第10話 和人の記録壱 追伸
炊事遠足の日の夜、美月は自室のベッドの上に枕を抱え座り、恥ずかしそうに下を向きながら今日あったことを思い出す。
和人の彼女になった、未だに信じられないが美月は何度も何度も和人が自分を好きだと言ってくれた事を思い出していた。
このまま寝て次の日起きたら全部夢でした。なんてことはないだろうか、もしそうなら寝るのが恐いなどと考えながらうれしそうにはにかみ、パタンと後ろに倒れ白い天井を見る。
「……和人君……」
だがそこで美月はある重大なことに気付く。
「あれっ? そういえばあたし、トイレから飛び出して和人君にしがみついたとき……」
蛇口は外についている、手を洗っているわけがない。
「っっ!?」
途端に美月の顔が首元まで赤くなり枕を天井も跳ね飛ばし叫ぶ。
「お願い和人君、気付かないでぇー!」
下の階で両親が美月は何を叫んでるんだと言っている頃、和人は。
「あっ、そういえばトイレであいつ……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます