9話
その頃…
闘犬会場の客席では…
姫 「よし! ソコじゃ! 噛みつけい!(興奮)」
家臣二人が横に静かに立ち、
家臣A 「姫様…やはりココでしたか?(汗)」
姫 「なんじゃ? どうしたのじゃ?」
家臣A 「どうしたではございません。 姫さまが居なくなったと城中が大騒ぎでございます。ワタシと一緒に早くお帰りください」
姫 「霧丹歩vs土佐鰹が見たら帰る」
家臣B 「では、拙者は城に姫様は無事と報告してまいります」
家臣A 「すまぬな」
家臣Bはお姫様の無事を報告しに城に行きました。
姫 「ところでそなた…」
家臣A「なんでございましょう?」
姫 「お金を持っておるか?」
家臣A 「いくらほど必要なのでしょうか?」
お姫様 「1文じゃ。」
家臣A 「1文ですか? はいどうぞ。」
姫 「すまぬな♪ ココでしばし待っておれ♪」
姫は受付に、夫を返してもらうためにお金を払いに行きました。
・・霧丹歩のオリの前・・
受付たちは夫を霧丹歩のエサにするためにオリに入れましたが…
霧丹歩は夫を食べようとしませんでした。
若い衆A「どうした霧丹歩! おなかが空いてるんだろう! はやくお食べ♪」
夫 「ひい~!」
霧丹歩 「ぐるる…(こんなまずそうなモノを食えるか…)」
夫 「ダレか助けてー!」
その時!
姫 「そなたたち! なにをしておる!」
受付 「あんたはたしか?コイツ(夫)を1文で売った女? なんか用かい?」
姫 「1文持って来た。 その者(夫)を早くオリから出しなさい!(怒)」
受付 「ああん? この男(夫)はワシが買ったんだ。 買った物を返す必要は無いはずだ(ニヤ)」
姫 「なんと! わらわの言うコトが聞けぬと言うのですか!」
受付 「うるせえ女だ! 者共出て来い!(怒)」
数人の若い衆が現れました。
=👯👩💦👯=
縛られた姫 「わらわにこの用なコトをしたらどうなるか… そなた…知っておろうな…」
受付 「あ~ん?どうなるんだい?(笑)」
縛られた姫 「わらわは土佐藩主山内家の姫なのじゃ」
受付 「 !! なんと!」
縛られた姫 「今すぐ縄を解くのじゃ」
受付 (ちっ、こうなってしもうたらどっちみちワシは重罪じゃ。仕方無し…)
受付はお姫様を引きずり、霧丹歩のオリに入れようとしました。
姫 「そなた! 何をする!(怒)」
受付 「これで、証拠は残らん♪」
姫 「ひいい~! ダレか助けて~!(怯え)」
その時!
おさご 「若頭! ココです! 夫を助けてください!」
おさごが高知城から若頭を連れて来ました!
受付 「なんだ!テメエ(大将)は!」
若頭 「やめろ」
受付 「者共! コイツ(若頭)をやっちまえ!」
若い衆数名が大将にかかって行きました!
一瞬にして、
若頭 「海の男を舐めるなよ」
倒された若い衆全員 「すいません! 全てあの男(受付)が悪いんです!」
おさご 「あれ? あの男(受付)がいません?」
若頭 「どっかに逃げたな…」
若頭は姫に近づき、
若頭 「姫様? お怪我はないかい?」
恋に落ちた姫 「いえ、あなた様のおかげで…(恥)」
次に、おさごと若頭は、夫をオリの中から救出しました。
おさご 「あなた…体は大丈夫?」
夫 「おうよ、ワシがにらんだらアイツ(霧丹歩)がビビッての~(笑)」
おさご 「そうなんですか!? 大きい犬なのに気が弱いんですね…」
霧丹歩 「ぐるる・・(・・)」
おさご達は高知城へ…
・・・高知城内・・・
家老 「おぬし達…特にそなた(若頭)には、なんとお礼を言ったらよいか」
若頭 「気にしないでくだされ」
家老 「うむ… 室戸の庄屋殿から聞いたが、室戸での鯨漁…我ら(土佐藩)も協力したい」
おさごたち 「本当ですか!」
家老 「我藩も新たな財源は欲しい。 そなたら紀州での鯨漁のノウハウを土佐藩で存分に発揮してくれ」
要件は終わり、高知城外へ。
夫 「若頭! 良かったですね!」
若頭「ああ。…ん?」
外では、姫が待っていました。
姫 「あなたさま…(恥)」
夫は姫に歩み寄り…
夫 「姫様…ワシを見送りに来たんですか? ワシも色々と考えましたが…姫様、 やっぱりワシには大事な嫁がおるんでお姫様とは…」
姫 「視界の邪魔じゃ! どけい!(怒)」
夫 「へ?」
姫は スタササっと若頭のもとへ。
姫 「わらわは本当の恋に落ちもうした…どうかわらわとお付き合いを♪」
若頭「姫様…ワシらとはもう関わらないでくれ」
姫 「そっ、そんな!」
若頭「みんないくぞ!」
紀州からの漁師達 「へい!」
姫は若頭に背を見ながら、
姫 「無礼者め…」
家臣A 「…」
おさご 「では、姫さま息災で…」
おさごたちは・・室戸岬へ帰路につきました。
たたずむ姫 「…」
家臣A 「姫様、そろそろ中へ」
姫は家臣Aをジッと見つめ、
家臣A 「どうされました?」
姫 「そなたに聞きたい事がある」
家臣A 「なんでございましょう?」
姫 「鯨漁というモノは危険なモノなのか?」
家臣A 「死ぬ者もおると聞きます」
姫 「…」
家臣A 「お姫様、お言葉ですが…金輪際、あの様な者共(おさごたち)と関らないでくだされ」
姫 「なぜじゃ?」
家臣A 「我らとあの物共(おさごたち)では住む世界が違います。彼らは命をかけ、畑を耕し、漁にでます。人のよってはしたく無い仕事もしてるでしょう。彼らからの税で我らは俸禄を頂き、彼らより美味いものを食べ、良い服をきれます。それ故に我らも必死なのです。 あの者共と深く関れば情も移りましょう。 まして、姫様は藩主の娘でございます。万が一でも何かあれば」
姫 「…」
家臣A 「あの者(若頭)はそれを考えて、冷たく言ったのでしょう」
姫 「さようか…室戸の鯨漁が上手くいくと良いな…」
それ以降…室戸の鯨漁は紀州の鯨漁法を真似て発展し…日本有数の鯨漁の漁場として江戸時代から現在まで受け継がれています。
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