第26話 参観

小学校1、2年生くらいまでは、授業参観を、訳もわからず迎え、振り返れば親が来ていました。


それより成長するにつれ、私は授業参観て何、ととても冷めた気持ちになりました。


もう、いいやん

いつもと変わらんって..


と思い、わざわざ親に見に来てもらうのも、家の外での自分を見られることも、私は嫌で、参観日案内の紙は渡さなくなったのです。


でも、振り返れば居てるんです。

なぜなら、姉が一学年上にいて、姉がきっちり案内の紙を渡していたからです。


特に、体育の授業参観を見られることは、私にとって、この上なくはずかしいことでした。


私は体育が一番好きで、全力を出していたからです。


だから、運動会なんて、ごもっとも嫌で、見られたくなさすぎて、絶対来ないで、写真も嫌だと家でごねました。


ふぅん、わかった~みたいな雰囲気を出しておいて、親は見に来ていました。


私はいつも、かっくりとしていました。


でもそのうちにスイッチが自分に入り、競技になると何も見えなくなるのでした。


写真、ビデオは大嫌いで、だから逆に父親に追いかけられました。


はずかしいのです。


それは、今も変わりません。


子どもの繊細なこころは、ふぅん、で流し続ける親でした。

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