応援コメント

1-7 出会いは非日常とともに」への応援コメント

  • 今回の章もとても楽しく読ませていただきました。


    特に印象に残ったのは、重量感……重さの表現です。
    ヴェルトールさんが青年の体を持ち上げるところも、ただ持ち上げるだけでなく、

    【青年の傍に片膝をついて座った。彼の首元に手を当てて脈を調べたのち、力が入らずにぐったりとしている青年の片腕を自身の首に回し、肩を貸して立ち上がった。】

    と、足の動き、腕の動き、肩の動きが丁寧に……けれど決してくどくなく描写されていて、
    しかも、持ち上げる前に首元に手を当てて脈を調べるという動作も入っているのですよね。

    青年のことをモノではなくて、ちゃんとした命として扱っているのが感じられて、読みやすさと理解のしやすさが両立しているすばらしい描写だと思いました。


    また、その後のミレルカさんの描写もとてもすてきなものでした。
    剣の破片を集めるのにも、まずは手袋をはめて、慎重に集めるところが、普段からミレルカさんが『危険なもの』をどのように扱っているかが感じられて、とてもすきです。
    剣のカケラのような尖ったものだけではなく、錬金術をするときも、あらゆる薬や器具も、同じように丁寧に、そして慎重に扱っているのだろうと感じられました。
    ふつうではない状況だからこそ、日頃から身につけている動きが出るもので、ミレルカさんの日常がこの動きからも読み取れる気がして、とても好きな場面です。

    集めた剣を袋に入れて、持ち上げるときによろけそうになった場面もとても好きです。
    剣という鉄(あるいはなんらかの金属)の塊であるものを、軽々と振り回すシーンを見る機会が多いですが、それは使い手にとって振り回せるものであって、
    持ち主以外のひとにとっては……特に剣士や戦士でないひとにとっては当然『重い』ものであるということが感じられて、良い意味でミレルカさんの『弱さ』が表現されている気がして大好きです。

    ミレルカさんは豊かな知識と知恵があり、勇気と行動力があって……けれど、完璧ではなくて……そこがまた魅力的だなと感じました。



    次回からは第2話……読ませていただくときもとても楽しみです。
    ほんとうにありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    この辺りはさらっと描写してもよかったのかもしれませんが、人間は意識がある状態でも重いのに、気を失っているとなるともっと重いよな……と途中で思って現在の描写に変えたというのがあります。
    書き終わって、あとから読み返してみると、ちょっとくどかったかな?と不安に思っていたので、とてもほっとしました。

    また、ミレルカはまだ幼い子供という制限が常にある身なので……小さな子供なら剣を簡単に持ち上げるのは難しいよなと考えて、あのような描写を挟みました。
    結果、ミレルカの『子供である』という部分を強調できていたようで、入れてよかったなぁと感じています。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。