第21話 祭時
文化祭………
それは…戦い…
ある者は舞台上で
ある者は模擬店の隣同士で
そして…ある者は…一人
孤独と戦う…
「お兄ちゃん…今日は遅くなるの?」
零奈が学校へ行く支度をしながらそんな質問を飛ばす。
「あぁ。文化祭の準備があるからな」
紅太郎がそう応答すると、零奈は少し寂しそうな顔をしたが、直に笑顔に戻して
「わかった!お兄ちゃんの学校の文化祭
楽しみにしてるね」
紅太郎は少し自分の足元を見て返事した。
「ありがとう」
二人は家のドアを同時に開けた。朝の日差しが二人を照らす。
◇政府軍羽田基地道場
「ほら早く竹刀を持って」
そうやって花香は子供をしつける母親のように紅太郎に命令する。
2030年9/20早朝
道場の窓からは朝日が差している。
今日は紅太郎や花香が通う高校の文化祭準備がある日で学校は8時からなのでそれまでの間、花香が修学旅行の最後で倒れた紅太郎をしつけると言い出し、紅太郎はこの道場に意図もせずに立っている。
「もういいだろ。これから文化祭の
準備という名の超過酷の労働基準法
違反の重労働があるからさぁ」
竹刀を構え直しながら、紅太郎は最もらしい単語を並べる。
「労働って言葉を並べても意味ないよ」
「コータローは労働のエキスパートでしょ」
花香は腰に手をあてて言う。
「ちょっとどころかかなり何を言って
いるのかわからないんですけど」
呆れた口調で紅太郎は返す
「だってさぁ……
能力に目覚めたと思ったら、伊月
ちゃんを口説いて、政府軍の変な頼み
を下僕のように聞いて、今度はルキア
ちゃんにまで手を出した最低のゲス
野郎じゃん。はい論破。」
花香の言葉が紅太郎のお豆腐メンタルにささっていく。
「からかうなぁー!」
紅太郎は竹刀を持って花香に向かって突進した。
「きゃー襲われるー」
(ほらやる気出た)
花香も竹刀を構えた。
だが、紅太郎の竹刀は紅太郎も意図してないところにあたった。
そう大きくて(人による)、弾力があり、2つあるもの。
ムニュ…
「…………………」
「……………………」
道場内に沈黙が走る。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「ごめんなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁい」
この後、紅太郎がどうなったかは皆さんの想像にお任せします。
◇文化祭準備
「なぁ機嫌直してくれよ」
「知らないわよこのヘタレ」
やはり花香の言葉は紅太郎のお豆腐メンタルにささる。
何とか学校には遅刻をしないでこれたが、花香は今朝の事を怒っていた。
仕方なく紅太郎は自分のクラスに行った。
クラスに行くと、既にクラスの仲間はクラス展の準備を始めていた。その中心に見かけた事がある女子がクラス展の指揮をとっていた。
伊月だ。
伊月はクラス展委員長とこの文化祭の実行委員を掛け持ちで任命された。
「よぉ伊月順調か?」
伊月は紅太郎に話しかけられた瞬間に真面目な顔から女神のような笑顔に急変した。
「うん!順調だよ紅太郎」
「俺は伊月が委員になって良かったと
思ってるぞ」
「そ…そう?何か照れるな…」
伊月は少々耳を赤くさせて紅太郎を見る
そしたら、今度は紅太郎の男友達が紅太郎の肩をたたいて呼んだ。
「おーい天然のタラシー」
「俺は改名届けなんて出した覚えはないぞ」
すかさず紅太郎は反論する。
「これ出ようぜ」
そう言われて紅太郎は友人の手にあったチラシに目を通す。
そこにはこう書いてあった
「第一回女装コンテスト」
優勝者には校長先生の部屋から発掘したエロ本をプレゼント
「ふざけんな」
「ふざけてるよ」
そこに伊月が覗きこんできた。
「…………………」
「で……」
「ないから!」
伊月が言い終わるよりもはなく紅太郎が言った。なんとなく予測がついた。
「それより紅太郎は剣技が得意なんだか
ら競技大会に出ればいいのに」
「へぇこんなのにそんな得意技が」
紅太郎の友人が小馬鹿にした口調で紅太郎と伊月に言う。
「そうだよ!見て驚きなさい!」
「いや…俺はまだ出るとは…」
「申し込んでくる!」
伊月が紅太郎の言葉が聞こえなかったように教室を飛び出して行った。
「あ………」
「ま、頑張れよ」
「他人事かよ…」
「まぁ他人ですから」
結局、また紅太郎は強制的に何かをさせられるのであった。
◇某所のダーク・ウィング拠点地
「二刀流を取得したか…」
「さて、やつは絶望したら面白
そうだな」
すると、一人の男がサタンに
申し出てきた。
「任せてください」
フッ…
第22話につづく
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