第24話 圧倒的スピードVS協力プレイ

「よこせ!!」

「もらった!!」

 桃花ちゃんのおそらく本気モードの状態になり試合の流れが一変した。桃花ちゃんが攻めの主体になったことでカウンターをしかけようにも相手側はもう守備についている。それに。花南にがっちりマークをいしてるはずが、パスを回すと急に現れボール奪いそのままゴールを決めてくる。

 さすがにまずい状況だ。

「とりあえず俺にボールくれそこから隙間狙う」

 俺なら相手の位置を予測してボールを回せる。それで突破口をつくれれば今ついてる差を死守できる。だが、あの速さだ。そんな簡単な話のわけでもない。さらにもう一枚作があればいいんだが。

「わかったお兄ちゃんにとりあえず渡す。私は後方に回る。もしそれで桃花ちゃんが私のとこきたら好都合だし。もし来なかったらフリーの間に私が中に入り点を取る。大斗君と淳ちゃんに蓮華はほかのメンバーのすきついて守りは無理しなくていい。点を稼げば勝てるし。今は差を離されないために点を稼ぎに行くことに集中で」

「了解」

 もしこれが成功したとしてもおそらく点は縮まることはない気がする。対応されたら時点で終わりだ。それに点差が近くなり抜かれでもしたら神奈斗が来た時に対応できるわけがない。そう思っていても今はこの作戦に乗るしかないくらいつんでるんだけど。

「お兄ちゃん」

 いい位置でパスをもらった。予測しろよ俺・相手は純太と蓮華にしっかり身長のあるやつをマークしている。俺のマークはパスコースを絞らせる動きをしている。おそらく桃花ちゃんの指示だろう。大斗のところがベストな気がする。だが、そっちは桃花ちゃん付近。とられるリスクが。

「おい時間ねーぞ」

 わかんねー正解が。俺がドリブルで抜くか。

「きた」

「お兄ちゃん後ろ!!」

 振り向くと桃花ちゃんが迫ってきていた。つまり花南がフリー。

「花南!!」

「そうくるでしょ」

 桃花ちゃんは俺が投げモーションに入った瞬間足をひねり逆をむいた。そして一気に花南のところまで戻る。

「下!!」

 下?何をいってるんだこいつ。まさかたたきつけろってことか。いやいや。どっちにしろ桃花ちゃんには追い付かれる。

「あーもうどうにでもなれ!!」

 花南を信じ。思いっきり地面にたたきつけた。

「!でも」

 それを見た桃花ちゃんがさらに切り返しボールを取りに行く。

「頭いいぜ花南」

 すると大斗がボールを取りに行く。距離はこっちのほうが近い。だが、高さ的にい追い付かれる。そうなるとごぶごぶといえる。

「甘く見すぎ高さなら」

「勘違いするな俺はボールをとりにきたんじゃねー」

「!」

「いけ花南!!」

 大斗はぎりぎり高さで勝てていない。だが、キャッチャをしようとしている桃花ちゃんに対し、ボールをはじくモーションで飛んでる大斗のほうが触るタイミングは早い。

「ナイスボール!!」

 はじいた先には花南がいた。そして、花南には桃花ちゃんのマークがない。

「いかせない」

 着地と同時に走り出し桃花ちゃん。しかし追い付く前に花南がシュートを打てる体制になる。

「止める!」

 つかさず相手は花南のシュートを阻んできた。そうすれば桃花が追い付き奪えると信じているからだろう。

「蓮華」

 しかしシュートモーションからのノールックパスがフリーになった蓮華のもとにとんでいく。蓮華はスリーポイントシュートを放つ。しかしそれはリングにあたり外れた。

「ごめん」

「それはいいさっさと戻れ」

「え、う、うん」

 外したことには問題ない。花南の判断だ。だが、中には桃花がいる。つあり超速攻カウンターだってありえる。

「花南もっと下がれ」

「奪い取れれば」

 花南もあつくなってきている。こいつも高さはあるほうだが、助走のまま飛ぶ桃花ちゃんに高さ勝負をするきか。

「そっちのほうが私はありがたい。だって」

 花南の高さが足りない。

「これで得点が確定したから」

 着地同時にドリブルに入る。

「いかすか!!」

「ゆうにいひとりでは無理だよ」

 あっけなく俺も抜かれた。

「あとさっき外した人。スリーはこうするんだよ」

 マークを突かれているにもかかわらずスリーポイントラインでとまりシュートモーションに入った。

「止める」

「焦りすぎ」

 桃花ちゃんはテンポずらし蓮華の落下タイミングに合わせてスリーを放つ。そのボールはゴールに吸い寄せられていると思えるくらいきれいにゴールに入った。

「っく」

「えーと次はさっきボールはじいた君か」

「相手になってやらー」

 まさか桃花ちゃん。一人一人を倒しにいっているのか。今のままチームで回せば必ずスキが生まれる。だが、蓮華の得意分野であるスリー。花南はスピードだ。大斗はオールラウンダーで特に特化したものはないがさっきのプレイのリベンジをされたら大斗は熱くなって周りが見えなくなる。そこまでよんでいるのか。

「お兄ちゃん一つ提案いい?」

「なんだ?」

 俺の耳元で俺にささやく。

「いやいや。さすがにそれは」

「できるでしょ私たちなら」

 今花南が俺に言った作戦は突破口になるかもしれない。だが、失敗した時点でゲームオーバーになる可能性がある。リスクは高い。

「っまやるか」

 ここから桃花ちゃんの制圧の始まりだ

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