第2話  精霊




太古の昔

天照大御神が須佐之男が暴れまくった事により、岩戸に引きこもってしまった。そして地上から光はなくなった。そこで神々は天照大御神を岩戸から引き出す為に宴会を行った。アメノウズメらの協力により岩戸は光り、そこから天照大御神が姿を現した。地上に再び光が戻った。


そして━━━








光と共に現れた少女は紅太郎と花香の前に

行き、言った。

「何故なら、あなた達はもう既に特別な

 能力を持っているからよ」

「え?」

花香がきょとんとした顔を作り問いかける。

「どういうことだ!」

紅太郎と花香は意味のわからない事を言われ

混乱する。まぁ普通、あなたは超能力者ですって言われたらみんな同じような反応をするだろう。

「さっき、空間の歪みが起こったでしょ。

 その影響であなた達は人並みに

 外れた能力者になったの」

確かに紅太郎自身もあの衝撃に巻き込まれた時に何か強いエネルギーに触れたような感じを全身で感じた。まるで何かの器が身体の中で形成されたような。しかし、紅太郎は少女の言っている事を信じる事は出来なかった。

「何をわけの分からない事を

  言ってるんだ!」

「そして、君は一体何者なんだ!」

紅太郎は少女に存在を聞いた。普通の人ならわざわざ不審者に声をかける等という自滅的な行為はしない。だが、紅太郎は少女の存在を知りたかった。出会って数分しかたっていないが、少女は何か重荷を背負っているように紅太郎には見えた。少女の目がそれを証明した。

紅太郎に問われて、少女は少し俯いた。

「私は…この世界の危機を知らせ

 に来た…」

っと、少女は少し目線を下へ向ける。

その目は慈悲を与える女神のような目であると同時に少しの影と焦りがうつっていた。

少女はそう言うとエメラルド色をした剣を

取り出し、紅太郎に渡した。

「あの空間の歪みはこの世界の征服を

 狙う闇の組織……

 ダーク・ウィングが起こした

 ものなの。」

話ながら少女は今度は細剣を取り出しそれを

花香に渡した。

「あなた達を襲ったのも

 ダーク・ウィングのしたっぱ

 的存在のダークドラゴン」

「ダーク・ウィングはこの世界に

 侵入し、今はどこかに隠れている」

「そいつらに対抗出来るのは、空間

 の歪みにより、特別な力を宿した

 あなた達超能力者達なの」

すると、少女は俺と花香の頭に触れ…

「あなた達しかいないの!」

「お願い!この世界を救って!!」

そう言うと少女の手が光り、俺達は何かが

入ったような感覚がした。

それと同時に少女の手が何となく震えていた。

「今、あなた達に自動回復能力を

 授けたわ」

「これで少しの傷ではあなた達は

 死なないわ」

俺は頭の中で全く整理がついていなかった。

しかし、少女の話を聞く限り、もうYESと

いう選択肢しか無さそうだ。

俺と花香は顔を合わせた後

声を合わせて

「分かった!」

と言う。すると、少女は笑顔を浮かべた。

少女は花香の方を向き、

「後、あなたは別の能力も

   持っているわ」

「え?」

「それは自分で見つけられるわ」

少女はそう言うと後ろを向き、立ち去ろうとした。だが、それを紅太郎は逃がそうとはしなかった。大事なことが聞けていなかったからだ。

「それで君は一体何者なんだ!」

「私は…何者でもない」

少女の言葉が分からずに紅太郎は少女の行く先を止めようと、少女の肩をつかもうとした。普通に理由も無くやったら犯罪臭がするが…………

紅太郎は手をのばしたが、少女を

触れられなかった。

「実態が…ない……」

そう、彼女の身体が半透明化していた。

目には見えているが触れられない。

まるで中国に伝わる伝説の山。蓬莱山みたいだ。しかし、蓬莱山とは違うのは紅太郎達が不老不死の名薬らしきものを少女から授けられたことだ。

「私は…天使のガブリエル…」

「今はそう言っておくわ」

少女は想像もしない事を言った。

その言葉に紅太郎と花香は自分の右脳でガブリエルと検索をかけた。

「ガブリエルって神話に出てくる

 予言の天使であり…」

「大天使長の一人…」

「そう。あなた達は私のガブリエルの

 力を手にした立派な能力者よ」

「さぁ勇者よ立ち上がって!」

少女はそう言うと、光に包まれて消えて

いった。半透明から透明へと。

俺も花香もあまりにも急展開過ぎて、

世界を救えと言われても何から

始めればいいか分からなかった。

しかし、この力を使わなかったら

家に帰ることすら出来ないかもしれないと

悟り、覚悟を決めた。

俺は背中から、花香は腰から授かった

剣を降ろして、皇居の岩陰から出た。





そう、この戦いは少女……天使に出会った

今日4/10から始まった。

この後、衝撃的な現実に向き合うなんて

思ってもいなかった……



        

         第3話につづく

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