第7話 あの娘との再会と新たな危機が始まる!

刑務官の中にも紛れ込んだ組織側の人間が数人潜み、外部から都内で起きている騒ぎの原因となったネズミがこの付近にも集まって来ていると通達があり、別の収監基地へ緊急移動の防弾仕様の特殊車両とSAT隊が護衛となり警備を強化してその人物を護送してトンネルを通過してそこへ向かった筈だった。久しぶりに埼玉県の戸田市に仕事の依頼が入った。運送会社の倉庫に小動物の侵入被害が続き、保管された商品が傷つけられ大変問題になっていると言う事だった。その物件の調査が終わり、近くにある丸井運送の前を通過したがわざわざあの娘に会う事なく、帰り道のすぐ横にあった以前派遣職員で働いていたイオンモールに挨拶する為に立ち寄ることにした。私が派遣で働いていたのはリフォーム専門の店舗で丁度展示会をやっている最中で忙しそうだった。その店舗の店長がいたので挨拶して帰ろうとしたら別の店員さんが私を呼び止めた。『松井さん!松井さん!ちょっと待って!』と呼ばれて立ち止まって『どうしたんですか?』と言うと『松井さん宛に河合様から何回も連絡が入り、この間はわざわざご来店頂いて、松井さんからの連絡がないんです。ガスコンロを購入して頂いたお客様の様ですよ!』河合?・・・河合千明だとすぐに分かった。『連絡は・・・』と聞いて『分かりました。連絡してみます。』と言ってそこを出て駐車場から電話を掛けて見た。『プルルル・・ありがとうございます。丸井運送でございます。』『あのぉ〜!そちらにカワ』と言い掛けたところで『松井のオジサンでしょ!待ってたんだから!』と河合千明だった。『何かご用事ですか?』と言うと『この間の話よ!何惚けてるの!それとこの間のビル火災で外国人の人達を助けたのも松井さんでしょ!』と確信をついて来た。『何を言ってるの?』『大丈夫!誰にも言ってないから!あの学校のプールの近くに私の家があるの!そこで全てを見てしまいました。』何でいつもこの娘なんだよ!『それとイオンのリフォームでガスコンロと洗面台を1階で展示会の時にお母さんと2人で見に行った時、案内して説明してくれたのが松井さんでしょ!』と言われてそんな気がして来たがあまり覚えてはいなかった。『まあ、いいや!それでいつ会えます?』『何時って!』『もしかして電話してくれたって事は今イオンの近くに居るの?』『駐車場ですよ!』『わかった!これから直ぐに行くから、待っててね!どの辺に停めてるの?』『本館側駐車場出口近く。木の下の方!でも・・・プウプウプウ・・・・・』と切れていた。5分もたたない内に1台のオートバイが車の前に停まり、着いて来いと手で指示を出された。ついて行くと丸井運送の駐車場に入ってバイクを停めてフルフェイスのヘルメットを脱ぐとやはり、河合千明だった。『松井さん!何処でもいいから車停めたら事務所に入って来て!』と言われた様にすると中に入ると『その辺に座ってて!』・・・お茶を入れて持って来てくれた。『どうなってるの?あの車も!あの身体も!』と言われても!あの日起きた事とその後に起こった事を全て話してしまった。『何故!この娘に全て話す必要があったんだろう!』と不思議に後になって思っていた。とその時またいつもと同じ感覚で救いを求める声が聞こえて来て走り出していた。高層マンションの上層階階部分から子供がブル下り今にも落ちそうな状況であった。車を降りると物影で身体の変化をイメージするだけで、瞬時に移動してその高さの男の子を抱えて下の通路脇の洗濯物が干してあるベランダに広げてあった布団の上にその子を降ろすと素早くその場から姿を消した。母親らしき女性が走ってやって来て、無事だった事を確認すると泣きながら男の子を抱き抱えた。この事をシッカリと見ていた者がいた。ヘルメット越しだったがバイクで後を追って来た河合千明だった。その日は部下の運転する車の助手席に乗り都内を移動中、街の人達が騒ぎ出し歩道にいるほとんどの人が携帯で空を写し、指差して何かを言っている。運転する部下に移動位置を指示して同じ様にフロントガラス越しに確認してみるとビルとビルの間にシルバーの楕円形のUFOと思われる飛行体が浮かんでいた。と思っているとそれとは違う方向にハンドルを切って車を停めた。

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