第12話《彼女とのラーメン店》
「ここだよ」
「い、いかにもラーメン店って感じですね……兄とよくラーメン店行くんですけど、このお店は初めてです」
ああ、そういえば渡部は豚骨ラーメンが好きだと自己紹介の時に言ってたな。
妹ともよく行くのか。
まぁ、来たことがないなら良かった。
住んでる地域が千葉から少し遠いのだろうか。
「じゃあ、入ろうか」
「は、はい」
「いらっしゃーい!!」
「親父さん、いつもの二つ」
「あいよ!!……って悠一が女の子を連れているだと!?悠一、お前さん何があったんだ!?」
「えーっと……何があったと言われてもな……」
「デートか!?ならなんでうちの店に来た!?デートで来るような店じゃねえだろ!?」
「あーもう!恥ずかしいから早く作ってくれよ!他の客だっているじゃないか!」
はぁ……疲れる……この店に来るべきじゃなかったかもしれない……
でも、ここのラーメンを食べたかったし、渡部さんにオススメの店案内してくださいって言われたしなぁ……
「す、すごい店主さんですね……」
「ああ……いつもあんな感じなんだ、あの人……あ!つい癖で俺がいつも頼んでるやつ頼んじまった……ごめん」
「あ、大丈夫ですよ。兄が柳さんは博多の豚骨ラーメンが好きらしいから、今度オススメとか聞いてみたいなって言っていたので、柳さんのオススメのラーメン私も気になってたんです」
「そ、そうなんだ。それなら良かった」
そういえば、渡部もラーメンが好きだと自己紹介で言ってたな……
今度美味いラーメン店聞いてみるか……
「へいお待ち!!悠一、今日は何も言わねえ……楽しめよ!!だが今度色々と聞かせてもらうからな!!」
「わ、分かったよ……いただきます!」
「い、いただきます……」
うん、いつも通り美味い。
これぞ馴染みの味だな。
渡部さんは……?
「ん……美味しい……!とても美味しいです……!兄も絶対に美味しいと言うと思います……!」
良かった……満足してくれたみたいだ。
しかし……渡部さんの嬉しそうな顔……可愛いな……
「柳さん?早く食べないと麺が伸びちゃいますよ?」
「え?あ、ああ……そうだな」
「それでこの後、どうしましょうか?」
「うーん、そうだな……どっか行きたいところとかある?」
「いえ……特にはないですね……」
「……じゃあ、動物公園行くか?近くで二人で楽しめそうなところってそこぐらいだし……俺も最近行ってないから」
「そうですね。私は問題ないです」
「よし。じゃあ食べ終わったら行こうか」
「はい」
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