ミドル・フェイズ⑩ ―天丼の告白(天丼て言うのは、天ぷらの乗った丼ものではなく同じことを繰り返すことで笑いを誘うコメディのお約束を示す言葉で、その起源は……。)―

シーンプレイヤー:シルヴァーナ・シマ


「着替えるから、貴方は外で待っていて。」

 そう言って、濡れネズミのカルロを室外へと追い出し、シルヴァーナはぴしゃりと部屋の扉を閉め鍵をかけた。

「……ハックション!」

 オーヴァードと言えど、寒いは寒い。身を抱きながらカルロは二人の着替えが終わるのを待つのだった。


カルロ:登場したのに部屋(シーン)から追い出されてしまった…。

GM:というか、合流のシーンじゃないの

シルヴァーナ:着替えが終わったら部屋(シーン)にいれますよ。

シルヴァーナ:「変えの服は用意されてるから、シャワーを浴びたら好きなものを使って。」

GM:「ありがとうございます。」

シルヴァーナ:「それと、コレも。」といって楽譜が入ったクリアーケースを渡しましょう。

シルヴァーナ:「大事なモノなんでしょう?」

GM:「はい。」

シルヴァーナ:「まだ、お母さんの事を恨んでいるの?」

GM:「そうじゃないと言えば…嘘になります。」

シルヴァーナ:「そう、…コレは昔話なんだけどね。」

(一同:お前もかーーーーい!!)


 その後、シルヴァーナが日伊のハーフであり、親戚から疎まれたこと。母が早くに亡くなったとこ。父親が妻を失ったことで(またもや)ロクデナシになり後を追うように亡くなってしまった事。母から唯一教えてもらったことがピアノだという事。なんやかんやあって大学に通っている今の自分があるのは母のお陰でありその事をうれしく思っている事を怒涛に話すのだった!長い!


シルヴァーナ:「家族の絆ってね…そう簡単には、無くならないの。私はピアノの演奏でお母さんとつながっている。貴女の演奏もきっと貴女のお母さんと繋がっているはずよ…、私の勝手な想像かもしれないけどね。」

(一同:だったら、何で言った!?)

シルヴァーナ:「貴女は全てを受け入れて、判断してほしいの。貴女には、その機会があるわ。」

GM:エヴァは戸惑いながらも「はい。」と言うよ。

カルロ:俺は何時になったら部屋に入れるんだ?(←扉の前で待機中)

GM・エンリコ:わからん。

シルヴァーナ:「ごめんね。着替えの最中に変な話をしちゃって。」

GM:おうよ。

シルヴァーナ:うん。ちゃんと、伝えたいことは伝えたのでシーンを切りますね。

カルロ:おい、俺は何で登場したんだ!?着替えが終わった後に俺を招き入れないのか!?

GM:シーンプレイヤーがシーンを終えると言っているのだ…しかたない。(呆然としながら。)


(しかたない。→そんなわけないだろ!)


シルヴァーナ:ついつい、話しが長くなってしまったので…。シーンを切ったほうがいいかなと思って。すいません。

カルロ:(ゲッソリとしながら)仕方ない。フロアを下りてホテルのラウンジで体を休めよう。ついでに、次のシーン他の二人と合流する感じはどうだろうか?

湯河原:問題ないですよ。

エンリコ:食事の時間帯も過ぎてるようだし…仕方がない。ラウンジで合流だ。

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