第25話 獣VS天才

 点差を離した俺たちだったが覚醒状態の桃花ちゃんの前になすすべがなくなりだんだんと点が迫ってきている。何とか食らいついている場面もあるがそれでも点差を元に戻せるだけだ。

 さらに桃花ちゃんは一人ずつ心をへし折り始めた。それを徹底づけたのは蓮華とのいっけうち直前に恥じたプレイとほぼ同じタイミングでシュート。それだけでも結構心にダメージをおうだろうがその後の見下し顔がとどめ刺した。まだ完全に切れてないのがさいわいだが、こうして一人一人に攻撃をかけられると結構まずいことになりそうだ。

 絶体絶命の状況の中花南がある提案をしてきた。花南の作は勝てる可能性がある。だが失敗は敗北を確実にする。今回は公式戦ではない。だから無理して勝つ必要もないがこのまま黙っておくわけにはいかないと思った俺はその作に乗った。


「行くよお兄ちゃん」

「おう」

 まずは三人には完全にほかの人だけを狙ってもらう。そして、桃花ちゃんを俺と花南で止める。さっきと基本的には作は違うだが今回は全く違う形。俺は完全なやり」

 神奈斗もさすがにこれには驚いたようだな。

「あいつ。結局そうなるのか。耐えれるのか?」

「一応自分で止めることはできたっぽいが疲れもあるし今回がどうなるのかは微妙だろ」

 悪いな先輩方。だが安心してくれうちの花南なら一度できたことは次も必ずやるんでみていてください。


「へぇそうするんだ」

 相手が矛ならばこっちも矛で行く。だが、こっちの矛は一味違う獣だぜ。

「はーはー」

 入るのもたやすくなって助かる。あとは止めるタイミングこの作が破られる前、それと。

 花南の獣と桃花ちゃんの集中モード。硬直状態が続いく。これは単に花南が抑えれているだけでなく、桃花ちゃんが突破口を見いだせていないからだ。今の頭のいい状態の桃花ちゃんを抑えれているということは相当大きなことだ。

「お願い」

 桃花ちゃんが俺がついていないことでフリーになった人にパスを回した。

 それに合わせ桃花が走り出す。獣の本能はボールをおうこと。普通のチームプレイだとそれが難点ってことがある。

「ちょうだい」

 その動きに合わせて桃花ちゃんがパスを戻すよう要求をする。獣の性質を知っていればこうすることは理解できる。

「だがそれはもう見た」

 本能とはいえさっきの行動は記憶に残っている。こっちがさっき桃花ちゃんにやった作であるエースを動かしすきをつくる。

 

 桃花ちゃんのパスの要求に合わせ花南が完ぺきにパスコースをよみそこに手を伸ばす。はじいたボールはつかさずひろいドリブルを仕掛ける。

 ここからはタイミング勝負。

「蓮華次決めろよ」

「え、う、うん」

 

 桃花ちゃんが急いで戻る。そして間に合った。するとまた硬直状態になる。

 もうすこし、もう少しだ。粘るんだ。

 

 花南が仕掛け始めた。

「狙い」

 桃花ちゃんがつくったすきだ。だが、それでいい。このタイミングだ。

「花南!!!」

 体育館に響き渡るくらいの大声をだした。

「!、蓮華!」

 花南が後ろで構えている蓮華に完ぺきなパスをまもす。

「今度は!」

 さっきよりは落ち着いている。これならきれいに入ると確信がもてる。

 

「ナイスシュー蓮華」

「大丈夫?というかどういう」

 ベンチで見てる先輩方相当驚いたろ。

「ゆうにい。戻したっていうの?」

「今の花南なら一瞬で戻せるからな」

 花南は自分で戻せるようになった。そしてもともと俺が戻すことも可能だった。その二つの合わせ技。タイミングは俺次第くらいつくタイミングを狙う。一発目に使うとなるとリスクが多すぎるがここで蓮華の気分を戻すのが最優先だと考えた。

「はぁはぁ」

「でも無理やり戻したってことは体力やばいでしょ」

「まだ、はぁ。まだいける」

 

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