ミドル・フェイズ⑤ ―携帯の着信と自称腕の立つエージェントは小難しく考えている時ほどやってくる―

シーンプレイヤー:カルロ・カラバッジョ


 飛び出したエヴァを追って、カルロは街を駆けていた。

 そんな忙しい最中にカルロのフォンが着信を告げる。

(まったく、こんな忙しい時に…。)

 心で毒づきながら着信を確認する。そこには、「エリオ」の名前があった。

 立ち止まり、通話をオンにする。

「すまない、エリオ。少し立て込んでいるんだ。」


GM:「なにかあったのかい、カルロ。」

カルロ:「色んな事があってな…、あの子なりに思うことがあるんだろう。」

GM:「こちらの世界に触れることなく育てられたからね。」

カルロ:「オレも、アンタに拾われるまでは…似たようのモンだった。」


 フィレンツェの街に降りしきる雨音の中、立ち止まったカルロは胸中の言葉を親友にぶつけた。

「エリオ、新派閥のトップとして旧派閥を粛清してるのは本当なのか?アンタからその事を聞かされてない。」


GM:(声のトーンを下げて)「お前を巻き込みたくはない。」

カルロ:「ソノ・トゥ・フラテッロ・ヴェロ!?オレは、お前の兄弟じゃないのか!?

GM:「だからだよ。お前は組織の幹部に取り立てられて然るべきだ。だが、古い掟がそれを許さない。」

カルロ:「オレは、そんなものが欲しいわけじゃない。俺が欲しいのは、お前との絆だ。」

GM:「フラテッロ・アンキオ俺もだよ、兄弟。

カルロ:「考え直せ。」

GM:「無理だ、一度でも刃を振り上げた以上はどちらかが絶滅するまで終わらない。」

カルロ:「妹は…、エヴァはどうなるんだ?アイツを護るためにオレを護衛に向かわせたんだろ?」


 エリオはカルロの質問に答えなかった。その沈黙にカルロは背に氷を当てられたかのような寒さを感じた。

「明日の12時にサンタ・マリアの広場に二人で来てほしい。」

「わかった。」

「そこで、『護衛』の任務は終わりだ。全てが終わる。」

 そこで、通話は終わった。カルロは、いつの間にか振り出した冬の雨に黒いコートを濡らして立ち尽くしていた。


(サンタ・マリア→正確にはサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂。フィレンツェの写真でもスゲー目立つ大きな教会で、近世時代に暗殺者がらみの事件が起こったこともある。)


シルヴァーナ:では、ここで登場しましょう。浸食率は…1点上昇。でも、合計浸食率はもう70%!

GM:そんなにいってるの!?

湯河原:まぁ、戦闘に情報収集とエフェクトを使うとそうなりますよね。

シルヴァーナ:ワタシはエヴァの楽譜を庇いながら追いかける感じで登場します。で、雨の中で携帯片手に立ち尽くすカルロに追いつく感じです。

シルヴァーナ:「アナタ、ここで何しているの?」

カルロ:雨でぐしゃぐしゃに濡れた状態で振り向く。

シルヴァーナ:気にせずに近づきます「こんなところで何つったてるの?」

カルロ:銃を抜きます。

カルロ:「黙れ、オマエにオレ達の何が分かる。」

シルヴァーナ:気にせず近づきます。


 バン!

 雨濡れの街に乾いた銃声が響いた。弾は正確にシルヴァーナの足元に跡を残している。


カルロ:「次は当てる。」

シルヴァーナ:気にすることなく近づきます。できれば、眼前くらいまで。いいですか?

(湯河原:当てちゃえばいいのに。)

(エンリコ:警察だ!!と言って飛び込む準備を…。)

(GM:二人とも緊張感皆無ですな。)

カルロ:いいですよ。

シルヴァーナ:では、カルロの顔を見上げながらホホをはたきましょう。

一同:お前もかよ!!

シルヴァーナ:「アナタに何があったかはわからない、でも、今は彼女を優先すべきでしょ!追いかけずに突っ立てる暇なんかないでしょ!」

カルロ:し…仕方ないじゃないか!だって、イベントで電話かかってきちゃんだし!

一同:しまらねーーー!!!

カルロ:…「わかってる。エリオに彼女の護衛を任された以上は、彼女に悪意ある奴の指は一本も触れさせはしない。」

GM:シーンも長くなってしまったので今回の情報収集判定はシーン中1回のみとしましょう。

シルヴァーナ:では、ワタシが判定をします。調べるのは「ギルドの真意」についてです。

カルロ:オレは情報収集からっきしだしね。

GM:《情報:UGN》か《情報:裏社会》で判定してください。

シルヴァーナ:エフェクトとか使えるものは全部使って…達成値は27です。

GM:全部の情報を手にすることができますね。以下が情報です。


情報項目:ギルドの真意

 フィレンツェの裏社会を手に入れるためにラフェッロ・ファミリーの不和の芽をあおり、抗争を引き起こした。最終目標は、エリオをファミリーのドンの座に着け、ギルドがフェレンツェでの行動する自由を獲得することである。

 しかし、エリオは操作しづらい意志の強い人物であり、ドンの座につけても旨味が無いのでは?と考えるようになっている。


GM:という情報を天花寺真言から、送られていたという事で。

シルヴァーナ:隠す必要もないので、カルロに伝えます。

カルロ:なるほどな、あのロシア人は完全にカルロに従ってるわけじゃないんだな。…とにかく、エヴァを追うぞ。

シルヴァーナ:待って、ここでもう一本傘を持っていたことにして…。

シルヴァーナ:「アナタは濡れてもいいけど、エヴァさんに風邪をひかせるわけにはいかないわ。」と言って、傘を開いて渡しましょう。

カルロ:「『借り』1つだな。」と言って差し出された傘を受け取ります。

シルヴァーナ:「借りは『返す』必要はないわ。」

GM:OKでは、シーンを終了しましょう。

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