ミドル・フェイズ⑪ ―三人寄ればもんじゃの知恵―
シーンプレイヤー:カルロ・カラバッジョ
部屋を追い出されてしまったカルロは何時まで経っても空かない扉にしびれを切らしてホテルのラウンジまで下りてきた。ソファーにでも座り体を休めようと思ったのだが、あいにくとその場で自分が雨に濡れていることを思い出したのだった。
どうしたものか?と考えていると、いつの間にか湯河原がそばに来ていた。
「濡れたままじゃ、他の方にも迷惑ですよ。」
そう言って、湯河原がカルロにジャケットを手渡す。
「恩に着る。着替えると言われて部屋から追い出されてしまってな。」
濡れたコートを剥ぎ、カルロはジャケットを羽織ったのだった。
湯河原:「ここ、座っても良いでしょうか?」と断りを入れてラウンジのソファーに座りましょう。
カルロ:好きにしろというニュアンスで肩をすくめよう。
エンリコ:では、私も登場だ。今度は、上品な身なりのビジネスマン風の出で立ちでくる。ホテルマンを呼び止めてコーヒーを注文する。そして、2人のところへ。
カルロ:「アンタ、あのポリか?」
エンリコ:「まったく、男3人揃ってしみったれた感じでお話合いをするのか?」
カルロ:「着替えをするから入ってくるなと言われてね。」と言って肩をすくめるよ。
エンリコ:「そのお嬢ちゃんについてだ…。」
「お前はエヴァかエリオかを選ばなきゃならん。俺の知っている情報を聞いた上でな…。」
エンリコ:ちょうど、ここでホテルマンがコーヒーを持ってくる。「あぁ、ありがとう。」と受け取るよ。
カルロ:「どういうことだ?」
エンリコ:「エリオは、自分の血族をすべて消すつもりだ。1人の例外もなく…な。」
エンリコ:ここで、私の知ってる情報を全て伝えよう。
カルロ:「それは、つまり。エリオは『自分の妹』も殺すつもりなのか!?」
エンリコ:「そろそろ、呼び出されてるんじゃないのか?『妹ごと』来いと。」
カルロ:何も言えないな。それが、明確な答えになる。
湯河原:「なるほど、彼の目的は旧派閥の首魁となり得る人物を全て殺すことだったんですね。」
エンリコ:「俺はお前の想像通りの『仕事』をしている。だから、回答次第では今ここでお前を殺すことも辞さない。」
エンリコが氷よりも冷たい瞳で目の前の殺し屋を射抜く。
ここで、湯河原が一つの提案を持ちだしたのだった。
湯河原:「ギルドさえ、どうにかできれば…解決の糸口になりませんか?」
エンリコ・カルロ:?
湯河原:新派閥がこの短期間で勢力を拡大できたのはギルドのバックボーンがあったからです。その後ろ盾がなくなれば、新派閥も今の勢いは維持できないでしょう。
エンリコ:なるほど、確かにこの一件を複雑にしている要素の一つを取り除ければ…幾分かはわかりやすくなるな。
湯河原:ボクの目的は『エヴァを逃がす』なので、国外にも影響力のある『ギルド』と新派閥のつながりが残ったままなら彼女に身の安全を保障できませんし。
カルロ:そういえば、GMは『ギルドと新派閥の繋がりは、エリオ個人のモノ』だと言っていましたね。
GM:…………はっ!そのとおりです!!
(一同:コイツ、自分のシナリオに書いていることを忘れてたな。)
湯河原:そうなんですよ。だから、今のうちに関係を断つことができないかと思って。
湯河原:それに、その状況なら『エヴァ』と『カルロ』が話し合う機会を作れると思うんですよね。というか、ボクは二人を引き合わせて話しをさせてあげたいです。
エンリコ:俺は、湯河原の考えに乗る。公安の思惑にも合うのでね。
シルヴァーナ:私も登場しましょう。
シルヴァーナ:「話は聞かせてもらったわ。」
エンリコ:往年のヒーローみたいな登場の仕方だなぁ。
湯河原:「アナタはどうするつもりなんですが?」
シルヴァーナ:「私の目的は、『ヴァローナ』を倒す事よ。それ以上でも以下でもないわ。エヴァについては、同情はするけれども…。」
湯河原:「そのためなら、手段を選ばないと?どのような事態に転じたとしても?」
シルヴァーナ:「えぇ。」
一同:いいんかい!!(一同笑)
(先ほどの、自分語り…もとい説得から一転して冷酷なエージェントアピールをするシルヴァーナ嬢。彼女の明々後日は一体どっちだ?)
