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  • 5-4 咆哮するものへの応援コメント

    今回もとても興味深く読ませていただきました。

    安息の篝火を作るミレルカさんの「タイムアタック」の様子が特に印象的でした。
    翠玉級という上級の魔法道具である安息の篝火の作製に挑むミレルカさんがとても美しく、そして格好良くて、ひとつひとつの手順が目に浮かぶようでした。

    キャンドルの周りの地面が光ったり、注がれた治癒魔法によってキャンドルの炎の色が変わったりする様子、かき集めた枝に種やハーブを投げ込むことでキャンドルの炎が燃え上がる様子……
    ミレルカさんが恐怖に苛まれながら、それでも必死の思いで作業を完了させる姿……思わず読んでいて手に汗にぎってしまいました。


    ここですてきだな……と思ったのは、安息の篝火が、ミレルカさんの前世で、ゲームという形でこの世界に触れる中で、何度となく作ってきたものだということです。
    作り方を熟知しているからこそ、決して遠くないところから聞こえてくる、ベルムシオンさんとファーヴニルが対峙している音や、それにともなう恐怖を耐えきることができたのではないだろうか……と思いました。

    ミレルカさんの強い心と、前世の記憶が結びついたからこそ、体を動かしながらも自分を叱咤できたのかな、と読んでいて思いました。


    今回の作製が『タイムアタック』であったことで、ミレルカさんの緊張は相当なものだったはずです。
    また、タイムアタックに失敗した場合、危険にさらされるのは自分の命だけでなく、ベルムシオンさんもです。

    ミレルカさんの精神と、前世からの知識と、『ミレルカ』としての人生で培った技術と……例えばそのどれかが欠けていたとして、最終的に安息の篝火を作ることはできたでしょうが、タイムアタックは失敗していただろうなと思うのです。

    ミレルカさんがこの、後のない状況で作製を成功させることができたのは、ミレルカさんがミレルカさんだから……他の誰でもない、前世を持ち、この世界で懸命に生きてきたミレルカさんだからこそなんだな、と思えて、ほんとうに感動しました。


    次回はこの完成した安息の篝火の効果が見られるのでしょうか。
    読ませていただくときがとても楽しみです。

    ありがとうございました。

    作者からの返信

    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。
    また、お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。

    調合、もとい錬金術を使うシーンは、戦えないミレルカにとって見せ場になるシーンだと考えています。
    特にここはミレルカというキャラクターにとって、一番の見せ場になるだろうと思って気合を入れて描写していたので、とても嬉しく思いながら感想を読ませていただきました。
    本当にありがとうございます。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。

  • 5-3 咆哮するものへの応援コメント

    今回のお話、5-3もとてもワクワクしながら読ませていただきました。

    一番印象的だったのは、最後の、二人の「相棒」のやりとりです。
    ベルムシオンさんが目を覚ましてから、決して長くはないけれど様々に濃いやりとりをしてきた二人が、互いを相棒を呼んでいるところがほんとうに格好いいです。


    ミレルカさんは、ファーヴニルを治療するその前に、まず落ち着かせるための魔法道具を作らないといけない。
    その時間を、ベルムシオンさんは稼がないといけない。たった一人で……いえ、ミレルカさんの援護を受けて。

    ミレルカさんと、ベルムシオンさん、それぞれの行動は一人ずつなのだけれど、でも、互いの行動は繋がっているのが感じられるのがすごく好きです。
    準備の段階では言葉を交わして必要な情報の共有をして、いざ作戦開始、というときには、短く「任せたぞ」「ええ、任されました」とだけ伝えるところが素晴らしいです。場面が目に浮かぶようで……

    あの身近な時間で、必要な準備と確認を終えたということは……終えられたということは、互いのことをしっかり理解できているからだ……ということだと思うのですが、
    それをそのまま説明せず、作戦を伝えたり、装備を整えたり、手の動き……薬を塗ったり、ベルムシオンさんがミレルカさんを地面に下ろしたりすることで表現しているところがとてもすばらしいと思いました。


    また、二人の動きだけでなく、ベルムシオンさんがミレルカさんを下ろしたことで、ファーヴニルが警戒の色を強めた、という、モンスター側からの視点を差し込んでいるところが文章構成が上手いなあ……と感激しました。
    二人は、ファーヴニルから見ても準備が整っているんだな……それくらい、二人は「相棒」なんだな、と思えたのです。

    互いを相棒だと思っているのと、そこから「相棒」と声に出すのとでは少し段階がある気がしていて、それが爽やかに、劇的に描写されていることが感動しました。



    次回を読ませていただくのも、とても楽しみです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    この作品を書こうと思ったとき、年齢差がある二人が相棒になるまでというようなところも盛り込みたいなと思っていたので……。
    なので、印象的だったシーンに挙げてもらえたのが本当に嬉しいです。
    こういう、前衛と後衛でやることは違うけれど互いの行動は繋がっているという決戦前の空気も一緒にお楽しみいただけたのならとても嬉しく思います。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。

  • 5-2 咆哮するものへの応援コメント

    今回のお話も興味深く読ませていただきました。

    特に好きなところは、ドラゴンの生態について描写されているところです。
    ファンタジーな世界観にドラゴンはつきものですが、ドラゴンの強さだけでなく、『渡り』というドラゴンの生態に注目して描いているところが好きです。

    言われてみればドラゴンも生物である以上、固有の生態があるわけで、ミレルカさんの高い知性を考えれば、生態に詳しいのも自然なことで……
    少なくとも今の段階では、ドラゴン……ファーヴニルがここにいるのは『渡り』の影響ではない、とミレルカさんは判断しました。

    他に理由があったとしても、一度ドラゴンの生態を書いておくことで、『ではなぜ?』『ミレルカさんでも思いつかない理由があるのだろうか』という疑問が浮かんでくるのが、読んでいてとても心地よかったです。


    セシリアさんの安否と、ファーヴニルがここにいる理由。物語が進みながら自然と謎が増えていくところや、その謎が気になってたまらないという文章構成の巧みさに感動しつつ読ませていただきました。

    そして、ドラゴンが現れたことで、セシリアさんと同様に、読んでいても、ここからどうやって二人は、ファーヴニルを突破するんだろう……と考えていたところで、ファーヴニルが怪我をしていることにミレルカさんが気づきます。

    この怪我が、ファーヴニルがここにいる理由だったり、ファーヴニルを突破する鍵になるのかもしれない……と思わせてもらいつつ、ワクワクを残して次回に続いていくのがほんとうに上手いと思いました。



    次回を読ませていただくときがとても楽しみです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    私自身、ファンタジー世界に登場する生き物たちの生態を考えるのがとても好きなんですよね。
    特にドラゴンはどんな生態をしているんだろう、その世界で暮らしている人々にとってどんな存在なんだろうと考えがいがあると思っていまして……。
    ファーヴニルの生態もかなり好きなように考えていたので、好きなところに挙げてもらえたのが本当に嬉しいです。

    いつも元気が出るコメントや、嬉しくなるコメントを本当にありがとうございます。
    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。

  • 5-1 咆哮するものへの応援コメント


    今回から読ませていただく第5章、その1話目。とても楽しく読ませていただきました。


    少しずつ、少しずつ、セシリアさんに近づいていることを感じさせつつ、同時に、得体の知れなさも増してくるというバランスが、読んでいてほんとうにすばらしいと思いました。
    わからないことが増える一方だと読んでいて頭の中を整理しないといけないし、その逆に、すべてが明らかになっているときっと意外性がなくて……

    セシリアさんがいるであろう方角には、おそらく辻馬車に道場していた商売人もいて、その商売人のものであろうタリスマンにも血痕があって、セシリアさんの持っていた魔除けのお守りは効力を発揮していて……

    魔除けのお守りが効力を発揮したということは、セシリアさんは無事なのだろうかとか、けれど、効力を発揮するようなことがあって、葉やタリスマンに血痕がついているということは『何か』に攻撃されたんだろうことは間違いなさそうだということは推測ができて、でも、その『何か』はわからない、なんの痕跡もないという緊張感の演出がすばらしいと思いました。


    また、ベルムシオンさんのさりげない仕草もほんとうに格好良かったです。
    タリスマンを見て動揺してしまったミレルカさんを支えるところや、ミレルカさんにそのタリスマンを改めて見せる際に、血がついている場所を指で隠すところなど、
    動揺してしまっているミレルカさんはもしかしたら気づかないかもしれないけれど、あくまで自然にミレルカさんを気遣い、サポートするベルムシオンさんの仕草がとてもすてきでした。

