第20話 逃げ惑う!襲いかかるスピノス!
「ギャー!キャー!にげろー!」
「バァン!バァン!バァン!」
「ギャー!キャー!にげろー!」
「バァン!バァン!バァン!」
「今、行くから待ってろ!」
「ん・・ん!」
目が覚めたが頭痛が残った状態で薄暗い窓やドアが無い狭い部屋で手足を金属の手錠で繋がれて閉じ込められている。
奥にもう1人座り込んでいる人影が薄らと分かった。
「千明!・・・チラキ司令官だったな!」「松井のオジサン?」体は人に戻っていた。近づくと「大丈夫?大分やられたから、死んじゃったのかと思っていた。」
「お前はどこまで記憶があるんだ!」
「ずっと意識を乗っ取られてたみたいだけど!あのデカイ奴、ウルクって奴が何かをして腕に痛みを覚えた時に体はコントロール出来なかったけど意識は乗っ取られていた部分だけはハッキリとしてたみたい!だから一時的に2人の意識がこの身体にあったって事。」「チラキ司令官はどうなった?」
「たぶん、私の体、生命を助ける為にここから出てあの黒いマントの大将に何かを渡して出て行った。」
壁がスクリーンとなり、世界各地の人々が何かから逃げ回る姿が映し出された。
徐々に声や音が聞こえ出し、泣き叫び悲鳴と銃声が響き渡り巨大な姿のワニの様な恐竜が二本足で人を襲い体を噛みちぎっていた。
画面が分割されて行き4分割から9分割そして16分割、最後は25カ所が映し騙されていた。「何てひどい事をするんだ!さっきの無意識の中での映像はこの事だったんだ・・・」「千明!どの位時間が経ったんだ?」
「時計も携帯も無いし外の明かりも分からないからどの位経ったかは分からないけどほぼ1日!24時間は経っている筈。」
シルフは絶望的な光景をイメージしてしまっていた。
身体の変化を意識したがいつもの様に直ぐにゴールドのボディーに変わる事はなかった。ここの部屋はバリアーによってこの身体のままでは出る事が出来ない。
あとはチラキは何処かへ出て行ったのなら、バイラ隊長にテレパシーメッセージを送って見た。
「地球にはあなた方を迎える意思がある!あなたの仲間達の事もです。その為には今起きているビラン隊のやっている事を!スピノスによる恐怖の襲撃を今すぐに阻止しなくてはならない。その為に今すぐにここを出る必要がある。頼めるのはあなたしかいない!」
また静かな時間が過ぎて行っていた。
「やっぱりダメなのかな?何も起こらないね!」と千明は諦めの言葉が出て来た。
「あとは天に祈るだけだ!」明かりが付いたかの様に壁が白くなり、すりガラスの様な状態から透明なガラスの様に外が見えて来た。そこには一体のズーラ兵が大きな体で槍を持ち立ちはだかっていた。そこで無意識に身体の変化が起こりゴールドに輝き出した。触らなくても簡単には割れないカーボンファイバーだと分かっていた。手を広げたシルフは「破壊せよ!バーニングサンシャイン」と十字の身体からブルーの光線!ビラン母船ゲルマから発射されていたビーム砲が分厚い壁を溶かして穴を広げて行った。
目の前に立ちはだかるズーラ兵へライジングシールドを発射・・「待って!待ってよ!」としゃがみ込み背中を向けた。
「今、抜けますから!」と言うとキラキラと日差しに煌めく砂煙の様に人の形になって来て、バイラが現れた。
「お待たせしました。私も監視されているのでちょっと時間が掛かりました。チラキ司令官にあなたからメッセージが届いたら協力してくれ!と伝え聞いていた。だからあなたの意思に従います。」
「ありがとう!それでは、スピノスに襲われている人々を救いに向かいましょう!」と言うとビランマザーシップが日本全土の被害情報を確認して、東京のスピノス被害エリアを特定し撃退処理を急いだ。
叫びながら逃げ惑う人達を襲い体を食いちぎりバラバラにして、踏み潰して行っていた。
スピノサウルスは全長は約18メートル、体重は9トンはあるだろうか。フライウイングでスピノスの上空を飛行して、攻撃を交わしライジングシールドを繰り返し響かせたが硬い皮膚に覆われ、足の鍵爪がアースの役目を果たし地面に電流を通している。
近距離を振り下ろす鋭く伸びた爪と鋭い牙で大きく開き噛み付こうと襲い掛かって来た。開いた口の奥へ向けてバーニングサンシャインを発射した。動きを止めて「バッタン!」と倒れ込んだ。
脳に通じる部分を焼き切る事が出来たのだ。これでアイツを倒す事が出来る。
その情報を自衛隊本部基地の司令官に通知した。世界の各地でもスピノスへの同様の攻撃が始まった。
ビランマザーシップではバイラがズーラ兵の体に侵入し、意思を奪い眼鏡を掛けた。
千明を乗せて日本各地の航空自衛隊の攻撃のバックアップで守っていた。
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