概要
どいつもこいつも、大っ嫌いっ。
女子高生の「私」は父子家庭。どうも自分の出産後に母は死んだらしい。上の姉二人は母の愛情を受けられたので真っ直ぐ育ったが、「私」はどうにも捻くれている。その自覚はあるのだが、やっぱり素直にはなれず……。
「大っ嫌いっ」
何かにつけて「私」はそう叫んでしまう。しかしある日、偶然同じクラスだった男子に、「君は、高木彬光とか読まないの」と訊かれる。
「は。誰それ」
折しも学校では「読書発表会」が迫る。自分で二冊から五冊の課題図書を見つけ、その本を読んで得られた考察について発表するのだ。しかし「私」は読書嫌い。さて、どうやって発表をクリアするか……。
※ 当サイトに載せられている文章の著作権は全て飯田太朗に属します。
「大っ嫌いっ」
何かにつけて「私」はそう叫んでしまう。しかしある日、偶然同じクラスだった男子に、「君は、高木彬光とか読まないの」と訊かれる。
「は。誰それ」
折しも学校では「読書発表会」が迫る。自分で二冊から五冊の課題図書を見つけ、その本を読んで得られた考察について発表するのだ。しかし「私」は読書嫌い。さて、どうやって発表をクリアするか……。
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!何もかも、全てが大嫌い。その彼女の行く末は。
この作品は一言で言うと、主人公の女子高校生が己の家族や周囲と向きあい、そして再生へ踏み出すという物語です。
母を幼い頃に失った主人公は、その愛を知らぬまま成長していきます。
彼女には姉2人と父がいますが、友人や好意を抱いてくれる人まで嫌悪感を抱き、我が道を進んでいきます。
そんな痛々しい姿が最初の数話で繰り広げられるのですが、とあることがきっかけで彼女は段々と周囲に心を開いていきます。
その展開にもう何度も涙。
彼女の生まれ持ったものや、周囲の暖かさに読者自身もきっと心温まると思います。
素直じゃない自分に心底嫌気が刺したり、相手を気づ付けてしまうようなことを言って後悔したことは誰だってある…続きを読む - ★★★ Excellent!!!欠けた心のピースも、埋めてくれる人がいる
高木彬光の事を知らずに読みました。読む上で覚悟をしておいた方がいい箇所があるため、その注意を兼ねて少しネタバレ感のあるレビューになっておりますので、以下を読む方はご注意ください。
日本の三大なんたら、の中で一番、知られてない人のような気もするけど、作中でも”知らない”人がたくさん出て来るので、作中で知って行けばいい、という感じでしょうか。
最初に見えるのは「私」の周囲のひび割れた硝子。母がいない事で空いた心の穴。穴が開いたというか、本来は母が埋め尽くすはずだったエリアが、母がいない事で埋まらず、そのまま高校生になってしまったという感じですね。
「私」は「私」をも含めた周囲への…続きを読む