    タリスマンを見せつつ、血のことには触れず、淡々と刻みつけられている印について話すところも、実際に印のことに話したかったのはもちろん、血ではなく印に意識を向けさせようというベルムシオンさんの気遣いだったのかな……などと思いました。


    次回もとても楽しみです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅れてしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    この辺りの情報の出し具合は、できればミレルカやベルムシオンと近い視点で楽しんでもらえたらなぁと思いながら調節していたので、それが緊張感の演出に繋がっているのなら嬉しいです。
    ベルムシオンの仕草や様子も、こう、大人故の気遣いなどが見えたらいいなぁと思って描写していたので、注目していただけたのがとても嬉しいです。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそありがとうございました。

  • 4-5 破裂音で彩る第一歩への応援コメント

    今回もとても楽しく読ませていただきました。


    一番好きなところは、ミレルカさんとベルムシオンさんの応えが重なるところです。

    ペンデュラムを用いてセシリアさんの魔力を吸収し、光の放出の強さと放出時間によってセシリアさんの位置を推測するという道具。
    道具によって導き出される答えが同じだったいうことは、二人の分析(推測)する能力も速さも同じくらいということで、能力的に二人が良い相性だというのがよくわかりますし、
    それだけではなくて、推測の内容を口にする前に二人の視線が合うところも大好きです。

    視線が交わるということは、お互いがお互いを見ているということで……その後の、互いを称えて笑顔になるシーンまで含めて、ほんとうに二人はいい関係なんだな、というのが感じられて好きな場面です。

    本文中にも書かれていますが、二人は知り合ってからそれほど長くなく、一緒に冒険に出るのもこれが初めてなのですよね。
    それなのに、良い意味でまったくそんな感じがしなくて……
    それを、文章で説明されているのを読んでいて『確かに……!』と思えるのが、もなか様の小説のほんとうに巧みなところだと感じました……


    また、その一方で、ベルムシオンさんがミレルカさんの知識や能力について想像している場面も好きです。
    これまでベルムシオンさんが間近でミレルカさんの技術や知識、作ったものを見て、ミレルカさんの能力は、ベルムシオンさんが想定している以上のものなのではないか……と思うところ。

    『パートナー』であるミレルカさんの能力を何も考えず受け入れるのではなく、自分なりに分析するところが、ベルムシオンさんのプロとしての意識を感じられて。
    (考えつつも、ミレルカさんに転ばないように前を向いて歩くように伝えるところも、やさしさが感じられて大好きです)


    次回もとても楽しみです。

    ありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅れてしまって申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    バディやパーティを組んでいる二人の動きや発言がぴったり合うというのが、個人的にとても好きで……。
    どうしても入れたかったシーンなので、印象に残ったシーンとして挙げていただけたのが本当に嬉しいです。
    いつも細やかな点に注目していただけて、とても励みになっております。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    ありがとうございました。

  • 4-4 破裂音で彩る第一歩への応援コメント

    今回のお話もとても興味深く読ませていただきました。


    前回の話の最後で葉に付着していた乾いた血……と思われる色。
    ミレルカさんは、その血を、傷ついた人間のもの……具体的にはセシリアさんのものかもしれないと考えます。

    ここで物語の展開として上手いなあと感じたのは、セシリアさんが焼け焦げた守護のお守りを思い浮かべたところです。

    4-1話で、焼け焦げたお守りが見つかって、馬車の車輪が森の中に入っていって……少なくとも、このお守りが発動するようなことはあったのだとわかります。

    逆に言えば、何があったのかまではわからなかったところで見つかるのが……乾いた血の跡。
    ミレルカさんだけでなく、読者としてもセシリアさんの血ではないかと想像してしまいます。

    ただ、実は、お守りは間違いなくセシリアさんのものであるけれど、血は誰のものかわからないんですよね。
    それをベルムシオンさんに教えてもらえて、はっとセシリアさんは気づくわけですが、同時に読者としても気付かされます。
    血があるのは事実だけれど、これは魔獣のものかもしれないと……

    (しかも、ただ教えられるだけでなく、ベルムシオンさんは動揺しているミレルカさんを安心させるように落ち着いて、理論立てて説明してくれます。
    ミレルカさんがベルムシオンさんと話していて笑顔になるのも納得です。)


    楽しみつつ、良い意味で見事に考え方を誘導されていることに、もなか様の文章構成の巧みさを感じました。


    次回を読ませていただくのもとても楽しみです。
    ありがとうございました。


    作者からの返信

    お返事が遅れてしまって申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    ベルムシオンのセリフはちょっと説明的すぎたかなーと少し思っていたので、理論立てて……という感想がとても嬉しいです。
    こういう推測というか推理というか、考えを口に出しているシーンはいつも退屈になっていないか、説明的になりすぎていないかと不安になるので、こういう感じで大丈夫なんだなと少し安心しました。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、本当にありがとうございました。

  • 4-3 破裂音で彩る第一歩への応援コメント

    今回もとても興味深く読ませていただきました。

    特に印象的だったのはベルムシオンさんのミレルカさんへの気遣いのシーンです。
    ミレルカさん自身でさえ気づいていなかった疲れに気づいて、休憩をしようと提案してくれたベルムシオンさんのやさしさに感動しましたし、ほんとうに格好いいなと思いました。

    ベルムシオンさんがミレルカさんが自覚できていなかった疲れに気づくことができたのは、ベルムシオンさんが、ミレルカさんを子供だと認識してくれているおかげだと思いました。


    ルボワウォルフを退ける魔法道具を作ることができる高い知能と知識、技術を持っているとは言え、ミレルカさんの体はまだ子供。
    基礎体力も疲れ方も、重い武具を着用して戦ってきた剣士のベルムシオンさんとは大違いです。

    ベルムシオンさんはそれを理解していたからこそ休憩を提案できたわけですが、ミレルカさんと体格が異なるから……というだけでなく、ベルムシオンさんが終始冷静だったからだろうと思います。


    セシリアさんを探す、という目的は二人で共有していますが、ミレルカさんはヴェルトールさんと言い合いになってしまったことからも推測できるように、また、ベルムシオンさんからも言われたとおり、どうしても焦りがあります。
    ミレルカさんが足を止めるまで自身の疲れに気づかなかったのも、早く先生を見つけないと……という焦りのせいだったのかもしれないと思いました。

    ここでもしベルムシオンさんも、ミレルカさんと同じくらい焦ってしまっていたら、いざというときに二人とも動けなくなってしまっていたでしょうし、
    あるいは、もう少し休憩が遅れていたら、体力を消耗しきってしまったミレルカさんは、休憩中に樹洞を見つけることも、葉に付着していた血を見つけることもできなかったかもしれません。


    ベルムシオンさんがすごく頼もしく、ミレルカさんももちろん大活躍で、二人はほんとうに良いコンビだな……と楽しませていただきました。

    そして、葉についていた血はもしかして……と想像しつつ、次回を読ませていただくのが楽しみです。

    ほんとうにありがとうございました。


    作者からの返信

    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。
    毎度コメントのお返事が遅くなってしまっており、申し訳ありません。

    何か焦ってしまっていることがあるとき、不思議と疲れを感じにくくなることがあるなと思ったことが何度かあり……そういうとき、大体他の人に指摘されて自覚したときに一気に疲れを感じたりするんですよね。
    なので、そういう様子も取り入れつつ、大人であるベルムシオンがミレルカにとって頼ってもいい存在なのであるという印象を強めたかったので、そのように感じていただけたのであればとても嬉しいです。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、本当にありがとうございました。

  • 4-2 破裂音で彩る第一歩への応援コメント

    今回読ませていただいた4-2話も、とても楽しく読ませていただきました。

    特に印象に残ったのはやはり、ミレルカさんの見せてくれた魔法道具です。
    ミレルカさんが作ったゴム風船の目眩まし……その材料を見て、魔獣が逃げ出すのも思わず納得してしまいました。

    その上でとても格好いいなと思ったのは、刺激的な材料を用いるだけでなくて、ミレルカさんが火の精霊へ呼びかける詠唱を行ったところ。
    美しい言葉で紡がれ、かつ、どのような呪文なのかイメージが膨らむ詠唱にもなか様の非常に高い文章力が感じられて感動しました。


