Beast

Aquae

プロローグ

主様ぬしさま、どうしてボクは嫌われるの?」

「人は自分と異なるものを怖がる。」

「人と同じになればいい?葉っぱも食べればいい?

「その必要はない。」

「どうして?」

「人を喰らわねば良い。」

「でも、死んじゃうよ。」

「血だけ分けてもらいなさい。」

「うん。」

「この山で人を襲ってはいけないよ。」

「うん。約束。」





「君、腹減ってないか?」

「おじさん、だれ?」

「村のものさ。ほら、肉をやろうな。」

「やった!…ん、ぐ…これ、なんのお肉?」

「なんだと思う?」

「分かんない…おぇ…」

「ヒトさ。」




「嫌…やめて…!」

「グルル…」

「落ち着きなさい!」

「ゔゔ…」

「だれか!」

「ガゥッ!」

「ぎゃーー!!」




「お父さん?…お母さん?…みんな、どこ…?」

「出ていけ。」

「主様!」

「もうここに来てはいけない。ここを出て行きなさい。」

「どうして?嫌だよ!主様!」

けがれは入ってはいけない。」

「うわぁ!」

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