エンディング・フェイズ② ―ナポリにナポリタンはない―

シーンプレイヤー:シルヴァーナ・シマ


 イタリア・ナポリ。

 シルヴァーナは、落ち合う約束のピッツァ店に近くにある駐車エリアに車を止めた。

 足早に店へと向かい、落ち着いた雰囲気の店内へと入る。


「お待ち合わせの方でしたら、あちらに。」

 店員に話をすると、二人掛けのテーブルを示された。そこには、似合わないサングラスをした男…天花寺真言がくつろいでいた。

「悪目立ちしていますよ?“静止する刻コールド・プレイ”。」

 手にしたピッツァをガジガジと喰いながら天花寺は、シルヴァーナを見上げた。

「ピザ、美味しいぞ?」


シルヴァーナ:「はぁ、もういい。なんか疲れた。これ、報告書。目を通しておいて。」

GM:「バックアップだけだった俺に回すなよ。本部に直送してくれ。」

シルヴァーナ:「貴方が持ち込んできた案件でしょう…。」

シルヴァーナ:店員を呼び止めてエスプレッソを注文します。

シルヴァーナ:「それにしても、この国はマフィアがらみの事件が多いわね。」

GM:「まぁ、時代の有る国だからな。UGNも動きづらい。」

シルヴァーナ:「私は、この国が嫌いよ。」


 自分を受け入れなかった国。

 それに対する思いは根深い。

 愛する母の国だとしても…、その感情はぬぐえないままだ。


GM:「オレは好きだけどな。ピザとパスタが旨い。」

シルヴァーナ:「単純ね。」


「とりえあず、その似合わないサングラスをどうにかしてほしいですね。」

 コレ?と言って天花寺はサングラスを指さした。眼は見えないが、「えっ?にあってないの?」と顔全体が主張している。

「…ぜんぜん、似合ってないわ。」

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