第16話 双子は怖いな
「いや〜、早かったな」
双子の幼女シスターが、山賊をボコボコにした後に、縄で全員をSMでよく見る、亀甲縛りにしているのを、アイスと眺めていた。
「女王様ってゆうやつですかね!」
アイスさん、何を興奮しているんですか? 鼻息の荒いアイスに、1人ドン引きしていた。
数秒で亀甲縛りをした後、双子のシスターは山賊達を踏みつけていると、馬車の中から無精髭にウエスタンハットの神父が、眠そうに出てきた。
「なんなんだ? 人が寝ていたら、ドタバタとうるさい。……ソラ、リク何をしている?」
「山賊をソラが捕まえた!」
白髪の幼女が答える。
「山賊をリクが捕まえた!」
黒髪の幼女が答える。
「「ギフターブに、ご褒美を要求する!」」
ギフターブと呼ばれた神父は、静かにタバコに火をつけ、一服する。
「人がいる前では、ダメだと前に言った筈だ。旅の人、状況から見るに山賊が襲って来たんだろ? すまないな。よかったら、馬車に乗らないか?」
慣れているのか、ギフターブ神父は焦る事なく、オレ達に提案して来た。
「いいんですか?」
「いいよ、代金はオレが持つから安心して欲しいな、せめてもの償いだ。オレは、神父のギフターブ・アクアドルだ。黒いのがリク、白いのがソラだ。よろしく」
握手を交わしてから、自己紹介をした後にギフターブは、馬車で震えていた運転手に、山賊を馬車に繋げるように言った後、寝てしまった。
馬車に乗っていると、リクが突然、ギフターブにキスをし始めた。
「…………」
突然の事に、アイスと眺めていたら、リクが舌を抜くと唾液が糸を引いていた。
次に、ソラがリクと同じ事をしていく……
クチャクチャと静かな空間に、舌を絡める音がしている。
「君達は、何をしているんだい?」
さすがに、耐えられずに事が終わった2人に質問をした。
「さっき、山賊を倒したご褒美を徴収した」
「当然の権利……」
交互に無表情で話をする双子。
「そ、そうなんだ。ギフターブさんは、どうして起きないんだ? 普通、起きるだろ」
ギフターブは、双子の唾液が分からないがヨダレを垂らして寝ている。
「いつも、ご褒美をくれないから……」
「タバコに寝る草を混ぜたから、起きない」
それって、薬を盛ってるじゃないか! 相変わらず、無表情の双子はギフターブの両腕にしがみついて、まったく動かない。
「それは、ダメな事じゃなかな……」
「大丈夫。ギフターブを愛してるから……」
「2人だけの人。誰にも、渡さない……」
なるほど。この双子がヤバイ事だけは、わかったぞ。隣の、アイスが小刻みに震えながら、オレの腕にしがみついていた。
「あなたも一緒。コレをあげる」
「あ、ありがとうございます。コレは?」
何かの根を、リクがアイスに渡す。
「超強力な精力剤だよ、煎じて飲ませる」
「本人の意志と関係なく、下半身が荒ぶる……」
その言葉に、アイスが叫んだ。
「か、下半身が荒ぶる!!」
イヤイヤ、絶対、体に良くないでしょ。その薬は……
「愛する2人の夜は、燃え盛る炎」
「忘れられない夜になる……」
また、アイスが叫んだ。
「わ、忘れられない夜に!!」
アイスが、座り直してから静かに親指で立て、グットを出す。
双子もグットを出していた。類は友を呼ぶ、そんな言葉を思い出していた。
しばらく、した後にギフターブが起きる。
「はー、すまないな。最近、妙に眠たいんだ。あとさ、ヨダレが酷いんだよ。コイツらは、信用出来ないし。ユウさん、オレは寝言を言ってなかったかい?」
真実を知ってしまったオレは、彼の目を見て話事が出来なかった。
「い、言ってないですよ……」
「そ、そうか、何か病気なのか、最近不安なんだよ」
「ギフは、大丈夫。恋の病だけ……」
「私達がいるから、大丈夫」
イヤイヤ、元凶だよ。君達のせいだよ。
「そうか、2人から見て異常がないなら。考え過ぎなのか……」
ギフターブは、悩んでいるようなので、話そうとした時だった。
「邪魔をしたら悪いよ、2人はとーーてっも良い子なんだよ」
アイスが横から、耳元で囁いてきた。目が正気てはない……手には、色々な物が渡されていた。コイツ、双子に買収されやがったと理解した。
「仲が良いんだな! 2人は、恋人なんだろ。羨ましいよ、オレにも、大人の女がいてくれたらな……」
「そんな女はいない。運命の人はもういる」
「ずーーと、一緒……」
怖っ。ホラー映画を切り抜いたような場面だ。
双子の霊に取り憑かれた、男にしか見えなくなってくる。
ギフターブが取り殺されないか、心配になる絵面に、双子に影響され始めたアイス。
馬車の中はカオスな状況だった。
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