    また、文章構成としてほんとうにすばらしいと思ったのは、まず『七つの小袋』、『魔法植物の粉末』、そして火の精霊へ呼びかける呪文……ファンタジックなものであると感じさせてくれた上で、
    使われている材料が唐辛子やタバコ、胡椒、山椒という現実にも存在するものだと明かしてもらえる。

    効果がイメージしやすくなって、良い意味で身近なものに感じたところで、最後に、ヒ素や石灰、火花草と言った錬金術をイメージさせる材料も使われているのだと教えていただけることで、ミレルカさんの(前世の記憶も含めた)錬金術師としての高い才能を感じられる……そういう流れになっていると思えたところです。


    また、襲ってきたのが魔獣であっても、(道具によって)戦いを避けることができるのであればいたずらに殺生しようとしないところも、ミレルカさんの高い知性と優しさ、そして錬金術師としての合理性を感じられました。
    ベルムシオンさんが『思っている以上に恐ろしいところがあるのかもしれない』というのは、もちろん良い意味で思ったのでしょう。

    読者としても、ミレルカさんのこのひらめきと知識、道具があれば、ベルムシオンさんと共に、セシリアさんを無事に見つけてくれるだろうと、頼もしく思えるのでした。


    次回もとても楽しみです。
    読ませていただき、ありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    今回の話でミレルカが作った道具は、忍者が使ったといわれている道具にはどのようなものがあるのか、過去にインターネットで調べ物をしていた際に見かけたものを参考にしました。
    そこにファンタジーならではの要素を加えようと思ってあれこれ考えたので、良い感じにファンタジーらしさが出せたのかなと思い、コメントを読ませてもらったときに嬉しくなりました。
    本当にいつも元気の出るコメントをありがとうございます。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    ありがとうございました。

  • 4-1 破裂音で彩る第一歩への応援コメント

    第4話の1話もとても楽しく読ませていただきました。

    4話に入って最初の1章、どきどきしながら読ませていただきましたが、セシリアさんの姿は見えないものの、馬車の車輪の跡という重要な痕跡が現れて一気に緊張感が高まりました。

    第3話でしっかりと準備をしていて、第4話に移ったところですぐにセシリアさんに繋がる情報を出してくれる、もなか様の構成の上手さに感動です。


    また、発見した情報が、車輪の跡だけではなくて、焼け焦げた守護のアミュレットというのが更にばらしい展開だと思いました。
    車輪跡だけでも、茂みの中に突っ込んでいってしまったらしいことはわかりますが、アミュレットが焼け焦げていることで、単に馬車がコントロールをうしなったのではなく、持ち主に大きな危険が迫ったことがわかり、読んでいる最中の緊迫感が増しました。

    しかも、アミュレットがミレルカさんがセシリアさんにプレゼントしたものというのが、ほんとうに文章構成が上手い……
    今よりも小さな頃にプレゼントしていたということで、ミレルカさんとセシリアさんが施設で共に過ごしていた時間を感じさせてくれました。

    具体的にこの場でそのときの様子を描写しなくても、これまでのミレルカさんとセシリアさんのやりとりや、ミレルカさんからセシリアさんへの思いを読者は目にしているので、
    『だって、これは今よりも小さい頃。ミレルカがセシリアに誕生日プレゼントとして贈ったものだ』という一文だけで、ミレルカさんがセシリアさんの誕生日に、大好きな気持ち、感謝の気持ちをいっぱいに込めて、このアミュレットを贈ったことがわかります。

    もなか様の、奥行きと広がりのある、キャラクターの『生きた』文章がほんとうに好きです。



    次回のお話を読ませていただくのもとても楽しみです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    早々にセシリアたちの情報を出すのは少し駆け足気味だったかなと思うこともありましたが、bisnonさんの感想を読んで、こういう展開にしてよかったかもなぁと思えました。
    また、アミュレットも、小さい頃って身近な大人の人に何か渡したりするよねと思ったので登場させたのですが、そこからミレルカとセシリアの絆のようなものを感じていただけて嬉しかったです。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。

  • 今回のお話もとても楽しく読ませていただきました。


    ヴェルトールさんが武器や防具をベルムシオンさんやミレルカさんに渡していくシーンがとても好きです。

    ヴェルトールさんが錬金術師であり、武具と魔法薬を作り出すことに長けていてるということは第一話で話されていたことですが、それがここに来て繋がってくるところがほんとうに美しい流れだと思いました。


    また、ヴェルトールさんが錬金術師で、ベルムシオンさんが剣士だという職業の違いもとても好きです。
    剣士のベルムシオンさんと錬金術師のミレルカさんの二人が揃うことで、前衛と後衛というバランスになるのがすてきだと思いました。

    第一話で、ミレルカさんが魔獣と遭遇したときは、魔獣を追い払うことはできたものの、一歩間違えばお香を投げつける前に魔獣たちに気づかれていた可能性もありました。
    錬金術師であるミレルカさんは剣や鎧を持っていないからこそ、仮に魔獣と遭遇しても、そういった、タイミングをはかる必要があるような対応を選ばざるを得ないのですよね。

    でも、今のミレルカさんは剣士であるベルムシオンさんと一緒です。
    ミレルカさんが錬金術によって作った薬などを扱うにしても、ベルムシオンさんがいてくれればその時間を稼げますし、
    同様に、ベルムシオンさんもミレルカさんから錬金術の援護を受けることができる。

    これまで危険を一人で乗り切ってきたからこそ、この場面で二人になったという安心感が強く感じられて好きです。


    そして、ヴェルトールさんは二人と一緒に行かずこの場に残るわけですが、ベルムシオンさんとミレルカさんに渡した武器や防具、ローブはヴェルトールさんが作ったり、選んだりしたものです。

    一緒には行かないけれど、ヴェルトールさんも気持ちと技術で二人と同行する……3人でセシリア先生を探しに行くようなものだと感じられて、もなか様のすばらしい文章構成にほんとうに感動しました。



    次回のお話を読ませていただくのもとても楽しみです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    今回は、主に旅立ち前の準備編でした。
    渡される装備の違いで前衛と後衛の違いがはっきり出たり、パーティとして完成されたりする空気が好きなので、そういった空気を詰め込んでいました。
    あと、一人では難しいことも二人では可能になるみたいな空気もとても好きなので……。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    ありがとうございました。

  • 今回のお話、3-7話もとても興味深く読ませていただきました。


    ミレルカさんとヴェルトールさんの間に入ってその場を収めてくれるベルムシオンさんの様子がとても印象に残りました。

    一度は収まったものの、再びヒートアップしそうになった二人を、ヴェルトールさんが『かつん』という靴音で落ち着かせたところがほんとうに好きです。

    飛び交う二人の言葉と言葉の間にスッとしみわたるように靴音が広がる……その様子が目に浮かぶようでした。
    これまでの二人のやりとりが(仲が良いからこそ)けっこう激しいものだったからこそ、ベルムシオンさんのこの『介入』がとても印象的で……

    最初にベルムシオンさんが入ってきたときは、ベルムシオンさんがやってきた、ということでなんとなく流れで収まっていたんですよね。
    なんとなく収まっていたから、なんとなく口論が再開してしまって。
    けれど、ベルムシオンさんの『靴音』ははっきりと静止する意思を持ってのことで、その後二人は落ち着いて、今後どうするかの具体的な話になっていきました。

    一度口論が再燃したことで、読んでいて『これはなかなか収まりそうにないぞ……』と思わせてもらったところで、ベルムシオンさんの『靴音』が響いて場が収まる……
    一度下げてからぐっと上げる、というような……もなか様の文章構成の巧みさを感じました。


    その後、ヴェルトールさんが、探しに行くなら自分が……と提案したときも、ここに残ることになるアリスさんとアリュさんのことを考えれば、大人のヴェルトールさんが残っていた方が安心だ、という納得の行く返答をしてくれるところもすてきです。

    また、ヴェルトールさんがこのタイミングでミレルカさんに同行できるのも、ミレルカさんがあのときにベルムシオンさんを必死の思いで連れ帰ってきたからこそですし、
    あのときにはミレルカさんがベルムシオンさんを守り、連れ帰ってきましたが、今回はベルムシオンさんがミレルカさんを護衛する立場になる……過去の出来事が繋がったり、対比が生まれたり……読んでいてとても心地よくて、ワクワクしました。



    次回もとても楽しみです。ありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    本日も嬉しいコメントをありがとうございます。