カルロ:「オレはファミリーもエリオも大切に思っている。同時に、この『フィレンツェ』も愛している。エリオが、ラフェッロ・ファミリーがこの街を『エヴァ』の血で染めるつもりならば…。」
「オレはエリオを許さない。」
GM:了解です。エリオと袂を分かつ決意ですね。
カルロ:あぁ、俺はこの街も愛している…。
エンリコ:よし。とりあえず、先にユーリを叩きに行くか?
湯河原:ですね。エリオが指定した場所に行って決着をつけるのは良くはないでしょう。あと、医療トランクでHPを回復させておこう。そろそろ、クライマックス戦闘っぽいし。
GM:シナリオの想定外ですが、ユーリを先に倒しに行くのなら…そうですね、『情報:裏社会』か『知覚』判定とユーリの『知覚』判定で対決をして、勝利すればアジトが分かるとしましょう。
GM:ちなみに、ユーリは『知覚』判定のクリティカル値は下がらないのです。
カルロ:エリオがエヴァに接触する危険は?
GM:キミに連れて来いと言っているので、約束の時間になるまではエリオがエヴァに何かをする事はないですよ。
カルロ:兄弟としてそこは確信を持てる感じだな。
GM:あと、ユーリの配下がエリオの周囲にいないかどうかも、《情報:裏社会》等で調べられることにしましょう。前に言った、『ユーリのアジトを調べる判定』を放棄する代わりにできるという感じで。
ここで、プレイヤー間で相談が始まる。誰がどちらの判定をする方が良いかとお互いのリソースなどを話して以下のように分かれることとなった。
『ユーリの居場所』を調べる→カルロ・湯河原
『ユーリの配下の配置について』を調べる→シルヴァーナ・エンリコ
GM:では、『ユーリの居場所』から…先にユーリの『知覚』判定を振ってしまいます。(ダイスを振る。)出目は14。ユーリはリアクション側として扱うので目標値は15となりますね。
カルロ:こちらも『知覚』で判定…回らない達成値は9。
湯河原:最後の《情報収集チーム》を使用します、(ダイスを振る。)達成値は23です。タイタスを使用して達成値を上げる必要が無くて良かった。
(タイタス→ロイスが失われた状態をさす。タイタスを消費する…これを『昇華』という…ことで達成値を判定後に上げるなど強力な効果を得ることが可能。)
GM:ユーリはフィレンツェの郊外にある今は使われていない邸宅に潜伏しています。ラフェッロの所有していた屋敷なのでしょう。
湯河原:とりあえず、これでユーリに突っ込めますね。
カルロ:突っ込めるな。
(ユーリくん、なんでやねーーーん!と言いだしそうな言い方である。)
GM:続いて、『ユーリの配下の配置』についてです。目標値は18とします。
一同:たかーい!
GM:浸食率によるボーナスや財産ポイント、タイタスをつぎ込む機会だと思ってください。
エンリコ:(ダイスを振る)よし、達成値はきっちり18。
シルヴァーナ:《情報収集チーム》やエフェクトの効果でこちらは20です。
GM:おお、予想以上に優秀ですね。エリオの周りに配置されたユーリの部下ですが、二十四時間ごとに定時連絡を行っているだけのようです。あと、『ユーリの配下、全員の写真』が手に入るとしましょう。
シルヴァーナ:これで、何とかなるかしら?
エンリコ:ふふ、一斉検挙も可能になったようだね。
GM:では、シーンを変えましょう。次はユーリを倒しに行くシーンです。
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