応援コメント

2-1 傷痕と異常」への応援コメント

  • 今回のお話……第2話第1章もとても楽しく読ませていただきました。

    場面が施設に戻ってきて、新たな展開が始まり……全てワクワクしながら読ませていただきましたが、
    特に印象に残ったのは、怪我をした青年についてのミレルカさんの説明です。

    ミレルカさんは、最初に施設に帰ってきたときから、怪我をした青年のことを『お客さん』と説明していました。
    助けたミレルカさん自身、青年の素性を知らないのです。
    施設の子供達に『あの人は誰?』と聞かれて、「わからない」と答えたり、外に出かけたときに見つけて助けた……などと説明する選択肢もあったと思います。

    でも、ミレルカさんは『お客さんだよ』とだけまず応えました。
    この言葉に、ミレルカさんの聡明さや優しさ、そして普段他の子達とどのように接しているのか……そして、ミレルカさんと子どもたちの間の信頼関係が感じられてとても好きです。


    青年が連れてこられた時点で、子供たちは動揺し、警戒し、不安を感じています。
    そんなとき、頼りになる存在であり、青年を連れてきたミレルカさんが「わからない」と言ったり、あるいは長々と説明したりしたら、子供たちはますます不安になってしまっていたかもしれません。
    あるいは泣き出してしまっていたかもしれないと思います。

    ですが、ミレルカさんがまず『お客さんだよ』と伝えることで、この青年も、これまでこの施設に何人、何十人と訪れてきたであろう他の『お客さん』と同じなのだと思えたのではないかと思いました。

    お客さんだから、子供たちが心配することはないよ、でも、怪我をしてしまっているから休ませてあげるだけだよ……と納得させやすくなったのだと思いました。

    もちろん、子供たちが納得したのは、ミレルカさんのその言葉だけでなく、ミレルカさんが優しく丁寧に頭を撫でてくれたり、やさしい声で話したり……という複数の要因の組み合わせなのだと思いますが、
    子供たちに突然質問を受けるという状況に対して、動揺する様子もなく応えられるのは、ミレルカさんの賢さと、子供たちに対する理解があってこそなんだろうと思えて……


    会話ひとつ、呼び方ひとつとっても無駄にしない、登場人物たちの性格や関係を丁寧に描くいてくださるもなか様のすばらしい構成と展開を堪能させていただけて、深く感動しました。



    次回もとても楽しみです。
    読ませてくださってありがとうございました。

    作者からの返信

    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    前回の話では、ミレルカがまだ子供であるという部分にスポットを当てていたつもりです。
    なので、孤児院に戻ってきた今回の話では、ミレルカは子供であると同時に孤児院の子供たちの中では年長者であるという部分にスポットを当てました。
    孤児院のお姉さんとしてのミレルカの姿も、ここの回で感じていただけたのなら嬉しいです。

    次回もまたお時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。