    お互いに譲れないものがあったりすると、喧嘩って長引いてしまいやすいんですよね。
    でも、第三者の仲裁や存在があると落ち着きを取り戻しやすかったりすることもあって……なので、ベルムシオンに止めてもらうという形になりました。
    ミレルカがベルムシオンを連れ帰ってきたからこその展開をお楽しみいただけたら嬉しいです。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    ありがとうございました。

  • 今回のお話もとても楽しく読ませていただきました。


    特に印象的だったのが、ヴェルトールさんとミレルカさんが言い合いをする場面です。


    これまでの話の中で、ヴェルトールさんはミレルカさんのことをほんとうに大切な家族だと思っていることが伝わってきていました。

    『王都周辺で本来そこに生息していない魔獣が発見された』という噂を思い出したミレルカさんが、その噂が真実だったとしたら?……と思ってしまったり、真実だったとして、ベルムシオンさんはその魔獣に襲われたのではないか?……という想像をしてしまったときも、
    悪い想像がさらなる悪い想像を呼んでしまう前に、ヴェルトールさんはミレルカさんを助けてくれました。

    ヴェルトールさんがあのとき、ミレルカさんの頭をやさしく撫でてくれなかったら、ミレルカさんは自らの想像に潰されてしまっていたかもしれない……と、緊張の中で感じたのを今もよく覚えています。

    (また、待機スペースでアリスさんやアリュさんに絵本の読み聞かせをしてあげるところもとても好きな場面です。
    このような、キャラクター個人や、キャラクター同士の関係の理解度(解像度)がぐっと深まるエピソードを見ることができてほんとうに嬉しかったです)

    豊富な経験から生み出される、的確で親愛に満ちた言動や助言。
    これまでも、ヴェルトールさんはミレルカさん達、大切な家族をその広い視野と確かな実力で守ってくれていたのだろうなと思えました。


    ヴェルトールさんの家族への思いが感じられるエピソードがこれまでに丁寧に重ねられてきたからこそ、今回読ませていただいた3-6で、ヴェルトールさんが、ミレルカさんが一人でセシリアさんを探しに出ていこうとするのを、言葉を荒げてまでも止めさせようとする理由が、しっかりと感じられたのでした。

    読者として、ミレルカさんがセシリアさんを探しに行きたい気持ちもよくわかるのですが、それと同じくらい、ヴェルトールさんがミレルカさんを行かせたくない気持ちもわかるという……
    読んでいて、主人公であるミレルカさんに感情移入するだけでなく、他の登場人物も好きにさせてくれる、感情移入させてくれるほんとうにすてきなお話でした。



    次回もとても楽しみです。
    読ませてくださってありがとうございました。

    作者からの返信

    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    ミレルカは大人びた振る舞いをすることが多いですが、年齢的にはまだ幼い子供です。
    なので、子供が一人で危険な場所に行こうとしていたら確実に止められるよなというのは執筆中ずっと思っていて、ここのシーンと展開は必ず入れようと思っていました。
    ここでミレルカとヴェルトールの家族としての関係ももう少し描写できたらなとも思っていたので、bisnonさんの感想がとても嬉しかったです。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。

  • 今回のお話もとても楽しく読ませていただきました。


    特に印象に残ったのは、ミレルカさんが探査のペンデュラムを作るシーンです。

    魔法石の破片や錬金術で作られた特殊なチェーンを丁寧な加工によって組み合わせて作られたペンデュラム。
    冒険者や調査隊、衛兵の間でも使われている実践的なその魔法道具をミレルカさんが作ることができるだけでもすごい、と思わせてくれるのに、
    そのの材料の準備をしていること、そして、ペンデュラムを使えばセシリア先生が近くにいるかどうかを確認できるのを『思いつける』ということ。
    普段と違う状況だからこそ、自分のできることを思いつける判断力……

    ただの10歳の子供では技術があっても動揺してしまって何もできなかったかもしれません。
    大切なセシリア先生が帰ってこないのですから、動揺してしまったとしても無理のないことでしょう。
    まして、魔物のこともありますし、セシリア先生を迎えに行くことも、そもそも近くにいるかどうかを調べるなんてこともできなかったかもしれない……と思うのです。

    でも、ミレルカさんには転生前にこの世界に触れていた経験があるのですよね。
    『ミレルカ』になる前に愛用していた道具で、セシリア先生が近くにいるかどうかを調べられるかもしれないと、ひらめくことができた。


    ここでミレルカさんのことを更にすごいと思ったのは、転生前には『素材』を探すために探査のペンデュラムを使っていた、と書いてあるところです。
    素材集めに使っていたものを、『探し人がこの近くにいるかどうかを確認』するためにも使えると思いつくことができたのは、ミレルカさん自身の豊かな知識と柔軟な知能があったからこそなんだな……と読んでいて膝を打つ思いでした。

    困難な状況と、それを打開するための手段としてミレルカさんにまだ打つ手があると納得させてくれる、もなか様の巧みな構成に感激しました。



    次回もとても楽しみです。ありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅れてしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    錬金術のシーンはどのようなアイテムを作り、どのような材料からなるのか、楽しく考えていたのですが、探査のペンデュラムは特に楽しみながら考えていたアイテムでした。
    この世界は元々がゲームの世界だから、ならば探索に特化したアイテムがあってもいいよねと執筆しながらずっと思っていたので……。
    ミレルカの前世の知識もここに絡めようと思って入れたので、その辺りも楽しんでくれて本当に嬉しいです。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    ありがとうございました。

  • 今回のお話も楽しく、興味深く読ませていただきました。

    ひとつの話の中で、ベルムシオンさんとアリスさん・アリュさんとの対面と、帰ってこないセシリアさんというふたつの話題がテンポよく連続していて、おもしろくてあっという間に読んでしまいました。


    特に好きなところは、ベルムシオンさんの具合は大丈夫だと聞いて、アリスさんとアリュさんが顔を見合わせて喜んでいるところです。

    ベルムシオンさんを襲った魔獣の正体や、魔獣の巣はどうやら近くにはないのですぐの対処はできないであろうこと、王都周辺で起きている異変のこと……まだ解決していない問題がありますが、その中でもこうして、子供たちが笑顔になる瞬間があると、読んでいて思わずほっとするのでした。
    緩急のさじ加減というか……厳しかったり深刻だったりする場面と、良い意味でほっと脱力できる場面のバランスを取るのがもなか様はほんとうに巧みだなあと感動しました。


    今回の3-4の最後にセシリアさんが外出から帰ってこないことが明らかになりますが、
    ここであらためて、もなか様の文章構成力がすさまじいなと感じたのは、アリスさんやアリュさん、ヴェルトールさんがミレルカさんと穏やかに話している場面を描くことで、当然セシリアさんも帰ってきてるだろうと想像させてくれるところです。
    小説ならではの表現というか……文字にはしていないけれど、その場にはいるだろうと思わせてくれるところ。

    2-3で隣町まで買い物に出かけたことがヴェルトールさんから説明された後、眠っていたベルムシオンさんの目覚めという『時間の経過』を感じさせる場面を挟むことで、読者としてもセシリアさんはそろそろ帰ってきていて、この場に……それこそキッチンにでもいるのだろうと思わせてもらえていたところで告げられる、まだ帰ってきていないという報告。

    笑顔の場面を挟むことでギャップが生まれて、緊迫感が更に増して……熱中して読ませていただきました。
    次回もとても楽しみです。


    ほんとうにありがとうございました。





    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    あっという間に読んでしまったというとても嬉しくなるお言葉、本当にありがとうございます。
    少し話の印象があちらこちらに行き過ぎてないかな、もう少しまとまった印象を受けるように整えたほうがよかったかなと悩んでいたこともあって、bisnonさんの感想がとても嬉しかったです。
    ベルムシオンの目覚めを挟むことで、ある程度の時間が経っていることを示せたら……と考えていたため、そこも上手く伝わってほっとしました。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。


  • 今回のお話もとても興味深く読ませていただきました。

    前回の話の最後でミレルカさんが抱いていた疑問は、やはりベルムシオンさんを襲った相手についてだったのですね。

    読んでいてミレルカさんがなぜこのタイミングでベルムシオンさんに質問をしたのかがわかって感動が深まりました。
    最初のベルムシオンさんの説明では、魔獣らしきものが頭上から落ちてきたことはわかっても、その前にどこから来たのかはわかりませんでした。

    もし近くに巣があってそこからやってきたものであれば、先んじて対処することも注意喚起をすることもできるでしょう。
    けれど、近くに巣がない場合……魔獣がどこか遠くからやってきた存在の場合、また別の対処を考えなくてはならない。


