‪ミステリィ・イズ・ノット・イナフ〜ミステリィとモード系好き低身長女子と、感情豊かな後輩くん〜‬

二一一八年、世間ではミステリィといえば空想推理小説（ガジェット・ミステリィ）が主流となっていた。
アガサ・クリスティやコナン・ドイルといった本格派の推理小説は、古典推理小説（アナログ・ミステリィ）と呼称されて完全に差別化された。古典推理小説は淘汰され、売れないジャンルとなってしまって作家は皆一様に空想推理小説を書くようになった。
そして、古典推理小説を書く作家はいなくなったように思えた。
しかしアマチュア作家のユイ・ロクメイカンだけは、今尚古典推理小説を書きインターネット上にアップしていた。その作品は仮想塵芥集積場（アンダーグラウンド・インターネット）にまで追いやられたが、それを古典推理小説愛好者の一人、マーフ・チューンに見初められ、古典推理小説愛好者の集いに参加して欲しいと持ちかけられる。…続きを読む