概要
如何なる由にて花は咲く?
天下が統一されて数年。
戦を知らず、無邪気に育った少女、天花。ある時亡くなった貴人の弔問へ向かった折、彼女は透き通るように白い少年、燦と出会う。彼の口から己が出生の秘密を聞かされたことで、天花の運命は流転する。
同胞に無際限の愛を注ぐ白子の少年。
恋心とお役目の間で苦悩する隠密。
人の影なる本性を暴き立てたい両性具有の麗人。
そして、無垢なる蕾を庇護せんとする男。
心に瑕疵ある者たち。彼らの目に、その花は如何なる咲き様を見せるのか──。
戦を知らず、無邪気に育った少女、天花。ある時亡くなった貴人の弔問へ向かった折、彼女は透き通るように白い少年、燦と出会う。彼の口から己が出生の秘密を聞かされたことで、天花の運命は流転する。
同胞に無際限の愛を注ぐ白子の少年。
恋心とお役目の間で苦悩する隠密。
人の影なる本性を暴き立てたい両性具有の麗人。
そして、無垢なる蕾を庇護せんとする男。
心に瑕疵ある者たち。彼らの目に、その花は如何なる咲き様を見せるのか──。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!奈落に咲う花の色は何色に開くのでしょう。開花の待たれる物語です。
先天的にメラニン色素が欠乏している状態で生まれた者の皮膚は透きとおるように白くて光に弱い。
しかし、大切な人を守ろうとする心は強い。
「かがやき」をイメージさせる「燦」という名前でありながら、「かがやき」を避けている少年が居た。
彼が守ろうとするのは、受動的で何処か御人形を思わせる少女「天花(てんげ)」
西行の和歌を口ずさみ、暗闇と死を恐れる少女。
何も知らないことが幸せならば、間違いなく幸せな少女だ。
その「当たり前の幸せ」に嫉妬する者も居る。
嫉妬の心が殺意に変わることもある。
人の心の遣り切れなさが、いにしえの和の舞台に殺戮の花びらを散らす。
天花を巡り、様々な想い人の心が錯綜する世…続きを読む