うとどこかに行ってしまった。
部屋に入ると本棚が壁の一角を埋めつくしていた。漫画や小説もちらほら見受けられたがほぼほぼ農業関係の本や植物関係の図鑑だった。
僕たちはまたすげーとかなんとか言っていた。そんなこんなで雨宮が来た。雨宮は神主さんが着そうな正装を着ていた。また葉っぱみたいなものを持っていた。雨宮は僕たちを座らせて祝詞を唱え始めた。
10分くらいした頃雨宮の姉が急に部屋に入ってきた。すると雨宮姉は赤間に近づきお腹にパンチを入れ、瞬間。僕にもビンタをした。関田は何もされてなかったので僕らはちょっとだけ睨んだ。
雨宮姉も一緒に祝詞を唱え始めた。すると「うぅー」「うぅー」と地鳴りのような唸り声が聞こえてきた。赤間が「橘さんだ」と呟いた。雨宮姉は少し顔を強ばらせ違う祝詞を唱え始めた。そこからの記憶は無かった。雨宮姉が来た時くらいから僕は睡魔に襲われていて、赤間が「橘さんだ」と言う頃はもう寝る寸前まで来ていた。
起きると雨宮と雨宮姉と関田が話をしていた。やはり僕達が触れてしまった妖は橘さんだった。赤間の幻想か、本当に存在した人物なのかは分からないとの事だった。僕らが寝たあと雨宮姉は橘さんに会ったそうだ。上半身はスタイルのいい40代のおじさんという感じだったらしく、下半身はグロい状態で目視出来なかったらしい。
とにかく除霊は成功したとの事だった。そんな話を聞いていると赤間が起きた。僕は赤間に洗いざらい話した。すると赤間は気づかないうちに霊体験だなんてオカルトだなどとほざいていた。
初めて雨宮の姉に会ったが想像通りの容姿とキャラだった。
結構昼ごはんを駅のイタリアンチェーン店で食べ僕らは解散した。途中で赤間が関田にお前オカルト信じないのになんで除霊とか受けたんだよと笑いながら聞いた。関田は「郷に入ればってやつだ」と言っていた。
その次の日雨宮姉は死んだ。事故だったらしい。
そこら辺から僕らの身の回りで怪奇が起こるようになった。
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