ミドル・フェイズ⑧ ―魚心は水知らず、水心を魚も知らない―

シーンプレイヤー:湯河原裕斗


湯河原:エヴァさんを逃がす算段を付けるためにも、障害となる「エヴァを追う者」を調べるべきだろうね。

GM:了解です。使える技能は《情報:裏社会》か《情報:警察》でお願いします。

湯河原:《情報:裏社会》を使用しましょう。「情報収集チーム」も使います。

湯河原:(ダイスを振る)達成値は23だね。

GM:情報収集チームを使っているので、国外で身柄受け入れのために待機しているジークリンデさんから連絡が入るという感じで演出しましょう。

湯河原:いいですよ。

GM:「ピノッキオ。アナタに伝えたいことがあるわ。」

湯河原:「何でしょうか?ジークリンデさん。」

GM:では、以下の情報を開示されますね。


情報項目:エヴァを追う者

 旧派閥の連中が、新派閥に対抗するための首魁として祭り上げる目的で手中に納めようと画策している。だが、その策を察知したエリオは、自らの子飼いである『ガンスリング・レクイエム』なる殺し屋を護衛として付けている。

 また、新派閥も雇い入れた『ヴァローナ』と呼ばれる人物も彼女の動きを監視している状態である。


GM:皆さんは周知の状態ですが、新派閥とエリオは同じサイドですね。

湯河原:あー、なるほど。エヴァは旧派閥にも利用価値があるのか。だから…。

カルロ:エリオにとって全幅の信頼を置けるオレが護衛に付けられたと。

GM:エリオを除けば、直系のラフェッロの血筋はエヴァだけの状態です。

湯河原:で、ちょっかいをかけてきた相手をカルロに倒させるつもりだったのか。

GM:です。ヴァローナが強襲してきたのは『旧派閥』がその場に出てきた事や『不明な人物』であった湯河原の接触に反応してですね。勢いで『カルロ』も攻撃に巻き込みましたが…ヴァローナにとっては替えの利く護衛程度の認識だったのでしょう。基本的に『ラフェッロ・ファミリー』のことも下に見ていますし。

湯河原:たいした、ビジネス姿勢だなヴァローナさんw

GM:あと、殺し合い大好き人間だから…。

カルロ:まぁ、GMのロールプレイが完全にヤバい人だったしね。

シルヴァーナ・エンリコ:(うんうんと頷く。)


(GMは悪人ロールが好きすぎて、よく『根っからの悪人気質』だと誤解される事が多々ある。まったく失礼な。)


GM:シーンを続けましょうか。ジークリンデは湯河原からの進捗を聞いて深いため息をつきます。

GM:「予想以上に拒絶しているのね。彼女は死ぬのが怖くないのかしら。」

湯河原:「そうじゃないと思う。ただ、気持ちの整理がつかないままなんだろう。」

GM:「母の元に戻りたくないのかしら。」


 『野兎』の言葉を聞き、湯河原は一拍の間をおいて言葉を口にした。

「後悔があっても、どんな現実があったとしても…。子供からしたら、『自分を捨てた親』って事実は残ってしまうものさ。」

「ボクだって元は孤児だ。今さら『ゼペットじいさん生みの親』に出てこられてもな…。」

 自嘲気味な口調だったが、そこには深い絶望と消えない怒りがくすぶっている。


GM:「親も人間よ。間違えずに生きることは不可能よ。」

湯河原:「子供だって、人間だよ。『ピノッキオお人形』じゃない。」

GM:「そうね。」

湯河原:「それに、親は子供に責任を持つべきだ。」

GM:「ワイズマンさんは、責任を全て投げ出したわけじゃないわ。」

湯河原:「分かっている。だが、あの子の気持ちも汲んでやってほしいんだ。」

GM:「…。」

湯河原:「全てを彼女に打ち明けてなお、イタリアから離れることを拒絶したらどうするんだ?」

GM:「そうならないようにしてほしいわね。」とジークリンデは言いますね。湯河原には可能なので。

湯河原:「…『奴ら』を出し抜くのは、不可能じゃない。だが、ボクはこの国で医者を続けるつもりなんだ。」

湯河原:「全てをエヴァに話す。その上で彼女に選択をさせる。」

GM:「彼女には『知る権利』があるわね。」

湯河原:「そして、『選ぶ権利』も。」

GM:「了解したわ。ワイズマンさんの方はわたし達に任せて。」

GM:通信は切れますね。

カルロ:うーん、面倒くさい状態になっていますね。

湯河原:頭が煮詰まってきたw

エンリコ:涼しい風を送ろうか…プリ〇グルズをどけると風が流れそう?

(ガサゴソとテーブルの上のプリ〇グルズをどける。)

湯河原:うーん、涼しい。プリ〇グルズがないだけでここまで違うとは。

GM:では、シーンを終えましょうか。


(プリ〇グルズ→みんな大好きなチップス。笑顔のおじさんのマークがキュート。)

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