第39話友の助け
ファルリンがアパオシャと対峙するより、前。モラーズとピルーズはファルリンの故郷
近衛騎士団が護衛しているホマー城から逃げてきた民間人を
二代前の王の時代に、
モラーズもピルーズもまったく
放牧中の
「
ピルーズは自分が
「族長に会いたい」
モラーズが替わって答える。
「不審者をそう簡単に案内できるか」
「俺は、王国近衛騎士モラーズだ。俺たちを助けて欲しい」
「支配階級は勝手に仲間内で助け合ってろ」
とりつく島がない青年の様子に、モラーズはいいつのる。
「ホマー城とその城下町が魔獣で襲われ、避難している民間人四千人を助けて欲しい」
民間人と聞いて青年は少し考えて、モラーズとピルーズに着いてくるように言った。青年は駱駝に乗り、駱駝の首を巡らせ北に向かう。
「この先で駱駝を放牧しているのが族長だ」
一通りの挨拶を済ませてモラーズは、懐からファルリンから託されたペンダントを見せた。
「ファルリンとは、切磋琢磨する仲間です。私がここに来ようと思ったのはファルリンが居たからです」
モラーズは、ヤシャール王国の貴族男子の一般的な教育を受けている。その時、
近衛騎士になり、
だがファルリンと生活をし任務を熟すようになると見方は変わった。
自分たちも
「我々の作法に詳しいのは、ファルリンに習ったのだね?」
モラーズとピルーズは、族長であるカームシャードの言葉に顔を見合わせた。
「ファルリンと癖が似ている。我々の文化を知ろうとしてくれたのだろう」
モラーズとピルーズは、すべて見抜かれて恥ずかしそうに笑った。モラーズは深呼吸をしてから話を切り出した。
「
モラーズは、ホマー城からの避難してきた人々の話をした。一通り話を聞いたカームシャードは、避難民の保護をすることを引き受けてくれた。
「我ら
「俺が言うのも何ですが、こんなにあっさり引き受けて良いのですか?」
ピルーズが不思議そうにカームシャードに尋ねた。
「二人がファルリンと親しい関係で無ければ、追い返しただろう。二人が我らの文化に理解を示そうとしているから、応えたのだ」
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