エンディング・フェイズ④ ―On Top Of The World―
シーンプレイヤー:カルロ・カラヴァッジョ
空港の待合ロビーでエヴァは自分が乗る飛行機の搭乗時間を待っていた。
母の元に行くと湯河原に伝えて、身の回りを整理し、残った荷物をケースに詰め込んだ。
意外なほど、荷物はコンパクトになった。本当に大事な想い出だけを詰め込むと案外と人は身軽なのだとエヴァは感じたのだった。
結局、あの後『彼』に会うことはなかった。
風のように消えてしまい、湯河原も行方は知らないという。
「生きていれば、そのうち会えますよ。」
湯河原は、ずいぶんにあっけらかんと答えた。マフィアの抗争に巻き込まれ、危険を共にした相手の割にはドライだとも感じたが…。どこか、その言葉には『確信』めいたものを感じてしまったのも事実だ。
「すいません、『エヴァ“フェイト”ワイズマン』さんですか?」
ふいに声をかけられた。そこには身なりの良い老人がいた。
「えっ?はい、そうですが?」
思わず身構えたが、老人から漂う雰囲気に『何故か安心感』を感じる。
「コチラを貴女に渡すようにと。」
手渡されたのは、一枚の封筒。エヴァは、中身を確認した。
カルロ:そこにはただ一言「
GM:エヴァは、思わずアナタが変装をした老人を探すのですが…。
カルロ:すでに、行き交う人波の中に消えているよ。
「———航空、ニューヨーク行き、248便の搭乗を開始します…。」
ロビーにアナウンスが流れる。自分が乗る便だ。
エヴァはスーツケースを握る。
自分で決めたことだから、足取りは軽い。
決意を持って生きることは、『飛躍』なのだとエヴァは知ったのだ。
<了>
ダブルクロス・リプレイ『SUGARLESS・FOOLS』 SAIPANDA! @saipanda
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