第2話 新たな未知の力が目覚める!

『やばい!やばい!こんなところで時間を取られてる場合じゃない!』と到着1時間前にセットしておいた時間だった。

出来れば30分前には到着するつもりでいた為、かなりまずい状態だった。

その為、車に乗り込み今日の仕事先の関越自動車道の三芳サービスエリアを目指して急いだ。

遥か宇宙の空間に超巨大で荒々しいシルバーメタル。

宇宙空間に浮かんでいる隕石や様々な残骸物を破壊しながらの飛行。

地球上では見られないオーバーテクノロジーで出来ている攻撃的飛行体が地球に向かい進んで来ていた。

 所沢で高速を降りて側道を進みそこへ向かった。

迷いながらではあるが何とか15分前には到着して担当者と連絡を取り無事にその場所に到着する事が出来てホッとしていた。

そこで担当する仕事はサービスエリア内のフードコートの片付けと清掃でした。

食事をしたお客様のテーブルや椅子の整理や汚れの回収がメインで空きテーブルを待つ方と同様にフードコート内を常に目を配りスピーディーに対応し綺麗にし、次の食事をする方達が喜んで休憩を過ごせる場所を提供するのが今日の私の役目でした。

あと、紙コップの補充や使用後の紙コップやゴミを定期的にまとめてゴミ置き場へ移動するのも30分に1回程度の頻度で繰り返す割と忙しい経験をしました。

しかし今日の私は調査が良かったのか食事が終わって片付けが始まる前に何故か敏感に察知出来る感覚が鋭く自分でも感心する位でした。

その内にその感覚はテレパシーでも映えたかの様に4〜50m先の方まで判る様になり、不思議な感覚が現れ出したのです。

お昼の満員状態が終わり少しテーブルも空席が増え始めた頃、そろそろ休憩して下さいとそこの仕事の先輩スタッフから声が掛けられました。

休憩室へ戻ろうとした時、後ろから肩を叩かれて振り返るとさっきのトラックの女性運転手が立っていた。

『さっきのオジサンだよね!』

『は・はい・・』と答えると、黙ったままシャツの袖を引っ張られ近くの席に座らせられた。

『もう〜!探したんだから!』そんな事言われてもと思いながら面倒だったので黙って聞いていた。

彼女はあの後川越えのお客様へ依頼があった品物を届けた帰りにここへ立ち寄ったらしい。

『それでご用件は何でしょうか!』と聞くと『まだそんな事言ってるの!全く!』

『そんな事言われましても!何の事やら』

彼女はまた頭を傾げて、全くこのオヤジはどこまでとぼけるつもりなんだ!と心の声が聞こえて来た。

すると着ているジャンバーのチャックを胸のあたりから下ろし右手を差し込み何かを取り出そうとしていた。

嫌な感じがしてナイフか刃物を取り出そうとしていると思ってしまいその瞬間、私はその手が掴んだ物が出せない様に抑えに行った。すると『何すんだよ!』と左手の張り手が私の右頬を叩いて物凄い音を立てた。

『バッチン・・・』しかし私の中でその動きはまるでスローモーションで進み本当ならば避ける事は簡単だったがここは叩かれた方がいいだろうと言うイメージが浮かびそのままでいた結果であった。

その後、周りで食事や休憩をとっていた方達の目線は私たちに釘付けになった。

『ザワザワ・・・ザワザワ・÷・』周りで話している話し声が全て聞こえて来ている気がした。

『オジサン!スマホだよ!さっき見てなかっただろ!』

『ほら!今度はちゃんと見ろよ!』と渡されると私の車が映っていた。

何でもなく普通に走っているじゃないかと思って画像を見ていると『ちょっと!待ってよ!何だよあの車!』

『やっぱり!浮いてるよ!って言うか飛んでるよ!やっべーよ!』と先程の声と同時にマジックでも見ている様な光景が映し出されていた。

そこには地面から30センチいやいや50センチ位の高さに浮きながら前に進んでいる私が運転するインスパイアがあった。

『何だよこれ!』何だかゾォっとした感じがした。

だが最近のスマホは色んな画像処理が出来る事くらい私も知っていた。

何か企みがあるな!私を騙そうとしてるんだと感じて『分かった!分かった!もうこれ以上オジサンをからかわないでよ!』

『待ってよ!』しつこく引き下がらない彼女との話を終わらせて立ち上がり帰ろうとした時、『やめて〜!誰か助けて〜!』の声が100m以上離れた表の通路方面で聞こえた気がした。

