人ならざるもの調査紀行

ファミ通文庫大賞一次通過作品です。

人ならざるもの、あるいは隣人。
それは人の理解を超える能力を持った存在のこと。

人間社会とは離れたところで繁栄をする彼らだったが、近年は活動範囲を広げる人間との衝突が目立っていた。

彼らの生態を調査し、また対処をする『調査人』であるマルカは、ある村で一人の少女と出会う。
その少女は突如として感情が消え失せてしまう奇病、魔女病に侵されていた――。




人に世界は変えられない。
多少の影響を及ぼすことは出来るだろうが、世界を変えることなんて決してできない。
そして決してしてはいけない。

だから、彼らにできるのは観測だけ。
彼らに許されたのは、ほんの少しの対処だけ。
人ならざる存在を、理解を超えた超常を、隣人で留めておかなければならないのだ。


毎…続きを読む