10話 室戸相撲大会




   ・・・室戸岬の海上・・・


   ☁   🌞   ~🛸🌌


 ~~~~🎣⛵🎣⛵~~~~

     

 🐟~ υ  υ  ~🦑


 夫は六助と一緒に、室戸岬の海上で仕事(魚釣り)をしてました。


夫 「最近、全然やの~…」


六助 「ああ、このひと月、全然釣れん…」


夫 「帰るか…?」


六助 「あ? うん…」


 夫と六助は、それぞれの家に帰りました。





  ・・・おさごの家・・・


夫 「おさご♪ 帰ったぞ♪」


おさご 「あなた…おかえりなさい…」


夫 「…びしゃご痩せたの~」


おさご 「あなたも…」


夫 「ここ数日はワシら…何も食べてないからの~」


おさご 「どうでした? もしかして今日も?(汗)」


夫 「モチロン! 坊主(釣果ゼロ)ぜよ!(キッパリ)」


 その時! おさごが貧血で倒れました!

夫 「おさご! 大丈夫か!?」


痩せ衰えたおさご 「なにせこの何日…何も食べて無かったもので」


夫 「ちょっと、待っとけ! 近所のモンに食い物を分けてもろうて来るぜよ!」



 夫は隣りの六助の家の戸の前へ…

 家の戸を開けようとすると中から 怒鳴り声が聞こえました!


六助のヨメ 「この能無し! 役立たずが!!(激怒)」


六助 「そっ、そんな事言われても! 相手は自然じゃ!…な?仕方無いやろ~?」



六助のヨメ 「ああん!(怒)ワタシに口ごたえする気かい? いい度胸してるね~。ボキ!ボキ!(己の手を鳴らす音)」


六助 「ひいいーー!!(怯え)」


 ドン!!


 家の中はシ~ン静まりかえりました…


夫 「とても食い物をもらえる空気じゃないぜよ」


 その時、

 近所の五助が夫の元へ。


五助 「どうしたぜよ?」


夫 「おおう♪ 五助♪ おまん家に食い物があったら分けてくれ♪」


五助 「アホー! バカ言うな! こんな不漁やにおまんに食い物を分けれるか! お父とお母の喰いもんが無くなる!」


夫 「おさごが飢えて死にそうなんじゃ(涙目)」


五助 「それは大変じゃ! 分かった! すぐに持って行く!」


 五助は家から食料を持って、おさごの家へ…


五助 「こんなモン(蒸かし芋)しかないけど! おさご! 食べてくれ!」


 おさご 「五助さん…ありがとうございます。 助かります…パクパク…お芋♪ おいしい♪」


夫 「すまんな~五助~」


五助 「気にするな…それにしても、ほんまにおまん(夫)も、おさごも痩せたの~」


おさご・夫 「はい…」


五助 「24番札所でする「相撲大会」にダメもとで出たらどうや?」


注:24番札所とは、四国88ヶ所霊場の1つで室戸岬先端に位置するお寺である。


夫 「はあ~相撲大会~? なんか面倒くさそうぜよ」


五助 「優勝したら「米一俵」をもらえるそうやで」


夫 「 ! 」


おさご 「!!!」  



 翌日の昼頃…




目覚める夫 「ふあ~(アクビ) 今日もよく寝たぜよ♪ あれ? おさごは何処じゃ?」


 夫は外に出ました。


木にテッポウ(ツッパリの練習)を打つおさご 「どすこ~い! どすこ~い!」


 なんと! おさごは木にテッポウ(ツッパリの練習)を!


夫 「おさご!? おまん何しゆう!?」


おさご 「あなた、見て分かりません? 相撲の練習をしてるんです…(汗)」


夫 「なんぼ練習したって! おさごの細い体じゃ相撲にならんぜよ!」


おさご 「でも、お米が欲しい」


夫 「分かった! ワシが相撲大会に出て優勝して、おさごに白い米を食わせてやるぜよ♪」


おさご 「あなた! 本当ですか♪」


夫 「モチロンぜよ♪」



 不気味な笑い声が聞こえた…


??? 「フフ…あんた達(おさご・夫)の痩せ細った体で、本気で室戸相撲大会で優勝できると思っているのかい?(微笑)」


夫 「ダレぜよ!?」


六助のヨメ 「ワタシだよ!(笑) 米はワタシがもらう…(ニヤ)」


 ☁   🌞   🐤~


 🏡~🐻 👨💦👩💦🏡🌲_🐈~


おさご 「六助さんの奥さん!」


夫 「(こんなヒグマのような女(六助のヨメ)と相撲したら、確実に大怪我するぜよ…)」



六助のヨメ 「今回、ワタシの出場を知った室戸の村人達は、次々と相撲大会を辞退をしてるらしいよ♪ おさごちゃん達も怪我したくなかったら…米一俵は諦めな?」


夫の方を見るおさご 「あなた…どうしましょう?(怯え)」


夫 「おさご…残念やけど諦めよう…この化物には勝てん」


おさご 「はい(涙)」



六助のヨメ 「よ~し! あんた達なかなか利口だね~♪」


 その時!

 近くの木陰から若頭が!


若頭 「やけに相撲大会の辞退者が多いと思ったら…アンタ(六助のヨメ)が一枚噛んでたワケか?」


六助のヨメ 「若頭? フフ…人聞きが悪いコト言うね~(笑) ワタシはただ皆に忠告して回ってるだけだよ。 ワタシだって好きで人を潰したくないからね」


若頭 「オレにも忠告したらどうだ?(ジロ)」


六助のヨメ 「ほう…アンタも出るのかい?(ジロ)」


 若頭と六助のヨメは睨み合いに・・!


六助のヨメ 「フフ…面白くなりそうだね…行くよ! あんた(六助)!」


六助 「へい!」


 六助夫婦は何処へ。


夫 「アイツ(六助)おったんか…?」


若頭  「ところで、おさごさんのために…アンタ(夫)は相撲に出ないのか?  相撲は何が起こるか分からんぞ」



夫 「分かりました! 出ます!」


おさご 「あなた!がんばって!」




若頭 「じゃあ、今から浜でオレと相撲の練習するか?」


夫 「お願いします!」  



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る