8話


姫 「どうじゃ~? わらわの目に狂いはなかろう~?(ニヤ)」


夫 「…」


姫 「さてと、今からわらわと土佐の町に遊びにゆくぞ」



おさご 「姫様、お言葉ですが…」


姫 「そちはまだおったのか! はよ去れい! あなた様(夫)、わらわの言うことを聞かねばココで大声で叫びますよ。 そうしたら、あなたたち二人がどうなるかお分かりでしょう…(ニヤリ)」


おさごと夫 「!!」


姫 「フフ」



夫 「くっ…おさご…仕方がない…ココは姫様の言う通りにするしかないぜよ」


おさご 「あなた?」



姫 「さあ♪ 行くぞ♪」


夫 「はい♪」



おさご 「あなたー!」


 姫は夫を連れて、高知の城下町へ。



  ☁  🐥  🌞 ☁


🏯_~👨👩💕_🏠🏠_🐕🚩





 高知城下町の広場(闘犬会場)…


 闘犬会場では優しそうな受付が 客呼びをしてました


受付 「へい! 土佐中から腕自慢の犬が集っているよ! しかも! 今日は土佐犬大横綱の『土佐鰹(とさかつお)』も出るよ!! そこのお嬢さん! 入場料は二人でたったの一文だよ!!」


姫「あなた様♪ 闘犬を見ましょう♪ あなた様…わらわはお金など持ってない… あなた様、一文を貸してくださりませんか?」


(注:江戸時代では一文は1両の4千分の1)


夫 「…」


姫 「あなた様?」


夫 「姫様 !ワシは金なんて一文も持ってないぜよ!」


姫 「大人なのに! 『一文』も持ってないんですか!?」


夫 「大人なのに「一文」も持ってないぜよ…」


姫 「弱りました。 せっかく来たのに。今日は大一番の横綱対決! 土佐犬大横綱『土佐鰹』と秋田犬大横綱『霧丹歩(きりたんぽ)』戦があるのです!!(興奮)」


夫 「はあ~。そうですか…」



姫 「 ! あなた様、名案が…あなた様はここで一文分働け…これは命令じゃ」


夫 「え~、そんな~」


姫 「一文分の労働ですからたいしたことないですよ♪」


 姫は素性を隠し、受付に相談しに行きました。


お姫様 「カクカクシカジカ…わらわからの頼みじゃ。 わらわはどう~~しても『土佐鰹』と『霧丹歩』が見たいのじゃ」


受付 「お嬢さんの闘犬への熱い想いは伝わったよ。 ただし、この男(夫)がどうなっても構わんのだね?」


姫 「はい」



夫 「そんな~…」



受付 「では、お嬢さんは入りな」


姫 「あなた様、行って参ります。 しっかり仕事をするのですよ♪」


夫 「はあ~…」


 姫は嬉しそうに闘犬会場に入って行きました。


夫 「ワシも見たかったの~」


人柄が変わった受付 「おいごらぁ!! なにボサっとしてやがる!! テメエ(夫)はコッチだ!(怒)」


夫 「はっ、はい!」



受付 「オレがテメエ(夫)を一文で買ってやったんだ…恨むんならお前を売った…あのオンナを恨むんだな…(ニヤり)」


 受付は夫を一文で買ったと勘違いしてました。


夫 「ヒイイ~~」


受付 「オラ! お前たち!」


 受付に呼ばれて闘犬従事の… 恐そうな若い衆が数人来ました。


若い衆A 「へい! カシラ(受付)何用ですかい!?」


受付 「コイツ(夫)をお前たちが、好きに使いな!」


若い衆たち 「へい!」


 夫は闘犬会場の裏方に連れて行かれました。  




   【🐕 】👀💦


受付 「こっ、これが秋田犬大横綱ですか…? すごいでかいですな…これ10尺(3メートル)はあるんでは?」




霧丹歩の飼い主  「コイツは最強ですわ! わが秋田藩の宝ですわ!10尺に体重は40貫(150キロ)! 今日の土佐鰹との戦いが楽しみですの~(笑) ちなみに、この5日間は水しか飲ましておりません!」


受付 「…では、結びの一番までわしらが預かりましょう」


霧丹歩の飼い主  「おう、たのんます!」


 霧丹歩の飼い主はオリに入れた霧丹歩を預けて何処へ…


若い衆A  「カシラ! コイツが霧丹歩!?」



霧丹歩(🦁) 「ぐるる…」


受付 「そうじゃ…コレにワシの大事な土佐鰹を戦わしたら…骨も残らんぞ…」


若い衆たち 「ワシたちの土佐鰹が…(涙目)」


受付 「えうううっ…まさか…こんな化物が相手だったとは…(涙)」


若い衆A 「カシラ…アッシにイイ考えがあります…」


受付 「グス…なんじゃ?」


若い衆A 「ヒソヒソ…」


受付 「なんやとー! おまん! 正気か!?」


若い衆A  「カシラ~…キレイごとはやめてくだせえ…ワシらの大事な土佐鰹とあの男…どっちが大事ですかい?」



受付 「・・・証拠は残すなよ」   


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