第19話 ビラン星最高幹部現れる!
「・・・・・」黙ったまま、誰かとテレパシーで交信している。空が震え出し時空が開き出した。真っ白な雲が吹き出し広がり出した。チラキ司令官は一歩下がり「私には止められなかった。
あの方がスピノス軍を率いてこの星の人々の命を奪い恐怖で絶望的にする!
それから最終的に一瞬で全てを焼き尽くす!それで何もかも終わる。」
雲の色が暗くなり細かな電気を響かせながらオレンジ色の幾つもの光線を四方にクロスラインさせながらブラックシルバーの巨大な球体が姿を表して来た。
そこからブルー光線がこの母船に伸びて来た。
目の前のバイラ隊長とチラキ司令官がある方向に向かい片膝を突き頭を下げていた。
「ビランの最高権限者である者が遂にくるのか!」
煙の様な物が一瞬で広がり、その中から2mを超える筋肉質の青い皮膚をした眼光が険しい異星人がそこに現れた。
後ろにそれ以上に大きなクマの様な毛むくじゃらの歩兵2名と黒いマントで身体を隠した者が最後に現れた。
「チラキ!何をもたもたとしているんだ!」と青い大きなのが怒鳴り、毛むくじゃら2頭も唸り声を上げて今にも暴れ出しそうであった。
「ウルク様!地球上の生命体は我々と同じフィールを持っています。自然を愛し、全ての生きるものを大切にする心があります。だから、このまま様子を見るか又は監視を続けこの星に共存する事は選択する事は出来ませんか?」
ウルクは指2本をチラキに向けた瞬間何か赤い光線が発射され避け切れず右腕を貫いた。「司令官である貴様がそんな事だからこの有様だ!」と言うともう一度指を向けた。
今度は目を閉じて覚悟を決めた様だ。
2本の指が揃う瞬間に輝く光が横切って、ウルクの赤い光線は不発に終わった。
チラキを抱え背を向ける金色のボディーが立ちはだかっていた。
「お前は何者だ!」立ち上がり、振り返りながら「地球を愛する者!シルフが相手をする!」
シルフに向けて手を水平に平手から上に裏返し「ズーラ兵!やれ!」と言うと両手の爪は全て長いナイフの様に鋭く光り輝き、体は2mで軽く200kgを超える大きさが俊敏なスピードで襲い掛かって来た。
あの時と同じだ。
・・・そして後ろの2人に手で合図をし『やれ!』と言うと何だか物騒な物を再度のポケットから取り出して前に出て来た。
太陽の光で輝きでそれが鋭いナイフだと分かった。
膝を突いていたリーダーも立ち上がりその男もまた刃先の鋭いサバイバルナイフを取り出して来た。
これはもう覚悟を決めて掛からないと命がかかって来ている状態だと拳を握った。
『辞めなさいよ!大の男3人係で刃物まで持ち出して!卑怯じゃないの!』ってさっきの娘だ。
『うるせえな!お前も後で遊んでやるからすこし、まってな!』と言うと突っ込んで来た。
怪物2体が爪を立て、シルフの黄金に輝くボディーを突き刺しそのまま後方の壁へ押し潰した。
一瞬の事で覚えていなかったが男達3人を飛び越して後方に回っていた。
男達は歩を帰りまたナイフを向けて突っ込んで来た。
ここからまたスローモーションになりその場で飛び上がり先頭のリーダーの頭を軸にまた後方へ側転の様に着地した。
ズーラの2体は動けずにいた。
お互いの胸に鋭い爪が4本づつ刺さり背中から貫通した爪先が見えていた。
ウルクが気付き「あいつはどこに?」と前方と天井部分を見ていると「ウルク!お前の後ろに先程から居る!」ウルクは振り返り、殴り掛かるが一瞬で太いその腕を交わし、ウルクの頭部に片足立ちしていた。
「なかなかのスピードと瞬発力ですね!」と黒マントの男が頭まで被っていたマントを全て脱いだ。
ウルクは頭の上の虫でも払いのけるかの様に手ではらった。
ウルクはニヤッと笑い、体を低くして「見事だ!カンパイだ!」と言いながら手を差し出した。シルフも近づき、その大きな手に向けて手を伸ばして行った。
「危ない!」と千明が叫んだ時にはお互いの手と手はガッチリと結ばれていた。
軽々とつまみ上げられ、左右の硬い床に何度も何度も叩きつけられ、意識が徐々に薄れて行った。
微かな記憶の中で聞こえていた声があった。「予定通りスピノスを放て・・・」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます