第9話 孤独

快晴の陽に照らされたバスの中で、うとうとしながら、時折窓から見える景色を流れ見ていました。

こんな時、私は孤独を感じません。


でも、着いた病院で、先生や相談員の方に、自分の感じる孤独への不安、心細さを言葉にしてしまう時、私は孤独を感じてしまいます。


いっそ、そのことは口にしないほうがいいのだろうか、そう思うこともあります。どんなに、親しく優しくされても、それがかえって自分はひとりであることを思い知らされる感覚がしてならないのです。


期待を持ってはならないんだ

そんな感情が湧いてくるのです。


寂しい、と私は思います。


ずっとずっと昔から、まだ、寂しいの言葉も意味も知らない頃から、私は何かを感じとっていたのでしょう。


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