    ヴェルトールさんとの会話の段階では、『もし噂でなかったら』『あの旅人が起きないとわからない』というまでの話でしたが、ベルムシオンさんが目覚めて、ヴェルトールさんとの会話の『続き』の状況が迫ってきているのだと思うと良い意味で緊張感が高まるのと同時に、
    そういうときだからこそ、家族ではないベルムシオンさんにも暖かい食事を進めるミレルカさんのやさしさが読んでいてとても心地よかったです。

    魔獣の対処について話しながら、おろそかになりながちな食事についても気を配る。
    ベルムシオンさんからすれば、そういうところもミレルカさんは聡明で度胸があるところなんだろうなと思うと、ベルムシオンさんを通じてミレルカさんのことがますます好きになるのでした。


    次回のお話もとても楽しみです。
    ほんとうにありがとうございました。



    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    魔獣が目撃されるときに考えられる条件は何かな……と考えたときに、真っ先に浮かんだのが巣の有無だったので、それを織り交ぜつつの会話になりました。
    話がちょっとあちらこちらに飛びすぎかなぁとも思っていたのですが、ミレルカの優しさが読んでいて心地よかったという感想がとても嬉しくてほっとしました。
    本当に、いつも元気が出るお言葉をありがとうございます。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。

  • 今回のお話もとても楽しく読ませていただきました。


    ベルムシオンさん本人から語られる襲撃の様子が緊迫感に満ちていて、読んでいて思わず手に汗握ってしまいました。

    大きな牙で剣を噛み砕かれ、胸に衝撃を受けて弾き飛ばされ……最初に襲ってきた存在のことをはっきりとは見ていないというのも納得で。
    情報が断片的になっているのも、それだけ……それこそ意識を飛ばされてしまうほどの威力だったんだろうなというのが想像できてとても好きです。

    そして、そんな中でも、相手が空から突進してきたということ、そのことから翼を持っているだろうという想像ができること。
    また、襲撃を受けた後、反撃に転ずるのではなくすぐに森の中に逃げ込んだところも、ベルムシオンさんの戦士としての知性の高さが感じられてワクワクしました。

    結果的には森の中でルボワウォルフの群れに見つかってしまいましたが、まず森に逃げ込むという判断がなければ、ミレルカさんが発見する前に命を落としてしまっていたかもしれないわけで……

    ベルムシオンさんが森に逃げ込んだのは「ちょっと身を潜めるだけのつもりだった」ということですが、翼も持つ生き物にとって森の木々は移動に大きな妨げになるでしょうし、
    魔獣が翼を持っているだろうということをはっきり自覚したのは目覚めてからかもしれませんが、無意識下で「翼を持っている=森の中に隠れれば追ってこられないかも」とベルムシオンさんが判断したのかな……とも思えて、ますますベルムシオンさんのことが好きになりました。


    ベルムシオンさんと話す中で、ミレルカさんの中に浮かんだという疑問が気になりました。
    おそらく魔獣についてだろうと思いますが、一体どんな疑問なのだろうと想像しつつ、次回を読ませていただきたいと思います。

    今回のお話も読むことでできてほんとうに良かったです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    襲撃を受けた一瞬の記憶をどう描写するかは、結構悩んだポイントの一つでもあります。
    なので、緊迫感に満ちているという感想がとても嬉しかったです。
    ベルムシオンにも好意的な印象を抱いてくださったようで、とてもありがたく思っています。

    ミレルカが抱いた疑問には次回で触れておりますので、また次回もお時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。

  • 今回のお話もとても興味深く、楽しく読ませていただきました。


    ベルムシオンさんとミレルカさんの会話のシーンがとてもすばらしくて……
    特に、ミレルカさんがベルムシオンさんの体に触れて室内に押し戻すシーンが好きです。

    ミレルカさんの、「怪我をしている身であまり無理をして動かないでほしいという懇願」が行動になって現れているシーンですが、
    ベルムシオンさんの(包帯のない部分の)体に触れてまで室内に戻そうとしたところに、ミレルカさんの『今は安静にしていてほしい』という気持ちが伝わってきました。
    ミレルカさんの静かな強さというか……

    体を起こしてベッドから離れるというのは、単にそれだけではなくて、動けるようになったら色々としたいことも出てきてしまって、結果的に体力を消耗してしまいますものね。
    傷口が開いてしまう可能性もありますし。

    ベルムシオンさんにどうしても今すぐに動かないといけない理由があるのでなければ、できるだけじっとしていてほしいという思いが感じられたからこそ、ベルムシオンさんも素直にベッドに腰掛けたのだろうと思いました。


    ベルムシオンさんが素直に戻ってくれたこともですが、自分が一番大変なのに、手当を手伝ってくれたミレルカさんにお礼を言ったり、傷薬を作ったことを褒めてくれたり、恩人を不安にさせたくない……と、気遣えるところがとてもすてきだと思いました。

    前回の2-5で、目覚めたときに記憶が不透明になってしまっていたことに対して、自分に対して苛立ってしまっていましたが、自分以外に対してのベルムシオンさんはとても冷静でした。

    また、今回の話で、冷静なだけでなく、話す相手に対しておだやかに接することもできるのだ……ということがわかって、ますます好きになりました。
    苛立つこともあるけれど、それを自分の中で処理して、当たり散らすようなことがない(怪我をしているときは、どうしても周りに当たりがちなのに)ところに、ベルムシオンさんの、戦闘力だけでないすばらしさが感じられて……会話のやりとりの中でそれらを感じさせてくださる、もなか様の文章力に、ほんとうに感激しました。



    次回もとても楽しみです。

    ありがとうございました。


    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    こう、小さい子が大人に対して何らかのアクションを起こしているという様子がとても好きで……ミレルカならどうするかなを考えながら、そういった様子を詰め込んでいました。
    ベルムシオンの冷静さは、ある意味ちょっと人間らしくないかなーとも思いましたが、好きになったとおっしゃっていただけてとても嬉しいです。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    ありがとうございました。

  • 2-5 傷痕と異常への応援コメント

    今回のお話も楽しく読ませていただきました。

    ついに目を覚ました青年。
    ミレルカさんが青年を施設につれていって医者を呼ばなければ目が覚めるのが遅れただけでなく、そもそもそのまま命が失われていたことでしょう。

    ミレルカさんが青年を連れ帰ったときからそういう思いはありましたが、こうして青年が目を覚ますと、あらためて、命が繋がったのだな……と実感しましたし、あの瞬間のミレルカさんの意志や決断力、ひらめき、行動力に感動しました。


    また、青年が倒されてしまう直前の記憶を思い出すシーンも好きです。
    自分の上に突然大きな影が降ってきたのに対して、とっさに剣を構える青年。
    それだけで青年は実力があるんだな、ということが感じられます。
    結果的に剣は折れて、青年は意識を失うほどのダメージを受けてしまいましたが、青年の反応速度の高さと、反応速度が高いだけでは受けきることのできない襲撃者の破壊力が感じられる……回想シーンでありながら、とても緊迫感があって好きです。

    回想から現在に意識が戻ってきたところでも青年の実力の高さが感じられて、とても印象深いです。
    目覚めてすぐに部屋から出ていくのではなく、自分を助けてくれたであろうひとが、善意だけでなく、なにかを対価として要求してくるのではないかということを想定したり、室内にある持ち物を確認したりと思慮の深さも感じられます。


    未だ魔獣の脅威については明らかになっていないこともありますが、青年が目覚めたことによって、状況が良い形に変わっていきそうで……次回から始まる第3話もとても楽しみです。

    ほんとうにありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    青年は最初のキャラクター設計をするとき、ヴェルトールとはまた少し違った雰囲気にしたいな……と考えて、警戒心が強い雰囲気にしようかなという結論が出たというのがあります。
    なので、目覚めた直後の反応や思考はこのような感じにしてみました。
    実力が高いという感想をいただけて、そういう風に見えるのならこの設計にしてよかったな~と思っております。

    また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    ありがとうございました。

  • 2-4 傷痕と異常への応援コメント


    今回のお話もとても楽しく読ませていただきました。

    特に、ヴェルトールさんの年長者としての、また青玉級という階級を持つ者としての落ち着いた視野の広い振る舞いがとても印象的でした。

    前回の2-3話で、ミレルカさんの心に浮かび上がった不安。
    本来そこにいないはずの魔獣が発見されたというのが噂ではなく事実で、青年がその魔獣に襲われたのかもしれないかもしれないということ。

