【燃えよ我が恋、青嵐】（順心病院理事長の止血関与疑惑事件と正五郎のパワハラ死。これらに先立つ24年前の高校生活を描いた嵐山-保津峡-堺が舞台の、五兆円の埋蔵貴金属と外科医を目指す高校生六人）

本書は、執拗なパワハラが原因で無念の死を遂げた、整形外科医南埜正五郎の追悼作品です。正五郎の高校生活を思い浮かべて22年前に書いた【青嵐：杜征住】をたたき台にしています。同じく正五郎との共著で書いた【判決と、女の髪1部】もベースになっています。
　息子正五郎は本当に、生き方の下手な子でした。手術ミスを犯したものの、理事長が一緒に患者さんに謝罪してくれ、また再度本人が患者さんに謝罪して「いいですよ」と言って貰って事なきを得た状況が生まれたと楽観していたところ、正五郎を心よく思っていなかった指導医と称する男に、ここぞとばかり、執拗なパワハラをかけられ、病に倒れてしまいました。病に気づいた親である我々がサポートし、母親が神戸で一緒に暮らすようになって、ようやく未来の展望を描く決意ができたというのに…続きを読む