第17話《妹との対話》

「お兄ちゃん!晩ごはんできたよー!」


「……ん……?はっ!」


も、もうそんな時間になったのか!?

全然寝た気がしないんだが……


「分かったー!すぐ行くー!」


はぁ……それにしても今日は本当に疲れた……

こんなに疲れたのは久々だな……

今日は晩飯食って風呂入ったら直ぐに寝よう。

明日学校に行けなくなったら困るし。


「あ、お兄ちゃん。……もしかして寝てた?」


「……なんで分かるんだ?お前、人の過去を見れる特殊能力でも持ってんの?」


「いやそんな能力持ってないよ……ていうか能力なんてなくても、お兄ちゃんが寝てたかどうかくらい分かるよ。何年一緒に住んでると思ってるの」


「そうですか……でも俺は文加が何してたかとか全然分からないんだが……俺が文加のことをちゃんと見てないのか……?」


「うーん、多分私は分かりづらいんじゃないかな?お兄ちゃんは直ぐ顔にでるからね。分かりやすいの」


「マジで!?俺そんなに顔に出てる!?」


ということは、渡部さんが可愛いと思った時も顔に出てたのか!?

その顔を渡部さんに見られていたら……バレているかもしれない……

もし、バレていたら……恥ずかしすぎて死んでしまう自信がある。


「どうなんだろ……私はお兄ちゃんをずっと見てきたから分かるけど……赤の他人だったらあんまり分からないんじゃないかな?それでも、分かりやすいのは変わらないけど」


「そ、そうか。良かった……」


「ん?なんで良かったの?」


「え?い、いや……なんでもない……」


「そう?じゃあ、さっさとご飯食べてね。冷めちゃうから」


「お、おう……」


今日の晩飯はハンバーグか。

とても美味しそうだな。

流石文加だ。


「そういえばさ、お兄ちゃん。動物公園どうだった?楽しかった?」


「お?まぁ、楽しかったぞ。レッサーパンダとか結構可愛かったしな」


「そうなんだ。だからレッサーパンダのキーホルダー買ってきたんだね」


「ま、まぁな……あ、ごちそうさま」


「はや!!そんなにお腹空いてたの!?」


「いや……今日は疲れたから早く寝ようと思ってな……この後すぐ風呂入って寝るわ」


「りょうかーい。おやすみ〜」


「おう。おやすみ~」

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