    ヴェルトールさんは、ミレルカさんのその心情を読み取り、これ以上不安が大きくなる前に摘み取ってくれました。

    ミレルカさんの頭を撫でるヴェルトールさんの仕草は優しさと労りに満ちていて、その上でごく自然で、二人がほんとうの兄妹のように育ってきた、というのがあらためて感じられて好きです。

    きっとこれまでも、ミレルカさんはすぐれた知性と知識があるゆえに、良くないケースまで想像してしまうことがあったのでしょう。
    そしてヴェルトールさんは、そのたびに、今回のようにミレルカさんの頭を撫でて落ち着かせてくれた上で、今後の指針を示してくれていたのかもしれないと思わせてくれて、とても好きなシーンです。


    また、ヴェルトールさんは錬金術師として、冒険者や魔獣狩りをする者達に頼られているということでしたが、これまでの活躍に加え、今回のミレルカさんへの穏やかで心強い振る舞いを見ていると、それも納得だな……と強く思いました。

    ヴェルトールさんは、同じ施設で育った『家族』であるミレルカさんや子供たち、セシリアさんにはきっと特別の親愛を抱いているのだろうな、と思うのと同時に、他の冒険者たちにも丁寧に接しているんだろうなと感じられたのです。


    ミレルカさんとヴェルトールさんのやりとりで、読者としても、良い意味で緊張をほぐしていただけた気がしました。
    最後に、エプロンを身につけるミレルカさんの『歩きながら』というところに、このエプロンを身につけるのに慣れているんだな、というのが感じられて微笑ましくなったりして。

    もなか様の描く緩急の付け方、テンポの操作に感動しました。


    次回もとても楽しみです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    この辺りのシーンは投稿後、あとから読み返したときにちょっとダラダラしてる感もあるかな……と思っていた箇所の一つだったので、bisnonさんの感想が読んでいてとても嬉しかったです。
    ミレルカの細かい仕草にも注目していただけているのも嬉しくなりました。

    いつも嬉しくなってしまう感想を本当にありがとうございます。
    また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。

  • 2-3 傷痕と異常への応援コメント

    今回のお話もとても楽しく読ませていただきました。

    1-4でヴェルトールさんとミレルカさんが話していた『物騒な話』……本来ならば王都周辺には生息していない魔獣の姿が確認されたという噂。

    作中世界の魔獣は、種類によって適した生息地が決まっているため、それ以外の場所で目撃されることはめったにない。
    もし目撃されるとしたら、元々暮らしていた環境に何かがあったか、あるいは魔獣が移動させられたか……というものでした。

    そのときはまだ『噂』という表現でしたが、今回、ディアモン鉱の防具を切り裂いて青年が傷つけられていたこと、剣が砕けていたこと、ヴェルトールさんの『この辺りでそんなことができる魔獣は思い当たらない』という言葉……
    これらの情報から、それが噂ではなく事実かもしれないと思い当たった瞬間の、心臓が冷たく締め付けられる、という表現に、ミレルカさんの恐怖がいかばかりだったか……ということが伝わってきました。


    倒れていた青年を囲んでいた狼のような魔獣達がルボワウォルフという名前であることがここでわかるのが、ストーリーとしてすごく上手いなと感動したところで、名前がわかることで、青年が倒れていたときの様子が鮮明に思い出されたからです。

    あの魔獣は……ルボワウォルフは、ミレルカさんの用意した魔除けのお香のおかげで逃げていきましたし、ルボワウォルフでは剣をかみくだくようなことはできないということも明かされます。

    青年を襲った魔獣は他にいる。それも、ルボワウォルフよりもはるかに強力な魔獣が。


    聡明ではあっても子供の体のミレルカさんには恐ろしくてたまらなかったはずです。
    けれど、ミレルカさんの前にはヴェルトールさんがいる。
    魔獣と接し慣れていて、実力もあるヴェルトールさん。

    ミレルカさんの賢さや勇気に惹かれる一方、優しく頼もしいヴェルトールさんの姿も感じられて、
    そんなどんどん好きになっていく彼らが、これからおそろしい魔獣と遭遇することになるのだろうな……と思うと、良い意味で、思わず手に汗握ってしまうのでした。



    次回を読ませていただくときがとても楽しみです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    今回では、目に見えない脅威が迫っているかもしれないという情報の公開部分に重きを置きました。
    リアルでも災害の話を聞くと不安になってしまうように、強力な魔獣がいるという話は聞いたら絶対に不安になるよなぁ……と思いながら執筆していたので、ミレルカが感じた恐怖とヴェルトールがどれだけミレルカにとって頼りにできる存在なのか、感じていただけたみたいでほっとしました。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。

  • 2-2 傷痕と異常への応援コメント


    今回のお話も最初から最後まで興味深く読ませていただきました。

    世界観の説明とストーリーの展開とを同時に楽しませていただける、とても贅沢なお話だったと思います。


    青年がまだ目を覚まさない状態で、こんなにも情報を得ることができるとはほんとうにうれしい驚きでした。

    1-7でミレルカさんが剣の破片を集めていたときに、剣が折れるならまだしも、破片になるというのは何か特殊な理由があるのではないか……と読みながら思っていたのですが、今回の話で大きなものに噛み砕かれたように砕けているということがわかりました。
    文章の中にさりげなく設定された情報が後になって意味を持ってくるという、もなか様の文章構成にあらためて感激しました。

    剣の破片が『何か大きなものに噛み砕かれたようだ』ということで、一旦答え合わせをしてもらえているところがほんとうに上手いなあ、と思うところで、
    今回の話では青年は目を覚まさず、青年を傷つけた存在もわからないのですが、『剣を砕けるほどの大きな存在?』という情報が読み取れることで、それがそのままの存在なのか、そう思わせておいて別の存在なのか……という想像が膨らむのですよね。

    実際にどういう存在なのかは今後明らかにされるのでしょうから、そのときを待たせていただきつつ、想像も楽しめるという……とてもワクワクする展開でした。


    また、ディアモン鉱という鉱物が青年の防具に使われていることが明らかになり、架空の鉱物の存在というだけでうれしいのですけれど、
    ディアモン鉱を使った防具は表面に魔力の防御膜が形成されたり、表面にプリズムが入るというのが、視覚的に想像できてとても楽しいのですよね。

    青年は眠っていて、ミレルカさんが青年の持ち物などを調べるというストーリーの中で、しっかりと盛り上げ、楽しませてくださるもなか様に心から感謝しております。




    次回も楽しみです。
    ほんとうにありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます、いつも励みになっております。

    私自身、その世界に存在している特有の鉱石や植物を想像するというのがとても好きで……。
    異世界ならきっと特殊な鉱石もあるだろうなぁと空想しながら執筆していたので、楽しんでいただけたようでとても嬉しいです。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。

  • 2-1 傷痕と異常への応援コメント

    今回のお話……第2話第1章もとても楽しく読ませていただきました。

    場面が施設に戻ってきて、新たな展開が始まり……全てワクワクしながら読ませていただきましたが、
    特に印象に残ったのは、怪我をした青年についてのミレルカさんの説明です。

    ミレルカさんは、最初に施設に帰ってきたときから、怪我をした青年のことを『お客さん』と説明していました。
    助けたミレルカさん自身、青年の素性を知らないのです。
    施設の子供達に『あの人は誰?』と聞かれて、「わからない」と答えたり、外に出かけたときに見つけて助けた……などと説明する選択肢もあったと思います。

    でも、ミレルカさんは『お客さんだよ』とだけまず応えました。
    この言葉に、ミレルカさんの聡明さや優しさ、そして普段他の子達とどのように接しているのか……そして、ミレルカさんと子どもたちの間の信頼関係が感じられてとても好きです。


    青年が連れてこられた時点で、子供たちは動揺し、警戒し、不安を感じています。
    そんなとき、頼りになる存在であり、青年を連れてきたミレルカさんが「わからない」と言ったり、あるいは長々と説明したりしたら、子供たちはますます不安になってしまっていたかもしれません。
    あるいは泣き出してしまっていたかもしれないと思います。

    ですが、ミレルカさんがまず『お客さんだよ』と伝えることで、この青年も、これまでこの施設に何人、何十人と訪れてきたであろう他の『お客さん』と同じなのだと思えたのではないかと思いました。