何故か急いでその場に向かっていた。

するとそこには人集りができていて、その中心には座り込んだ母親に抱き抱えられる様に4〜5歳位の子供が泣いていた。

その周りを囲む様に柄の悪そうな特攻服のつなぎを着た若造が3人で怒鳴り声を上げ凄んでいた。

『オバサンよ!このガキのアイスがオレ様の大切な服を汚したんだよ!どうしてくれるんだってさっきからいってるんだよ!』と地面を強く踏み付け脅していた。

人だかりの中から見ていられなくなった年配の男性が出て来て『君たち!辞めなさい!こんな事してちゃダメですよ!』と止めに入って行くと『ジイサンは引っ込んでろよ!』と後ろ側にいた2人がその男性を蹴り飛ばした。後ろに倒されたが再び起き上がって間に入ろうとした時に真ん中で叫んでいたリーダー的男が前に出て来て『邪魔だって言ってんだよ!ジジイ!』と胸ぐらを掴んで右腕を振り上げた。

一瞬の出来事の様に人並みと後ろで睨みを効かせていた2人の男の間を風がすり抜ける様にあっと思った瞬間、私はその男の右腕を抑えに殴り掛かる前に左手腕も捕まえそのまま首に腕を巻き付けていた。

おいおい!何でこんなところに自分が居るのか分からず焦っていた。

身動きが取れなくなった男は『何してんだよ!離しやがれ!』と暴れ出した。

そこで我に帰った様にオレは何しているんだ!と気付き、背後からの2人の蹴りを交わしながら年配の男性と子供を抱えた母親の前に立ちはだかっていた。

リーダーの男は後ろに付く2人に何かしらの合図をして私の方へ向き直し『てめぇー!』と叫ぶと掴み掛かって来た!ヤバい!と思い体をかがめて避けたつもりが右脚が後方に向け伸びていて、その足には少しばかりの重さを感じていた。

自分の身体の動きにビックリしていた。

足の踵がその男の胸の下、溝落ちあたりにめり込んでいた。

『ウゥッ・・・!』と前のめりに腹を抑えに膝をついたがまだ睨みつけていた。

そして後ろの2人に手で合図をし『やれ!』と言うと何だか物騒な物をサイドのポケットから取り出して前を出て来た。

太陽の光で輝きでそれが鋭いナイフだと分かった。

膝を突いていたリーダーも立ち上がりその男もまた刃先の鋭いサバイバルナイフを取り出して来た。

これはもう覚悟を決めて掛からないと命がかかって来ている状態だと拳を握った。

『辞めなさいよ!大の男3人係で刃物まで持ち出して!卑怯じゃないの!』ってさっきの娘だ。

『うるせえな!お前も後で遊んでやるからすこし、まってな!』と言うと突っ込んで来た。

一瞬の事で覚えていなかったが男達3人を飛び越して後方に回っていた。

男達は歩を帰りまたナイフを向けて突っ込んで来た。

ここからまたスローモーションになりその場で飛び上がり先頭のリーダーの頭を軸にまた後方へ側転の様に着地した。

こんな事を3回4回と繰り返すとリーダーは2人を呼んで何か考えを伝えたらしい。

『オレの後ろに付かずにサイドに広がり飛び越えた奴を捕まえろ!』と脳にイメージが届いていた。

私も自分が起こしている奇跡的動きが夢でも見ている様な感覚となっていた。

次の勝負でケリを付けるかと覚悟を決めまた飛び掛かって来たリーダーの両肩をジャンプと同時に掴み飛び越えて両膝の裏側に踵を叩き込んだ。

見事なくらいに計画通りに前のめりに倒れ込んだ。上手く行った。

この後2人が抑えに来る。

『あれっ!来ないっ!』と油断していたら『捕まえた!』と両サイドから腕を抑えられてしまった。

『動くなよ!動いたら刺しちゃうよ!』と言いながら腕を締め上げられ足を蹴飛ばされ膝を尽かされた。

すると前のめりに倒れていたリーダーが立ち上がりこちらへ向かって来た。

そして勢いよく首から顔にかけて回し蹴りが入った。

一瞬脳みそが触れるのがわかり気を失いかけた。

『お前らそいつを立たせろ!』と言うと持ち上げられる様に立ち上がった。

『お前オヤジのくせにチョコマカしやがって!』と次は腹に拳をぶち込んで来た。

流石にダメージがあった。

その後も顔面を2・3発はいかれたんだと思うが初めの蹴りて意識が飛んでいた為、記憶には無かった。

ただ次の一発で最後だなと言う想いだけが残っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る