オープニング・フェイズ④ ―解き放たれた霧―
シーンプレイヤー:エンリコ・アルベルティ
花の都と称されるフィレンツェ。
エンリコは、帽子を目深にかぶり『うだつの上がらない新聞記者』の顔になって目的のモーテルに向かっていた。
裏社会では、血で血を争う抗争が静かに…だが、確実に広がりつつある。
実際、彼が懇意にする『文屋相手の情報屋』からも『公安がつかんだ情報が偽りではない』という裏が取れた。
「まったく、マフィアってのは気の荒い連中だね。」
かつてはゴロツキ同然のエンリコだが、それは過去のことだ『霧にされた(任務のために存在を消された)自分』にとって過去の出来事は、はるか遠くのモノである。
「おや?アレはUGNの『モナ・リザ』じゃないか。」
情報にあったモーテルの部屋の前に見知った女が立っている。
(こりゃ、思った以上にヤバイことになりそうだ。)
霧の男は、軽く嘆息した。
エンリコ:では、呼び出された俺は局長室に入ります。
GM:キミの入室を確認したルチアーノが話し始めます。「フィレンツェのラフェッロ・ファミリーで旧派閥と新派閥の対立が激化した。先日の旧当主の死が原因だろう。そのせいで、フィレンツェを中心に裏社会が騒々しい。」
エンリコ:黙って聞いています。
GM:「事件の引き金を引いたのは、次期党首と目されている男『エリオ“ストラーダ”ラフェッロ』。お前も知ってるだろう。」
エンリコ:「はい。」
GM:「お前は、この茶番劇がこれ以上の事態を引き起こす前に終息させることだ。手段は問わない。」
エンリコ:……
GM:「さらに、ラフェッロは犯罪結社ギルドを通じて『お前と同じ体質』をもつ殺し屋『ヴァローナ』を招き入れたらしい、コイツの対処もしろ。いいな?エンリコ。」
エンリコ:「…直接的な暴力はあまり得意ではありませんが。ワタシで良いのでしょうか?」
GM:「毒を持って毒を制す。お前以外に適任はいないだろ?」と暗にアナタを『化け物』呼ばわりします。
エンリコ:「分かりました。命に代えましても。」
GM:「エリオには、『ガンスリング・レクイエム』というふざけた名前の子飼いの猟犬もいる。注意しろ。」
エンリコ:敬礼をして退出します。
GM:というのが、数日前の出来事です。今、キミは電話連絡があるカフェテリアで待機しているところだ。
エンリコ:では、イージーエフェクトで『顔を変え』てうだつの上がらない新聞記者を装っています。
GM:了解です。するとそこに、ウェイトレスの女性が話しかけてきます。「えーっと?エンリコさまでしょうか?お電話が、かかってきております。」
エンリコ:「あぁ、オレだよ。悪いね。」と言ってお店の電話に出よう。
GM:では、公安の捜査員が突き止めた『ヴァローナ』の居場所を伝えます。
エンリコ:「あー、はいはい。ワタシです。えぇ…はいはい、取材は順調ですよ。数日中には記事を上げられると思います…。」と適当な受け答えをしながら聞きましょう。
GM:ちなみに、プレイヤーには事前に伝えますが、シルヴァーナと同じ住所となりますね。
エンリコ:では、受話器を置いてウェイトレスのおねーちゃんを呼びます。「お勘定はここでいいかい?」
GM:了解です。キミはカフェを後にしてモーテルに向かったということで、オープニング終了です。
(イージーエフェクト→戦闘や直接判定にかかわらない行為を行うためのエフェクト。エンリコは別人に成りすます〈擬態の仮面〉を修得している。)
カルロ:もう一度確認するけど…コレはダブルクロスだよね?
湯河原:ダブルクロスと言う名の何か…。
GM:まぁ、ガンドックとかの方がよかったかな…とは思わんわけでもない。
エンリコ:元も子もない…。
(ガンドック→新紀元社・アークライト発売の本格ガンアクションTRPG。油断したり運が無いと、どんな手練れもハチの巣になるリアル志向の銃撃戦TRPG。GMが何を言っても頭部を狙い撃つとちょぴり幸せ。)
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