    お客さんだから、子供たちが心配することはないよ、でも、怪我をしてしまっているから休ませてあげるだけだよ……と納得させやすくなったのだと思いました。

    もちろん、子供たちが納得したのは、ミレルカさんのその言葉だけでなく、ミレルカさんが優しく丁寧に頭を撫でてくれたり、やさしい声で話したり……という複数の要因の組み合わせなのだと思いますが、
    子供たちに突然質問を受けるという状況に対して、動揺する様子もなく応えられるのは、ミレルカさんの賢さと、子供たちに対する理解があってこそなんだろうと思えて……


    会話ひとつ、呼び方ひとつとっても無駄にしない、登場人物たちの性格や関係を丁寧に描くいてくださるもなか様のすばらしい構成と展開を堪能させていただけて、深く感動しました。



    次回もとても楽しみです。
    読ませてくださってありがとうございました。

    作者からの返信

    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    前回の話では、ミレルカがまだ子供であるという部分にスポットを当てていたつもりです。
    なので、孤児院に戻ってきた今回の話では、ミレルカは子供であると同時に孤児院の子供たちの中では年長者であるという部分にスポットを当てました。
    孤児院のお姉さんとしてのミレルカの姿も、ここの回で感じていただけたのなら嬉しいです。

    次回もまたお時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。

  • 今回の章もとても楽しく読ませていただきました。


    特に印象に残ったのは、重量感……重さの表現です。
    ヴェルトールさんが青年の体を持ち上げるところも、ただ持ち上げるだけでなく、

    【青年の傍に片膝をついて座った。彼の首元に手を当てて脈を調べたのち、力が入らずにぐったりとしている青年の片腕を自身の首に回し、肩を貸して立ち上がった。】

    と、足の動き、腕の動き、肩の動きが丁寧に……けれど決してくどくなく描写されていて、
    しかも、持ち上げる前に首元に手を当てて脈を調べるという動作も入っているのですよね。

    青年のことをモノではなくて、ちゃんとした命として扱っているのが感じられて、読みやすさと理解のしやすさが両立しているすばらしい描写だと思いました。


    また、その後のミレルカさんの描写もとてもすてきなものでした。
    剣の破片を集めるのにも、まずは手袋をはめて、慎重に集めるところが、普段からミレルカさんが『危険なもの』をどのように扱っているかが感じられて、とてもすきです。
    剣のカケラのような尖ったものだけではなく、錬金術をするときも、あらゆる薬や器具も、同じように丁寧に、そして慎重に扱っているのだろうと感じられました。
    ふつうではない状況だからこそ、日頃から身につけている動きが出るもので、ミレルカさんの日常がこの動きからも読み取れる気がして、とても好きな場面です。

    集めた剣を袋に入れて、持ち上げるときによろけそうになった場面もとても好きです。
    剣という鉄(あるいはなんらかの金属)の塊であるものを、軽々と振り回すシーンを見る機会が多いですが、それは使い手にとって振り回せるものであって、
    持ち主以外のひとにとっては……特に剣士や戦士でないひとにとっては当然『重い』ものであるということが感じられて、良い意味でミレルカさんの『弱さ』が表現されている気がして大好きです。

    ミレルカさんは豊かな知識と知恵があり、勇気と行動力があって……けれど、完璧ではなくて……そこがまた魅力的だなと感じました。



    次回からは第2話……読ませていただくときもとても楽しみです。
    ほんとうにありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    この辺りはさらっと描写してもよかったのかもしれませんが、人間は意識がある状態でも重いのに、気を失っているとなるともっと重いよな……と途中で思って現在の描写に変えたというのがあります。
    書き終わって、あとから読み返してみると、ちょっとくどかったかな?と不安に思っていたので、とてもほっとしました。

    また、ミレルカはまだ幼い子供という制限が常にある身なので……小さな子供なら剣を簡単に持ち上げるのは難しいよなと考えて、あのような描写を挟みました。
    結果、ミレルカの『子供である』という部分を強調できていたようで、入れてよかったなぁと感じています。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。

  • 今回のお話も手に汗握りながら楽しく読ませていただきました。


    もっとも印象に残ったのは、青年を助ける場面です。
    ミレルカさんが布鞄に手を伸ばし、手探りでその鞄の中から魔除けのお香を取り出したシーンが好きです。

    ミレルカさんが視線を青年から逸らさず(逸しているときに魔獣が青年に飛びかかる可能性もありますものね)、他にもモノが入っているであろう鞄から魔除けのお香だけを的確に取り出せるところが、ミレルカさんのすさまじい集中力はもちろん、
    ミレルカさんが、魔除けのお香のケースがどんな形であるかをちゃんと記憶していることが表現されていて、とても格好いいなと思いました。

    お香はミレルカさんが自分で作ったものですから、形を覚えているのも自然なことではあると思うのですが、状況はとても緊迫しています。

    普段であれば……平常時であれば、それは問題なくお香を取り出すことができるでしょう。
    けれど、青年も、ミレルカさん自身も命の危険があるときにカバンの中からお香のケースを取り出せるというのは、ミレルカさんに錬金術がしっかりと身についていることの表れなんだろうなと思いました。

    さりげない描写で登場人物の力量や背景を感じさせてくれるもなか様の文章力に感動しながら読んでおりました。


    また、その後、魔獣を追い払ったあと、ミレルカさんの心臓がばくばくと高鳴っている場面も好きです。

    魔獣を追い払うまでのミレルカさんはとても格好良く、凛々しく感じられましたが、ミレルカさんも緊張しないわけではなくて、
    むしろずっと緊張していたでしょうに(心臓や深呼吸の描写からもそれが感じられました)、青年を助けるためにその緊張を限界まで押し留めていたんだろうな……というのが感じられて。

    魔獣を追い払えたときは、思わず、ミレルカさんと一緒にホッとして、ますますミレルカさんに親近感が湧いて、好きになりました。



    次回もとても楽しみです。
    読ませていただいて、ほんとうにありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    このシーンは、ミレルカの最初の見せ場だと思っているので描写に結構悩みました。
    まだ幼い女の子であり、本来ならば大人に守られる立場であるミレルカをどう格好よく見せようかと、さまざまなパターンを考えたうちの一つがこれでした。
    なので、格好いいという感想がとても嬉しいですし、あれこれ考えてよかったなぁと思っています。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。

  • 今回のお話も楽しく読ませていただきました。


    特にすてきだなと思ったのは、ミレルカさんが森からと思われる音に気づいたときの判断です。


    まず、音が気のせいかどうかを確認し、音が聞こえることからおおよその距離を想像し、そこにいるのがこのあたりの魔獣であれば、魔除けのお香で足止めができるかもしれない……と想像する。

    特に感動したのは、音から聞こえてきた音が、重たいものが倒れるような、重量を感じさせる音だったことから、『誰かが襲われているかもしれない』と想像したであろうことです。

    文章にははっきり書かれているわけではありませんが、『足止めはできるかも』とミレルカさんが考えているということで、おそらく人が襲われていることも想定しているのだろうと想像できました。

    自分が魔獣と出会わないように、そして襲われないようにと警戒するのはある意味で自然なことだと思うのですが、その上で、『もしかしたら自分以外の誰かが襲われているかもしれない』と想像できること、そして、『その人を助けるか逃げるまでの時間を稼ぐために、足止めができるかもしれない』と思えること……
    そして、少しでも危ないと感じたらすぐに逃げる、という、自分のことも蔑ろにしないところ。

    ミレルカさんの優れた判断力と、やさしさと、ただやさしいだけではない、心の強さが感じられて、緊迫感を楽しませていただきつつ、ミレルカさんのことがますます好きになるすばらしい場面でした。


    また、その前の、ラパンテームの歯を摘むところもとても好きです。
    枝を必要以上に傷つけないように注意しながら摘んだり、数も必要な分だけにとどめる……というところに、自分だけが採れればいいのではなく、他のひとのことまで考えて行動するミレルカさんのやさしさと思いやりが感じられて、心が暖かくなりました。


    次回もとても楽しみです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅れてしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    この辺りのシーンは、後々で読み返したときにわかりにくい点が多かったなと個人的に反省していたところでした。
    なので、素敵だと感じたところや感想をいただけて、すごく嬉しいです。
    ラパンテームの採取のような、調合や錬金術に使う素材を採取している様子はとても好きで、必ず一回は描写しようと思って入れたところなので好きなところとして挙げてもらえたのも嬉しいです。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそありがとうございました。


