第28話 別れの時!新たなる使命!
マザーシップゲルマでは「チラキ司令官もあの方と一緒に行かれるんですね!」
「精霊ペガス!あなたも一緒に戻りましょう!」
瞳を2回閉じて左右に目を向け「私には最後にやらなくてはならない事が残っているのです。これから守護神E-Godは今回の破壊された地球を元通りに戻し、そこで暮らす人達から恐怖の記憶を取り除きます。そして、幸せな優しい記憶にして行きます。それが終わると生命力の光は元の場所へ戻り守護神E-GodはB-Kingに戻ります。その後、富士の樹海で言霊達とも離れてバタフライ・シルフに戻るのです。そして約束通り、彼の元にこの娘を無事に返し、最後まで、この方を大変な事に付き合わせてしまい、相当なエネルギーを使わせてしまった。タカシにはやはり記憶を変えて元の状態で戻って貰います!」
ピーッと口から音を鳴らし「待っています。それが終わってから私達とビランへ戻りましょう!」
「それは出来ません。この地球に一度関わりを持ち生態系を変える事までしています。これからのこの星が迎えねばならない環境変化を見続ける事が私に残された使命ですから。」
「そうですか!・・・では私達は戻ります。そしてまた美しい光り輝くビラン星を作る事をあなたとの約束にします。そしていつかあなたが戻ってくる事をいつまでも願い待ち続けています。」
「ありがとう!チラキ司令官!そろそろお別れです。」と言うと千明と共に姿を消した。
シルフが横たわる樹海の中に千明と共に降り立った精霊ペガスは感じていた。命を掛けて地球を守り抜いたシルフを!そしてシルフとなってくれたタカシを選んだ事を間違いではなかったと実感し、無事に終わった事で初めて微笑んで見せた。
シルフは眠りの中でペガスの声を聞いていた。
「シルフ!・・・全て終わりました。これであなたを解放します。元の松井孝(タカシ)に戻り今までと同じ暮らしをして行くのです。」「待ってくれ!私がこの数ヶ月間行って来た事、助けを求める人達はこれからも大勢いる筈です。だからこの力を私に残してくれないのですか!」
「これ以上はあなたの身体が持ちません。数年内に様々な災いがこの地球環境の悪化と共に起こります。その時に周りの仲間と関係協力を広めて、まずはこの日本という国を守って行く事があなたに残された使命なのです。大地震を含む自然環境災害・殺人ウイルスで苦しむ人々を最小限の被害で食い止め、その被害から守り、他国からの侵略や攻撃が起こらない社会となる国民意識を植え付けて下さい。あなたがバタフライキングとしてこれまで闘い続けて来たダメージは蓄積により、あなたの身体にも少しづつですか必ず大きなダメージが現れて来ます。それを乗り切って使命を全うして下さい。」
間髪いれず続けて聞いた「今まで起きた事、これまでに破壊され亡くなった生命や残された方の気持ちはどうなるのですか?」
「その事なら心配しないで下さい。あなたの意識の中から消えてしまっていますが、最後の変化によりEarth-Godとなったあなたが大魔王スピノデビルを倒した後、破壊された全ての地域を元通りにして、地球上の人達に残してしまった恐怖と不安な記憶も全て優しくて幸せな記憶に差し替えたのです。だからその心配ありません。」
「私だけは今まで闘い続けてきたこの記憶が残され続けるのですか?」
精霊ペガスは左右に首を振り離し始めた。「あなたにもこれから私があなたが行って来た同じ事をします。そしてその後あの日の朝に戻って貰います。」
少しの沈黙と感情を抑え込む時間が掛かり「本当にこれであなたともお別れするんですね!ペガス!私の心にも間違いなく、今までよりも強い気持ちと優しい気持ちにを兼ね備え、耐える事の大切さ、忘れかけていた大切なかけがえない家族への思いを細胞に刻む事が出来たよ!感謝しています。本当にありがとう!ペガス!」
「それはこちらから言わなくてはならない言葉です。本当にあなたには大変な事をいくつも乗り越えて貰って来た。この地球とガイラ星の生命体の生命の危機から救ってくれて、本当にありがとうございました!もう時間が来てしまった!シルフあなたに会えて良かった・・・さようなら・・・」
子供の頃、いつも麦わら帽子を被り虫あみを手に握り、鮮やかな緑色の草原を走り虫達と戯れている子供がいた。
水面がキラキラと輝く川で魚を掴み水中メガネを付けて岸辺の岩穴や水中の生物達を観察して遊んでいる。
田舎暮らしで薄暗く湿度が高い山に入りたけのこを取ったり、栗を拾ったり、洞窟を探索したりもしている。
クヌギの木を揺らしカブトムシやクワガタを採集して回った昔の記憶の永い夢を見ていた。
目を覚ますといつもと同じベットで5時30分に掛けたスマホのアラームで目が覚めた。
今日は初めての仕事の手伝いで高速道路のサービスエリアで清掃の仕事があった。
奥さんと娘が寝ているので起こすとまた怒られるから静かに準備をして玄関を出た。
昨晩夜中に雨が降ったせいか、アスファルトの地面は雨水が溜まりいつもより真っ黒な色に染まっていた。
一瞬何かが動いたと思って周りを見ると黒っぽいシマシマのアゲハ蝶が元気に飛んでいた。
何か以前に見た気がする光景の様に感じながら一瞬七色に輝く飛行体の姿がフラッシュバックした気がしたがデジャブ(デジャヴュ)だとよくある事と思っただけ。
玄関先の花壇には奥さんが楽しんで育てている花達が咲き始めていた。
そのアゲハ蝶が花壇の花の周りを喜んで遊んでいる様に思えた。
この花を見て綺麗と喜ぶ人や虫達もいる事を感じて奥さんへの感謝の気持ちが生まれた。「晴々とした良い1日が今日も始まる。今日も張り切って仕事に向かいます。松井孝52歳!いつも通り元気で、そして幸せです。昨日のテレビでやってたタマゴサンド!あーお腹すいた!何食べようかなぁ〜!」
周辺には複数のアゲハ蝶達がその後を追いかけて喜びを表現するかの様に車を送り出していた。
その後、遠くの空に晴天時にはありえない稲光が2回繰り返していた。
END
『バタフライ・キング 』
第1章 Rebirthyers 終了
『バタフライ・キング Butterfly KING 』 松藤 保麻(マツフジ ヤスマ) @tamo4822
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