15話 室戸相撲大会


 

  行司(高僧)にイカサマ誤審を強い・・

  不正を試みたという事で・・

  今回以降の室戸相撲大会から永久追放になった夫は一人淋しく帰路へ・・



石ころを蹴る夫 「ちぇ、なんでワシがこんな恥をかかんといかんのじゃ・・」



   その時・・  草むらから がさがさと音が・・



夫 「ん? だれじゃ?」


 草むらから・・


   🌞  🐥~


 🌹🌹🐻 👨 🌳🌳


  熊が出てきました。




夫 「熊? どうしたんじゃ? こんな所で?」




熊 「ガウ! (あなた・・ワタシも影から相撲大会を見てました・・あなたが失格になるなんて・・(涙))」


夫 「その通りや・・おまんはワシの事が良く分かっちゅうぜよ♪」


熊 「ガウ! (ワタシと一緒に・・この村を出ませんか?)」


夫 「え・・?」


熊 「ガウ! (ワタシ・・あなたと添い遂げたいと思い・・旦那も子供も捨ててきました・・)」


夫 「熊・・」


熊 「ガウ! (行きましょう・・何処か・・遠くの山へ・・)」


夫 「ああ・・こんな辱めを受けた以上・・もう、ワシはこの村におれん・・。分かったぜよ・・行くか・・」


熊 「ガウ! (ワタシの背中に乗ってください・・)」


夫 「ああ・・熊よ・・これからもよろしくな・・」


 夫は熊の背中の乗り・・

 何処へ・・


 その頃・・

 相撲大会場では・・



家老 「室戸の民よ!良く聞けい! 今から準決勝を始めるが・・六助のヨメが辞退してしもうて・・「おいも」の対戦相手がおらん・・誰か我こそは・・という者はおらんか!?」



   すると・・



室戸の民 「優勝したら・・米一俵に小判一枚・・」


室戸の民 「しかも・・今、残ってるのは「おいも」「五助」「おさご」・・弱いもんばっかりや・・」


 村人全員が参加の意思を!


室戸の民全員 「家老様! ワシが出ます!」


おなす 「ワタシが出る! あんな負け(だまし討ち)じゃ納得いかない! おいもともう一回! 相撲させてください!」


 家老は・・


家老 「では・・ジャンケンで決めるがよい・・ (若頭と六助のヨメが出てる時は出る気がなかったのに・・都合の良い村人達だな・・)」


 室戸の村人全員はジャンケンを始めました・・


 何度も繰り返し…

 ジャンケンを勝ち残ったのは「村人A」


村人A 「よし!ワシが!相撲大会を制するぜよ!」




家老 「うむ・・では準決勝は


    村人A vs おいも


    五助  vs おさご  じゃな・・」  




  ・・室戸の山中・・



  夫と熊が旅たってすぐ・・


  夫と熊の前に・・


  なんと!


  若頭が現れました!


若頭 「おさごの夫よ・・どこへ行く・・?」


  夫は熊に乗りながら・・


夫 「若頭! なんでこんなところに?」


熊 「ガウ? (あらま、いい男(大将)♪)」


若頭 「夫よ・・熊の背に乗り・・この村から出て行く気か?」


夫 「そうです・・ワシだけ永久追放になり・・みんなから恥をかきました・・もう村を出ます・・」


若頭 「おぬしがこの村から出て行けば・・おさごが淋しがるぞ? おさごにとって・・おぬしは、かけがえの無い夫だろう? 恥をかいたくらいで村を出て行くな」


夫 「でも・・出て行くと決めました・・」


若頭 「では・・今ここで・・お前とワシで・・1発勝負の相撲をしよう。 おぬしが勝てば・・どこにでも行くがよい。 ワシが勝てば・・おまえはおとなしく家に帰るんじゃ・・。 ワシとお前の真剣勝負だ・・」


夫 「え?でも、若頭は・・五助に負けるほど膝を怪我してるんでしょう?」


若頭 「夫よ・・おまえだけに言う・・ワシはおさごを好いておる・・」


夫 「へ? 若頭! おさごはワシの妻ですよ!(怒)」


若頭 「だから・・おさごを悲しませたくない・・たとえ、膝が壊れようとも・・おまえには負けない・・」


  夫は若頭を見つめながら…


夫 「分かりました・・。これ、熊、下ろせ」


熊 「ガウ! (今からココで・・・室戸相撲大会…真の決勝が始まるのね・・)」


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