  • 今回のお話もとても楽しく読ませていただきました。


    ミレルカさんとヴェルトールさんのやりとりの場面がとても好きです。
    前回の第3話でヴェルトールさんが青玉級の錬金術師であることが明らかにされ、青玉級は中級を表すと説明されました。

    それだけでも読んでいてとてもワクワクして、一体どれほどの錬金術師なのだろう……と想像が膨らんでいたのですが、それが今回の話で、錬金術を用いて作られた魔法道具をミレルカさんに渡してくれるという形で、ヴェルトールさんの……青玉級の錬金術師のすごさが伝わってくるのが、文章構成がとても見事だな……と感動しました。

    身につけている者同士が、離れていても声のやりとりをすることができる……というとても便利な道具ですが、まったく唐突な感じがしないのは、3話で、ヴェルトールさんが『冒険や魔獣退治を生業としている者たちに頼りにされている』と明らかにされているからなんですよね。

    街の外には魔獣が出るから、ヴェルトールさんは魔獣退治の傭兵や冒険者に依頼されてこういった魔導具を作ることもあるのだろうな……ということをごく自然に想像できました。


    また、妹のようなミレルカさんが錬金術の知識が豊富であることを、ヴェルトールさんは知っているのでしょうし、ミレルカさんが素材を集めるために外に出たいと考えることもきっと想像できていたのだろうなと思いました。
    ヴェルトールさんはミレルカさんが十分な性質の魔除けのお香を作れることはわかっていたでしょうし、このあたりの魔獣ならそのお香で十分に退けられる。
    それとは別に、大切な「家族」のために何かしてあげたいというヴェルトールさんの優しさが感じられて、とても好きな場面です。

    ヴェルトールさんが何度もミレルカさんの頭を撫でてあげる描写も、二人の信頼関係が感じられて大好きなシーンです。

    少し乱暴な手付きで撫で回すのも、ミレルカさんがそれを嫌いではないと感じるのも、きっとミレルカさんがもっと小さな頃からヴェルトールさんに撫でられていたのだろうな……と想像ができました。


    錬金術によって作られるものがどのようなものなのかという世界の広がりと、施設で彼らが過ごしてきた時間の広がりが感じられる、すてきなお話でした。

    次回もとても楽しみです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    ヴェルトールは、ミレルカの中で兄であり、身近なところにいる錬金術の師という立ち位置の人物です。
    孤児院にいる他の子供たちとはまた違う距離感の人物なので、他とは少々異なる空気感を出せるように頑張りました。
    なので、二人の信頼関係が感じられるという感想がとても嬉しかったです。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。

  • 今回のお話も、とても楽しく読ませていただきました。


    全編に渡ってすてきなお話でしたが、魔除けのお香を作る場面の描写がとても好きです。

    ドライハーブ、ハーブパウダー、ハーブから作られた精油……異なる三種類のハーブにそれぞれ魔除けの効果があるという説明が描かれ、これらからお香ができるという文章を見たときは、なんとなく混ぜ合わせればできるのかな、と思っていました。

    が、その後にミレルカさんが作るお香のシーンがほんとうに丁寧に、わかりやすく描かれていて、場面が目に浮かぶようでした。
    実際にお香を作ったことはないのに、ミレルカさんが材料を用意し、コーン型を作り、ドライハーブを加工し、ハーブパウダーと精油……水を加えてハーブペーストを作り、
    作ったコーン型に押し込んで、ペーストを間接的に加熱。水分を飛ばしてお香が完成するまでの様子が、読んでいて鮮やかにイメージできました。
    もなか様のすばらしい表現力に感激です。


    また、1話と2話で軟膏(ラパンテームの傷薬)を作り、3話でお香を作る……ミレルカさんの錬金術師としての幅の広さが、読んでいて自然と理解できる……
    しかも、傷薬も、お香も、なんとなく作っているのではなくて、どちらも必要があるから作っている……というところも大好きです。

    以前の人生で身につけた錬金術についての知識を、施設のひとたち……自分の大切なひとたちを助け、支えるために用いていたいというミレルカさんの思いが感じられて、
    ミレルカさんが何かを作る度に、作ろうと思うたびにますますミレルカさんのことが好きになっていきました。


    次回もとても楽しみです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    お香の作り方は、そもそもお香って手作りできるのか?という疑問からスタートしたので、一度調べてから取り入れた部分です。
    それをファンタジー風にしたので、ここはどうなってるんだろうと疑問に感じた点もあったかと思いますが、お楽しみいただけたようで嬉しいです。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。

  • 1-2もとても楽しく読ませていただきました。


    今回の話ではミレルカさんが転生した存在であることがはっきりと名言されました。

    小説のタイトルで主人公が転生した存在であることはわかっていましたから、最初の話(1-1)ではあえてそのことには触れず、世界観とミレルカさんがどういう子なのか(転生してミレルカさんになったこのひとは今、この世界でこう生きているのだ、ということ……)をわかりやすく描いてくださったことで、視点がブレずに読ませていただくことができました。

    最初から、読者が文章から得ることのできる情報を丁寧にコントロールしてくださっているところに、もなか様の高い文章力を感じました。


    また、セシリアさんとの会話の場面もとても好きです。
    先生であるセシリアさんとミレルカさんが話している場面で、ミレルカさんがまだ10才であることをあらためて実感させていただきました。
    年上のセシリア先生とふつうに話していることで、セシリアさんから見ればミレルカさんは大人びて見えることがわかります。

    ゲームという形でこの世界や錬金術の知識を得ただけでなく(自分がどんな人物だったのかは覚えていないにせよ)前世からの精神性も引き継いでいることで、ただの子供にはできない振る舞いができて……
    そんなミレルカさんだからこそ、他の子供たちを護ることができているのだな……と、しみじみとした感動がありました。


    最後の、「血ではなく絆で繋がった家族」という表現がとてもすてきだと思いました。
    ほんとうの家族を失ったミレルカさんがそう感じられる世界でほんとうによかったと思えるお話をありがとうございました。


    次回もとても楽しみです。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    先にミレルカが転生しているという情報を書いたほうがいいかな……と後々から思っていたところだったので、視点がブレずに読めたという感想が少しほっとしました。
    最後のその一文は、どうしても入れたいと思っていた一文なので、とても素敵な表現と言ってもらえて嬉しいです。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    ありがとうございました。

  • 『転生幼女は金剛級錬金術師』の第1話の1章を読ませていただきました。
    続きがとても楽しみです。

    この1話だけでもミレルカさんの大きな優しさやすぐれた知恵が伝わってきました。
    優しくて明るいだけでなく、自身も親を亡くし、自分と同じように親を亡くした子供たちと一緒に……前を向いて生きていくしなやかな強さが感じられて、早くもミレルカさんを応援したい気持ちでいっぱいです。

    また、ミレルカさんの境遇を説明する中で、魔獣が存在することが自然と描かれているところも、もなか様の構成力のすばらしさを感じました。


    印象に残った場面としては、錬金術のシーンもとてもすてきだと思いました。
    ラパンテームにマリヌス……現実にはない薬草だと思うのですが、ミレルカさんがそれぞれの葉や実、オイルを用いて、まるで料理のようにも科学実験のようにも感じられる丁寧な描写をしてくださったおかげで、作中世界における『錬金術』がどのようなものであるか……
    少なくともミレルカさんは錬金術をどのように扱っているかが、最初の最初であるこの1章で理解することができる……

    『錬金術』という、読み手によって様々なイメージがあるジャンルだからこそ、最初にこうしてしっかりと読みての中に『絵』を作ってくださるもなか様の文章の力がすばらしい……と感激しながら、ぐいぐい引き込まれていきました。


    次回を読むのがとても楽しみです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    嬉しいコメントをありがとうございます。

    苦難があっても前を向いて強く生きようとしている女の子……というのが、個人的に好きな女の子キャラクターの一つなので、ミレルカにはそういう要素を詰め込みました。
    錬金術も作品によってどのような術なのか異なるので、この作品ではどうするか悩んだのですが、私がこういう調合系の解釈をした錬金術が好きというのもあってこのような解釈になりました。

    錬金術の存在はこの作品中で常に入ってくるので、早いうちに説明をしたかったのですが、あまりノイズが入らずに説明できているのなら安心しました。
    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。


  • 編集済

    6-7 繋ぐ絆と紡がれる願いへの応援コメント

    素材投入の順番と色変化表記の素材表記の順番が異なってません?

    作者からの返信

    ご指摘ありがとうございます。
    改めて見直してみたところ、確かに逆になってしまっていましたので修正しました。