第18話 解き放たれた光
沖縄に強い風が吹く。
天使・ルキアを中心に。
そのせいか、沖縄には強風警報が発令されて
いた。強風の影響により、海岸から強い波が紅太郎に向かって打ってきた。紅太郎はその風に向かい真っ直ぐ走った。そして、ルキアの真下に行き、
「ルキア!リベンジだ!」
と言ったが、風が強すぎてルキアには紅太郎の声が届かない。
仕方なく紅太郎は両手に持っていた双剣
<ガブリエル>と<サンダルフォン>を上から下へ振りかざした
「クロス衝撃波!」
Xの字を描くように2本の剣で衝撃波を作り
だした。剣が2本になったので単純計算で
<ガブリエル>の貫殺衝撃波の2倍の威力である。
「ん?」
クロス衝撃波でルキアの風が段々と切り裂かれているのに気付いた。
ルキアは慌てて防御体制をとる。
ドカーン!
風が止んだ。
何とかルキアは紅太郎が放ったクロス衝撃波を防ぐと下に立っている紅太郎に気付いた。
そして、上から見おろすように紅太郎に話しかけた。
「また来たか。愚かな人間…」
ルキアの言葉に紅太郎が言い返す。
「お前に再戦を挑む!」
「そして、今度こそ勝ってお前を救う」
紅太郎の言葉にルキアは若干口元を緩めた。
そして、
「何をもってそんな事を言える人間!」
ルキアの答えは甘えた考えではなかった。
ルキアは風を振り払い、剣を紅太郎にむけ、
「こい!人間!」
と、言い放った。
紅太郎とルキアの2度目の戦いが
開始された。
ルキアは、剣を上下に振りかざし、風を剣に集中させた。そして空間を切り裂くように下ろした。かまいたちのような刃を紅太郎の視界に現れる。それに対抗し、紅太郎は2本の剣で交差して、それを受け止める。
「クロスブロック!!」
そして、ルキアへ押し返す。
「なっ……!」
ルキアは目を大きく開いた。
「私の攻撃を弾き返したのはあなた
が始めてだ」
ルキアが驚いているなか、紅太郎が叫ぶ。
「人間はお前が思っているほど弱くはないんだよ。」
「さぁ勝負だ!ルキア!」
そう言い、紅太郎は2本の剣を構えて、ルキアに向かって高く飛び跳ねる。
呼応するように技を打つルキア。
「<ラファエル>!
ストリームバースト!」
向かって来る紅太郎に向けてルキアは水分を含めた竜巻を起こし、紅太郎に放った。激しい水流は体重が60キロある紅太郎を簡単に飛ばせるくらいの勢いがあった。
「はぁぁぁ!!!」
それに対し、紅太郎は2本の剣を振り
回して、風を切り裂く。ルキアの目の前まで迫った紅太郎は突進攻撃をかけた。
「<ガブリエル>!
アコスティック・ブレイブ・バード」
右手に持っている<ガブリエル>の剣でルキアの装備を狙う。
「は!」
それを盾で受け止めるルキア。
「今だ!」
「<サンダルフォン>!
ダーク・アザルト!」
紅太郎は左手に持っいた<サンダルフォン>の剣で強撃技をかける。
重みを振り下ろし、地面へ向けて突き落とす。地球の引力を利用し。
「ぐはぁ!」
不意打ちを受けたルキアは地面に落とされた。落とされた地点から土煙が舞う。
紅太郎もその付近にゆっくりと着地する。
「腕を上げたわね」
「しかもこの短時間で」
土煙を払ってルキアが姿を現した。
「そりゃどうも」
さっきの衝撃でルキアの盾は割れていた。それを振り払い、ルキアが剣を構える。
「だが、私は負けない!」
「ホド様…私に力をお貸しください…」
ルキアがそう言った瞬間、ルキアの身体が光り、周囲にまた風が吹いてきた。
ルキアは再び浮遊し、光った剣を紅太郎に向けた。天使の真っ白い羽。ルキアにいる空間だけが晴天になった。
◇ダーク・ウィング本部
「今、沖縄にいるのは」
「人間…いや、超能力者と天使
ルキアです。サタン様」
そのサタンと呼ばれる男は口元に笑みを
浮かべて、その映像を見ていた。
「ふっ面白い」
と、台座に座りサタンは言う。
「どうやら、その紅太郎と言う超能力者
は、複数の天使を一つの身体で使う
事が可能だそうです」
幹部の一人が紅太郎の能力を説明
した。又してもサタンは口元に笑みを浮かべ
「なら、その様子を見てみるとするか」
と、言い放った。
ダーク・ウィングのリーダーのサタンは気高く笑うと台座のすぐ下に書いてある魔法陣に手を置いた。
「我らの敵である天使を打ち倒すと
同時にその複数の天使を使う紅太郎
とやらを試そうじゃないか」
魔法陣が光り、サタンの目の前にダーク・ウィングのしたっぱ的存在のダークドラゴンが現れた。
「ダークドラゴン3体!
超合体!
完成!キングダークドラゴン!!」
「目標沖縄!行け!!」
ダーク・ウィング本部から巨大なダークドラゴン…キングダークドラゴンが出現し、沖縄に向かって音速で飛び立った。
◇戻って沖縄
「喰らえ!」
姿を変えたルキアは変身時に放出した光を
自身の武器の先に吸収した。
「必殺!<ラファエル>!
ゴッド・ウィンド・アロー!」
ルキアが矢を引こうとした瞬間…
ドカーン!
「きゃぁ…」
あの天使・ルキアが吹き飛ばされた。
風と雨の天使が吹き飛ばされた。
紅太郎も突風が吹いてきた方向に視線を送る。
ぐるる…
ダークドラゴンだと思った。
しかし、少し違った。
頭が頭部、左手、右手に3つあり、
巨大な角が生えており、
通常のダークドラゴンが3メートルくらいのに対して、今紅太郎とルキアの目の前に現れたのは7,8メートルはあった。
「何だよコイツ…」
それはまるで……
悪魔のようだった………
第19話につづく
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